夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

染付向付 五客揃

2013-10-27 07:42:42 | 陶磁器
金曜日に帰宅間際に家内から緊急の電話が入り、具合が悪いとのこと。帰宅後、至急救急車を手配。日赤経由後、大学病院へ搬送。落ち着いたの24時過ぎ・・。しばらくは入院、いずれ手術となりそうです。小生の手術といい、いろんなことが起きます。

ゆえにブログはしばし休稿が多くなりそうです。


本日は揃いの器です。普段使いの器のひとつに染付という重宝な作品群があります。

本作品は時代は清朝初期か??
高さ42mm、口径150mm程度の手頃な向付の五客揃いを入手しました。大きさは各々若干違い、ばらつきがあります。




高台内はいわゆる車輪高台で、明末の染付の特徴を備えています。車輪高台とは高台内を削るときに鉋の跡目がついている状態をいいます。



わざとらしくついている車輪高台は模倣が多いのですが、本作品は作品によってばらつきがあり、そのばらつきも自然なようです。



見込みの紋様は洒脱で、呉須の発色が若干発色が薄いように思えます。虫食いも少なく、残念ながら明末より時代が下がったものでしょう。この時代の差に評価は大きく変わるようです。




しかしながらこの紋様は楽しませくれるものです。日本の茶人らが好んで注文した作品群ですが、このような染付にしろ、赤絵にしろ、中国に遺品がほとんどなく、日本に多くあります。




現代でもこの作品群には中国では興味を示さず、清朝の官窯の精緻な作品を買い込んでいるようです。日本と中国の趣味の違いが今でもあるように思います。




中国人はどちらかというと作品を愉しむというより、投機目的でしょうが・・。



日本人は古染付に不完全さの面白さを愉しんだようです。茶事でもそのわびの世界でも不完全さを愉しむことが日本の茶の心です。




不完全さを寛容することは大切なことです。自らが完璧でないことを自覚し、相手に謝罪する気持ちを持つことに日本人は抵抗心を持ちません。そのことが不用意な争いを防ぐことを知っているからです。過去の過ちを踏まえながらも、日本人は寛容性を重んじているのです。中国や韓国とは大きく異なる優れた国民性です。



ちょっと高めですが、それ相応な手頃な値段で入手できる作品群です。古伊万里や西洋磁器もいいですが、このような食器も普段使いやお客さん用にいかがでしょうか? 日本人も寛容の心を失いつつありますので・・。



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