夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

冨士 福田豊四郎筆 その2 & 残雪の社 福田豊四郎筆 その57

2016-08-25 00:01:00 | 掛け軸
台風が関東に上陸するという当日の朝から義父は畑で無花果(イチジク)を採っていました。強風で実が落ちる前に少しでも採っておこうということらしい。いつもは朝の散歩の人で欲しいという方に分けてあげるのですが、さすがに朝からの雨で通る人もいないので、自宅で食べる量以外は会社にて皆さんに食べてもらうことにしました。



なかなかの美味のようで、皆さんで食べていただけたようです。

本日は福田豊四郎の作品ですが、まだ戦後間もない頃の作品です。まずは先日に帰省した時に購入した色紙の作品です。



屏風に貼られていた作品でしょうか、薄い色紙に描かれた作品です。題名は不明ですので「残雪の社」と仮題はしておきました。



落款と印章から昭和20年前後ではないかと推察しています。



同じ落款と印章の作品があります。福田豊四郎の作品は祖父の代から所蔵していましたが、本作品は自分で買った最初の頃の作品です。表具されていないまくりの状態で、簡素な軸に巻かれていた作品でした。そのため骨董店から安く譲っていただいた作品です。

冨士 福田豊四郎筆 その2
絹本着色絹装軸供シール箱 横415*縦1310



戦前、戦中、戦後すぐの頃に描かれた作品のようです。「その2」とありますように、蒐集して最初の頃の作品です。



購入費用は〇〇万円。ともかく、購入した経験の少ない頃で若かった小生にとっては大金でした。



骨董は自腹で購入しないと「その価値は身にしみない」ものです。骨董というものは、生活必需品ではないので、いずれも自分の身の丈よりも無理した買い物になるものです。



思い切って購入し、またお金を貯めて後日に表具をしてみたら、実にいい作品であると実感しました。



技術的には稚拙なところはありますが、福田豊四郎の実直さがよく出ている作品だと思います。



戦前、戦中、戦後を通じて国粋主義の高揚と相俟って、多くの画家が富士山を描きましたが、この作品にはその意図は微塵もありません。



ススキに新雪の富士・・。



表具することでまたこの作品は永らく未来永劫の遺すことができればと思います。



巻かれていた軸の紙に残されていた「題」や「落款」はそのまま残しました。誰かが福田豊四郎氏の描いたもらったのでしょうが、その後、表具される機会の無いまま放置されてたのでしょう。表具されていない状態で作品が残っていることはよくあります。描いてもらったのはいいが、表具代金を含めてタイミングを逸してしまったということでしょう。

  

今では掛け軸は破格なくらい安いお値段で入手できます。ゴルフワンプレー分で出来のよい作品が買えます。目先の面白さより、将来に残る面白さが骨董にはあります。



帰省に際しては、息子らと今は電車の走らなくなった小坂鉄道のレールでレールバイクに乗りましたが、川の上の鉄橋を走ります

そう・・、福田豊四郎は小坂町の出身です。



男の隠れ家では社の前で宴会です。



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