夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

大幅改装完了

2020-08-07 00:01:00 | 掛け軸
家内からのメールだと息子は宿題をやり始めたらしい。小生とだといつも遊び、「次に何して遊ぶ?」が息子と私の常套句・・。夕食後にさすがに疲れて「今日の遊びはなし!」と言うと息子はふて寝・・。さ~、これからは遊びと共に宿題の人生が控えているぞ~



鯉の達人と言われている黒田稲皐が描いた大幅の作品は3点が本ブログで紹介していますが、今回その中のひとつの作品を改装しましたので紹介します。

千匹鯉図 黒田稲皐筆
絹本水墨軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦1520*横970 画サイズ:縦560*横850



無落款で印章の押印もありませんが黒田稲皐の作品に相違ありません。



ジグソーパズルを嵌め込むように描かれた鱗の描き方が特徴です。



必ずしもでもないのですが、一匹だけとぼけた表情の鯉がいるのも特徴です。



いい出来の横幅の大幅の作品は珍しく、このたび改装し、保存箱もなかったので誂えました。

次は蓑虫山人の大幅の作品の紹介です。

虎渓山之図 蓑虫山人筆
紙本淡彩軸装 誂箱 
全体サイズ:横820*縦1960 画サイズ:横710*縦1430



蓑虫山人の作品は絵画という観点と紀行記という側面を持っています。



大幅の山水画はその当時の景色を詳細に描写しており、ある意味で写実的でもあります。



写真では解りにくいですが、淡い青色がとてもきれいな作品です。



よく図集でみられますが、これほど出来の良い蓑虫山人の作品はもう市場には見当たらないかもしれません。蓑虫山人は日曜美術館でも紹介されています。



一説には入水自殺を図った西郷隆盛を救出した人物という逸話もあります。



賛には「虎渓山之図」とありますが、青森で描いた作品かもしれません。

このような見事な作品?は改装するよりは、その時代のままにしておくという意見の方もおられるかもしれませんが、「100年に一度は掛け軸は改装する」という原則から、また既存の表具にそれほどの価値がなく、表具が痛んでいる場合には改装を積極的に行うべきでしょう。表具を現状のまま遺したいのであれば、締め直しという手もありますね。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。