夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

丁卯夏山水図 平福百穂筆 昭和2年(1927年)夏

2020-08-06 00:01:00 | 日本画
先週末はひさかたぶりの好天だったので、洗車、愛犬の体洗い、墓掃除と外で掃除ばかり。ホースを伸ばしたついでにと野外トイレと離れの縁の下の掃除・・・。



要は子供と水遊びですね。息子はホースの扱いがうまくなったし、いろいろと手伝えるようになってきて助かりますが、興味は遊び・・。



さて本日の作品の紹介です。平福百穂の真作の作品を入手するのは素人では至難の業です。ともかく贋作と手彩色の工芸品など贋作の森のような状態です。そのような状況で氏素性の明確な作品を入手しましたので紹介します。



丁卯夏山水図 平福百穂筆 昭和2年(1927年)夏
紙本水軸装 中田百合鑑定書(平成11年4月24日) タトウ
F12号大 全体サイズ:横6500*縦550 画サイズ:横520*横620



平福百穂の作品で描いた年期が明記されている作品は貴重ですね。



近代南画の代表的な作例でしょう。



昭和になってからの晩年における平福百穂の趣ある山水水墨画です。



水墨においてみずみずしい滲みと枯淡の筆遣いの両面が平福百穂の持ち味です。落款・印章も疑うところもなく真作です。なお額の裏面に鑑定書が添えられています。

 

鑑定されている中田百合氏については、平福百穂は祖父にあたり、平福百穂の所定鑑定人に登録されています。当方の平福百穂の所蔵作品についての鑑定はほとんどが平福百穂の子息の平福一郎氏によりますが、本ブログで紹介されている「峡田耕牧 平福百穂筆 大正8年(1919年)5月」のひと作品だけは同じく中田百合氏のよる鑑定です。奇遇にも本作品の鑑定と同じく平成11年(9月25日)に書かれた鑑定書です。



本作品と同じような構図の作品では当方には下記の作品があります。

金剛集仙峯 羅紋古紙 平福百穂筆 昭和7年(1932年)夏
古紙水墨絹装軸共箱 軸先竹節二重箱本象牙
全体サイズ:横653*縦1335 画サイズ:横523*横395



手前は柿右衛門の観音像です。



本作品と同一印章では下記の作品があり、本作品と同じく金剛山を題材にした作品でしょう。金剛山についての説明は下記の作品にブログ記事を参照してください。

金剛山萬物相 平福百穂筆 大正14年頃
紙本水墨軸装 軸先象牙 平福一郎鑑定箱+タトウ 
全体サイズ:縦150*横420 画サイズ:縦175*横240



この頃の平福百穂の山水画は近代南画として逸品ぞろいです。



平福百穂の作品を愉しむならこの頃の作品でしょう。



同郷の画家の作品は愉しみもひとしおで本作品は展示室に飾っています。こちらは水遊び、もといみずみずしい作品です。


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