夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

牛之図 倉田松涛筆 その15

2014-11-12 05:18:28 | 掛け軸
いよいよ改修計画を実行に移す段階となりました。小生の収納庫のはずが、家内の茶室計画までに及び、限られた予算内でどこまで出来るかがポイントです。



男の隠れ家の第3弾・・・。第1弾は2年以上がかり・・第2弾は20年以上がかり・・・、第3弾はおそらくまだ1年がかり・・、まだまだきっと終わらない。男の隠れ家は際限なく夢が広がりますね。

青山に設計事務所があり、町田に住んでいる大学時代の同級生が設計を担当しています。昨日は工事関係者と現地立会いです。



小生の嫌いなコマーシャルは積水ハウス・・、人は寝て一畳、起きて半畳・・、マイホーム至上主義には夢はない。そもそもコマーシャルされる「もの」は人生にとっては有害と思って間違いない。衣食住に関して、人生に関して、人はもっと賢くなる必要がありように思います。

そうそう改修するために荷物の下見をしていたら家内がこんな壷を探し出してきました。



ヌヌ~~、なんだこれは?? 全体に灰釉が掛けられ、胴の上部には縄目紋様があります。胴の株にはなにやら窯印か何かの目印が・・・。



ともかく傘入かなにかにはなりそう・・

本日の作品は郷里に画家の倉田松涛です。死に際に鼻歌交じりに辞世の句・・、こんな豪傑が少なくなった。

倉田松涛は秋田出身の画家で平福百穂の父である平福穂庵に師事した画家です。師と同じように豪放磊落な性格でしられ、酒好きのようです。郷里が同じなので蒐集の対象画家の一人ですが、最近ちょっと値段が高くなりつつあります。なんでも鑑定団に出品されたことが原因かと思いますが、本ブログで紹介していることにも起因している?? 

最近入手しづらい作品群は源内焼、平福父子、そして倉田松涛らです。以前は数千円で購入できたものもあったのですが・・・。

倉田松涛についてはネットオークションにアラートしているのですが、それほど多くの作品は出品されていません。ただ一時期に人気が高くなったことがあり、贋作もありますので要注意です。

最近は本物とこちらで判断した作品が値段が急騰しています。どうもネットオークションの入札者に専門業者が多くなったようです。先日の東京美術倶楽部に展示されている作品にも、何点かネットオークションで落札された作品がありました。骨董自体が少しずつ値が上がり始めているかもしれません。

牛之図 倉田松涛筆 その15
紙本水墨紙軸装 軸先木製 合箱入 
全体サイズ:横400*縦2060 画サイズ:横330*縦1320

年始めの描き初めといった作品でしょうね。



落款の部分に「遊印 筆□□□気□□黒□痕乾 我□須□□春風畏牡丹 維時大正十四年 龍集□栄赤□□九睦月元旦 試毫於宗都□□之百三談□房楼一蕾□□□□ 松涛道者六十一□併題 押印」と署されています。大正14年(1925年 乙丑:きのとうし)の作と推察されます。この年に61歳というと年齢が合わない?数えらしい・・? こういうことはよくあることらしい。



睦月とは旧暦1月を睦月(むつき)と呼び、現在では新暦1月の別名としても用いています。睦月という名前の由来には諸説があるようですが、最も有力なのは、親族一同集って宴をする「睦び月(むつびつき)」の意であるとするものだそうです。最近は親族一同が集まることもなくなってきたように思いますが・・。



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倉田松濤:明治~大正期の日本画家。慶応3年(1867)生~昭和3年(1928)歿。秋田県出身。巽画会・日本美術協会会員。 幼い時から平福穂庵に師事。




特異な画家といわれ、匂いたつような濃厚な筆で一種異様な宗教画(仏画)をのこした。少年時代から各地を転々とし、大正期初の頃には東京牛込に住んだ。この頃より尾崎紅葉らと親交を深め、帝展にも数回入選し世評を高くした。



宗教画の他に花鳥も得意とし、俳画にも関心が高く「俳画帳」などの著作もある。豪放磊落な性格でしられ、酒を好み、死の床に臨んだ際にも鼻歌交じりで一句を作ったという逸話もある。落款「百三談画房」、雅号は「百三談主人」など。

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本作品は倉田松涛の作品としては凡作のように思いますが、思わず購入してしましました。



郷里の骨董店には帰省に際して毎回訪問しています。郷里の秋田では倉田松涛の作品は人気が高く、若いころには値段が高くまったく手が届きませんでした。そのことがトラウマになって見かけると購入していまいます。このようなトラウマ経験のある方は多いように思います。おもちゃ蒐集などはその典型のように感じますが・・。おもちゃや人形などのコレクターはどうにも理解できない・・。



トラウシ???  「牛のごとくまじめに一歩一歩着実に人生を前を向いて歩いていくこと、そうすりゃ、なにかいいことがあるのが。」


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