夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

修理完了 木彫極彩色 狂言福ノ神 市川鉄琅作 その2

2018-03-17 00:01:00 | 彫刻
以前に紹介しました木「彫極彩色 狂言福ノ神 市川鉄琅作 その2」の作品ですが、入手したと当時は手に持つ舞扇が割れて破損したりしていました。

*下の敷布は祖母が帯地で作ってくれたものです。



写真ではわかりにくいのですが極彩色も一部剥がれていましたが、ようやく半年の時を要しましたが、修理が完了して手元に戻ってきました。

木彫極彩色 狂言福ノ神 市川鉄琅作
極彩色 共箱
幅148*奥行き132*高さ220



修理されて作品が生き生きとしているように思います。なんといっても福の神。



詳しい説明は修理前の記事に記述していますが、この作品の謂われは下記のとおりです。

*****************************************

福の神(ふくのかみ):狂言の演目のひとつ。

派手な衣装に身を纏った福の神のその出で立ちと世俗的、庶民的な性格とのギャップを楽しむ祝言。

大晦日の夜、毎年神社で豆まきをして年を越すのを恒例としていた二人の男が福の神を祀るために神社へ参詣した。参拝を済ませて「鬼は外、福は内」と豆を持って囃し立てると、大きな笑い声をあげて福の神が現れる。

福の神は自分から名乗ると「毎年参拝に来るお前達を金持ちにしてやろう。だから酒をくれ」と二人に酒(みき)を催促し要求する。男たちが福の神へ酒を奉げると、酒奉行である松の尾の大明神に神酒を捧げてから旨そうに自分も飲みながら、福の神は歌いはじめる。

そして豊かになるには元手がいると2人に話します。2人が、元手がないからここに来たと反論すると、福の神は「元手とは金銀や米などではなく、心持ちのことだ」とさとします。金持ちになる秘訣として「早起きをし、他人に優しくし、客を拒まず、夫婦仲良くすることだ。それとわたしのような福の神に美味しい神酒をたくさん捧げれば楽しくなること間違いない。」と言って、謡い舞い、朗らかに笑って帰っていきます。

*****************************************



修理に要した費用は約9万円也。高いか安いかは各個人の判断次第ですが、なにはともあれ半年を要した修理ですが、元来の色を損なわずうまく直されています。



骨董というものは所有するだけのものでなく、維持管理、そして補修を含めての趣味です。所蔵だけの愉しみではまだ骨董趣味のひよっこです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。