
本日、紹介するのは源内焼の作品ですが、このように状態の良い「手持付三連鉢」の作品は非常に少ないようです。飾り用の作品の多い源内焼ですが、この手の作品は実際になんらか使用することのあったのでしょう。
五島美術館発刊「源内焼(平賀源内のまなざし)」には手持扇面鉢に小鉢の付いた作品があるのみで三連鉢の作品の掲載はなく、僅かに他の作品集に一作品が掲載されているのみです。

下記の写真は当方の所蔵作品である「その1」と「その2」です。(本ブログにて「その1」と「その2」は紹介済)

本日紹介する作品は「その1」と「その2」とまた文様の違う作品です。
源内焼 その142 三彩唐草文手持付三連鉢 その3
口縁補修跡有 誂箱入
幅297*奥行202*高さ100

少し補修跡はありますが、状態は良い方でしょう。

文様は他の唐草紋様の作品と違ってクレス文様で、洋風の感じのする作品です。

残念ながら印銘はありません。

この器は何に使ったのでしょう?

小鉢はタレ用かな? 手持ちは回して使うため??

手持ち部分も完品の状態です。

一般に源内焼は飾るためが多いようですが、これは実際に使うための物ではないかと推察しています。

当方の蒐集作品はこれで150作品目となり、この三連鉢も3作品目・・・。揃いで5作品はほしいですね。

下手な補修の跡や汚れをまず落とします。源内焼は焼成温度が低いことと胎土が弱いので、非常に壊れやすく、釉薬が剥げやすく、さらには吸水性が高いので汚れやすい器です。
完品で状態の良い作品は数が少ないのですが、状態の悪い作品の蒐集は避けるべきですが、源内焼によくある汚れ自体は意外に綺麗に落ちます。

源内焼のおける三連鉢の作品は非常に数が少ないのかしれません。