夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

葡萄図 双幅 天龍道人筆 92歳

2019-12-12 00:01:00 | 掛け軸
本日紹介する作品は天龍道人の枯淡の域と評される最晩年の作で、その中でも作品数の少ない92歳の時に描いた葡萄図です。

葡萄図 双幅 天龍道人筆 92歳
紙本水墨軸装 まくり状態で入手 軸先木製 誂箱
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦960*横287



佐賀県立博物館の所蔵されている「葡萄図」には「鵞湖折脚仙九十一歳天龍道人王瑾」の署名があり、最晩年の91歳の作品と判明している作品です。晩年に脚を折って不自由になってから「折脚仙人」という号を用いています。




「一顯又□□□□ 旦一房一□年培 □□□食□□香 鵞湖折脚仙九十二歳 天龍道人筆」
押印



「自画自題□ □□上工本是□ □□□自寫清風 折脚道人九十二歳 王墐寫」 押印

いずれも「折脚仙人」という号を用いています。




当方の所蔵作品で本ブログに紹介されている「松竹梅図 天龍道人筆 92歳」に押印されている「天龍」、「王墐」(白文朱印)と同一の累印の印章が押印されています。



なお「葡図画賛 91歳」に押印されている「三国一家」と同一印の朱文白方印は下の写真中央のように逆さに押印されています。間違って逆さに押印したのでしょう。滅多にないことですがあり得ることです。

回転された写真が右です。このような間違いは印章を見慣れていないと気が付かない事象かもしれませんね。



天龍道人の60前後の作から90歳を超えるまでの作品、この間にみずみずしい葡萄図から枯淡の域の葡萄図に移行しています。



天龍道人の葡萄図はおそらく双幅や三幅対の作品でないと物足りないでしょう。読者の皆さんも試しに天龍道人のひと作品飾ってみたらいかがでしょうか?



天龍道人の作品を単幅の作品を最初に入手してから、このように数多くの蒐集に発展してくるとは当方でも予測できませんでした。

さて本作品は「まくり」の状態での入手。入手価格は1300円 表具代金のほうがはるかに高い



「折脚仙人」という号という号の落款は晩年にしかなく「珍しい」からとはいえ双幅に表具して箱を誂えると結構な出費になります。

ところでそもそもこれは双幅? 右幅はどっち?? 二作品を同時に入手したのですが・・・・ 

おそらく屏風か襖絵の外しの作品だろうかと推測されます。その時に状態のいいものだけを遺したか・・・

各々単独で表具するか、双幅とするか・・・、やはり双幅仕立てにするのがいいのだろうと考えは逡巡しています。


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