夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

奥入瀬 舘岡栗山筆 昭和46年

2019-10-17 00:01:00 | 掛け軸
男の隠れ家には使われなくなった欄間額がたくさんありました。そう「ありました」です。欄間額の古いものにはガラスやアクリル板など作品を保護するものがなく、カビや破れで状態が悪い作品が多く、費用をかけて修理するには割の合わない作品は多くを破棄しました。それでも2,3作品は修理したのですが、まだ手付かずの作品が多くあります。



その手つかずの作品には上記の「舘岡栗山」の欄間額があります。絵の作品はまだ当方で判断ができるのですが、書の欄間額の作品はまだ書は良し悪しの判断がつくまで放置しておくことにしています。



舘岡栗山が、おそらく「奥入瀬」を描いた作品でしょう。このような郷里の画家の作品は郷里の家には、欄間額、屏風貼り絵などあちこちにあったものです。



今では郷里の秋田でも忘れ去られた画家「舘岡栗山」・・・、こうして鑑賞するると墨絵の腕前は一流です。



さて本日は家に古くからある作品ではなく新たに入手した舘岡栗山の掛け軸の作品の紹介です。

奥入瀬 舘岡栗山筆 昭和46年
絹本水墨淡彩軸装 軸先陶器 共箱
全体サイズ:横650*縦1380 画サイズ:横*縦



終戦の少し前の昭和20年4月に、48歳の栗山は京都から郷里の五城目町に帰郷します。よく年秋には、一日市町(今の八郎潟町)に移り住んでいます。



郷里に住んだ栗山は、秋田の風景と行事と伝承芸能を描きつづけます。わき目もふらず、秋田を日本画の筆で追いつづけ、たくさんのすばらしい作品を生み出しています。

院展特待・無鑑査となったのも、単なる連続入選でなく、郷里に住んで栗山でなければ描けない絵の境地を見つけたからだともいえるのでしょう。



番楽・盆踊り・なまはげ・竿灯などの行事や、芸能、森山・八郎潟・十和田湖などの風景が、栗山の絵の中で特に目を引く作品です。その作品らの多くは本ブログでも紹介されていますが、本日の作品は十和田湖の奥入瀬を描いた作品です。

 

舘岡栗山の作品で共箱に収められている作品は数が少ないように思います。 



現在秋田では舘岡栗山の作品は一万円程度で売られていますが、東京でいざ売ろうとしたら千円にもならかったそうな・・・

骨董とはそういうもの、買った時の半分以下が相場と思ったほうがいいですが、郷里にちなんだ画家は郷里に、またその絵の価値を尊重するところに収まればいい・・・・

骨董の金銭的な価値・真贋ばかり気になる方は骨董蒐集をする資格がない、ただ金銭的な価値・真贋が解らない方は骨董蒐集する素養がない


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