夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

菖蒲図 伊東深水筆 その5

2015-05-09 01:16:55 | 掛け軸
端午の節句はお風呂に菖蒲を入れます。早速息子と入浴・・・、風呂は毎日小生と一緒。



息子の初節句で購入したのは人形と鎧兜以外に、「鎧兜図」とこの「菖蒲図」です。なぜ「菖蒲図」を購入するか解らない人が多いようですね。

菖蒲図 伊東深水筆 
紙本水墨軸装 伊藤竹香堂京表具 軸先象牙 合箱二重箱
全体サイズ:横393*縦1200. 画サイズ:横236*縦262



本作品は1961年日本漁網船具株式会社のカレンダーで5月1日の日めくりの原画のようです。



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「菖蒲について
中国では古来より、ショウブの形が刀に似ていること、邪気を祓うような爽やかな香りを持つことから、男子にとって縁起の良い植物とされ、家屋の外壁から張り出した軒(のき)に吊るしたり、枕の下に置いて寝たりしていた。



日本でも、奈良時代の聖武天皇の頃より端午の節句に使われ始め、武士が台頭してからは「しょうぶ」の音に通じるので「尚武」という字が当てられるようになる(勝負にも通じる)。また、芳香のある根茎を風呂に入れ、菖蒲湯として用いたりする。」

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このように初節句には「菖蒲」は欠かせないもので、こういう知識が骨董を愛好するには必要です。



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菖蒲と花菖蒲、あやめ、杜若の違い
(1)菖蒲湯の菖蒲は(2)花菖蒲・(3)あやめ・(4)杜若の3つとは別
植物学的には(2)「花菖蒲」(3)「あやめ」(4)「かきつばた」はすべてアヤメ科アヤメ属だから皆同じ仲間で極めて近い関係。



ところが(1)菖蒲湯の菖蒲はサトイモ科で別物。葉っぱがにているだけ。花も咲くことは咲くけどきれいな花ではなく、蒲(がま)の穂みたいな黄色い花である。

5月5日端午の節句の菖蒲湯に入れるあの菖蒲に花が咲くと、菖蒲園なんかに咲いている菖蒲(花菖蒲)なのかな(つまり、菖蒲の花=花菖蒲)と思っていたらこれが全く違う。では「花菖蒲」、「あやめ」、「かきつばた」の違いはというとこれがなかなか難しい。3つとも“アヤメ科”アヤメ属に属しています。だからとてもよく似ていて見分けにくい。

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京都伊藤竹香堂の表具とのこと。



落款も無く、共箱でもなく、氏素性は中途半端な作品かもしれませんが、息子の初節句祝いに購入した作品です。伊東深水についての詳細は不要と思いますので省略します。

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日本漁網船具株式会社:1910.年4月に礎となる高津商店漁業部が下関市で創業。その後、漁網部として分離・独立。 1919年8月に株式会社に改組し、日本漁網船具株式会社となる。船具類の供給も本格的にスタート。 1961年大手水産会社の食品加工工場に食品加工機械と資材を納入。1962年.東京証券取引所第二部(繊維)に上場。 1967.年東京証券取引所第一部(商業)に指定。2010年に創業100周年を迎える。現在の社名はニチモウ株式会社。

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未来に遺すのは願い、託すのも願い。



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