本日紹介する作品は久方ぶりに藤井達吉の作品です。藤井達吉の魅力満載?の作品と言っていいでしょう。
入手時の説明では歌の読みは「あきのひは 昼中▢もふ▢▢り このはなしろく ひとりおくかや」ではないかとのことでしたが、家内が悪戦苦闘の末、下記の読みだろうとのこと。冒頭以外は全く違う・・・・・。
「あきのひは 蓋とみとの中 すゞになり このちひころゝと ひとりゆくかや」
家内の説明では
「蓋の中に入った鈴みたいに、コロロンという感じに、ひとりだけれども気軽く楽しく」みたいな意味だろうと・・・。
「あきの火」と「鈴虫」と懸けたか・・???
倉田松濤と藤井達吉の両作品は家内も小生も好きなのだが、その読みは難解を際める・・・。
表具に和紙、軸先に陶器と藤井達吉自らの選定が明らかな誂となっています。
このような粋な表具をするところは現代では少ないかもしれませんね。
掛軸は作品を表具を含めて鑑賞するもののようです。
溜め塗りの収納箱の裏には珍しい藤井達吉の印譜の多くが押印されているものです。これは今までに見たことはない・・・。
収納箱は溜塗。作品中は押印のみ。「愚(翁)」の号ですね。
藤井達吉の作品は、絵、歌、表具(和紙と陶器)、塗をまとめて堪能できるから愉しいですね。逆に鑑賞する側はその各々の良さや意図が分からないとつまらない・・・。