夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

贋作考 瓶花 伝山口蓬春筆 その7 昭和38年頃?

2023-07-10 00:01:00 | 陶磁器
実家の床の間にはときおり山口蓬春や中村岳陵の作品が飾られていました。そのせいか山口蓬春の作品を観るとしっくりくるものがあります。そのため良さそうな?作品があると入手するのですが、今回は失敗かな?



瓶花 伝山口蓬春筆 その7
紙本着色額装 F20号 タトウ付
額寸法:縦922*横800 画サイズ:縦716*横595



山口蓬春は中村岳稜とともに冒頭のような理由で当方の好きな画家のひとりです。



山口逢春の画歴は下記のとおりです。

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山口逢春:明治26年生まれ、昭和46年没、享年78歳。北海道生まれ、名は三郎。東京美術学校洋画部を卒業し、松岡映丘に師事し、大和絵の画風を修得したのみならず、各派の画風をも摂取した。「三熊野の那智の御山」、「緑庭」、「市場」等の代表作がある。昭和初期に新興大和絵運動のホープとして一躍画壇に登場する。昭和5年、洋画家らと六潮会を結成して研鑚を積む。昭和25年日本芸術院会員となるが、戦後、逢春はシュ-ルレアリズムに近づき、西の堂本印象に対する東京側新派のリーダーといわれた。明快な色彩で清新な自然感を構成的に表現した洋画的新傾向は、急速に戦後の日本画界を席巻していく。昭和40年には文化勲章を受賞。昭和43年、新宮殿壁画を完成する。大和絵や宋元画、水墨画、琳派と幅広い研究をし、日本画的な「型」から離れて、自らの創意で時代の思考、感覚、美意識に適合した新しい画境を開拓し続けた。



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同じような構図の作品がいくつか存在しており、本作品は真筆とは断定しておりません。



このような大きな作品が当方の資金で入手できるはずもなく・・・。



現在は屋根裏にて保管・・・。



ただ下記の落款の書体は当方が子供の頃から見ていた「春苑象悟」(本ブログで紹介済み)の作品と似通っており、昭和38年頃の作と推定しています。



一応は共シールも付いています。



F20号という山口蓬春にしては珍しい大きな作品ですが、あくまでも「伝」としております。



布製のタトウに収められています。



きちんとした保存をするのは蒐集する者の義務ですが、本作品はあくまでも「伝」ですのでご了解ください。


山口蓬春はこの頃に多くの「菖蒲」を題材にした作品を遺しています。

参考作品
花菖蒲
昭和37年作



参考作品
夏影
昭和38年(1963年)



磁州窯風の鉄絵の花入れに菖蒲の花を生けた状態を描いた静物画ですが、このような磁州窯の作品があるのか探してみたところ、下記の作品がありました。

参考作品
白地鉄絵牡丹文瓶
富士美術館蔵 金(12世紀)
高21.0cm、口径7.2cm、胴径20.2cm、底径12.0cm



白地黒掻落の白と黒の視覚効果をより簡単に可能としたのが、金時代に登場する白地鉄絵の技法であり、この作品は、白化粧の後、鉄絵で2面に牡丹折枝文を描き、花弁には櫛描きを、花の輪郭と葉脈には線刻を加えています。

文様の細部を表現するために、鉄絵の上に線刻を施すことによって、より全体が引き立ち、軽快な仕上がりを意図しています。

梅瓶の下半分を切り落としたような形のこの瓶は、「太白尊(たいはくそん)」や「吐魯瓶(とろびん)」などとも呼称されるそうです。

磁州窯?白地草紋鉄絵梅瓶
胴幅:165*高さ292



上記の写真は当方で所蔵している磁州窯の作品らしき「梅瓶」・・。

磁州窯 白磁鉄絵褐彩人物・兎文壺
13世紀~14世紀 誂箱
口径178*胴幅270*高さ270



この作品は当方のお気に入りの作。



磁州窯? 白地鉄絵草・福文水指
宋時代 合箱入
口径110*胴径165*高さ115
 


鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯 
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
 


絵と陶磁器を愉しむのには両方ともに精通している必要がありますが、愉しめや楽しめ! この魑魅魍魎たる世界を・・・。



ところで絵画の蒐集を愉しむには飾る場所を持たなくてはいけません。集めて廊下や部屋の中に箱に入れたまま並べるだけでは楽しめませんね。



陶磁器にしろ、絵画にしろ、「整理する、そして飾る」スペースが必須となります。ただ集めるのは金銭的な投資かな・・??? 当方は金銭的な投資目的ではないので本作品のような作品も大いに参考としています。



あくまでも「伝」の作品、ただ使って楽しんで、飾って愉しんで・・・。ダメならスキリと忘れてしまうことに、この方が真贋云々で気を揉むよりは健康的・・???
























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