北国の発明
2004-11-27 | 暦
アトフェント(待降節・降臨節)の風物といえば、この間毎週日曜日に一本づつ火をつけていくキャンドルがある。モミの枝などで飾りつけた木の枠に四本のキャンドルを立てる。この形状からこれをアトフェント・クランツ(冠もしくは環)という。ハンブルク出身の新教徒が1838年に考案して直ぐに広がり、1925年以降ケルンやミュンヘンの旧教徒にも徐々に取り入れられるようになった。北国の冬の暗い地方ならではの発明である。神学的には、ヨハネスによる福音8.12のイエスの言葉「わたしはこの世の光である。わたしについて来る人は暗闇の中を歩かず、生命の光を持つ」が根拠として挙げられる。しかし、光が英知など積極的な意味を持つことは、殊更古今東西の文献にあたる必要は無い。またその冠は、オリンピックのそれのように光の勝利を表すらしい。
実はこのアトフェント、8世紀半ばまでは他の祝祭日と同じく旧約聖書的な禁欲が求められていた。しかし教会暦の始まりと認定されてからは現在のような幸福な祝いとなったようである。それどころか初めの週は、楽しめよということでリラなどの厳粛な色のキャンドルを使わないという。面白いのは、オーストリーの消防局サイトにそれを燃やして火事を起こさないためのアドヴァイスが載っている。この期間その手の火事が可也多いようである。暗闇の悪を払う積もりが災いをもたらすこともある。そうなると火消しの守護神聖フロリアンの出番である。
実はこのアトフェント、8世紀半ばまでは他の祝祭日と同じく旧約聖書的な禁欲が求められていた。しかし教会暦の始まりと認定されてからは現在のような幸福な祝いとなったようである。それどころか初めの週は、楽しめよということでリラなどの厳粛な色のキャンドルを使わないという。面白いのは、オーストリーの消防局サイトにそれを燃やして火事を起こさないためのアドヴァイスが載っている。この期間その手の火事が可也多いようである。暗闇の悪を払う積もりが災いをもたらすこともある。そうなると火消しの守護神聖フロリアンの出番である。