Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ドイツワイン三昧 第三話

2004-11-07 | ワイン
 2004年2月編集

名前
ミュラー・カトワール

場所
ノイシュタット アン デア ヴァインシュトラーゼ

特記
フランス名前から分かるようにカルバン派ユグノーの家系。 1744年以来の九代目。中小規模高品質の醸造所としても近年脚光を浴びた。その後の品質も安定している。

履行日時
2004年1月30日

試飲ワイン
2002年ハムバッハー・レーマーブルンネンの辛口リースリングキャビネット、
2002年ムスバッハー・エーゼルハウトの辛口リースリングキャビネット、
2002年ハルター・ブュルガーガルテンの辛口リースリングキャビネット、
2002年ハルター・ブュルガーガルテンの辛口シュペートレーゼ(樽1)、
2002年ハルター・ブュルガーガルテンの辛口シュペートレーゼ(樽2)、
2002年ギメルディンガー・マンデルガルテンの辛口シュペートレーゼ、
2001年ハルター・ブュルガーガルテンの辛口シュペートレーゼ、
2002年ハルター・ブュルガーガルテンの辛口ムスカテラー種、
全八種類。

感想
キャビネットでは、ブュルガーガルテンが辛さを強く出していた。エーゼルハウトはコンパクトで舌の上で踊り小惑的、レーマーブルンネンはノイシュタットの谷の南側になり南ワイン街道の地質の特徴が出ているようで味は浅いが風味が最も良かった。2002年のブュルガーガルテンの二種類のシュペートレーゼは、原料が殆ど同じながら時間的に片や短く、片や長く醸造されている。因って前者の方が胡椒のようにぴりっとする感じで、後者は丸みがあるが酵母臭の後味が残る。シュペートレーゼ三つ目のものが新鮮で口中ダイレクトに当たるワイン。 2001年のブュルガーガルテンと比べると明らかに香りの広がりと軽さに欠ける。ここの醸造所でも2002年は、醸造の妙が試みられた。決して悪いヴィンテージではないようだが、大規模醸造所に比較するとばらつきが出やすいようだ。 2002年の辛口ムスカテラー種のワインは、高品質だが食事を選ぶかデザートワインにしたい。

総論
古い抵抗力のある株を使って、日照り・病気などの外敵に備えるとともに環境保護を達成する考え方はこの10年ほどで普及した。その徹底が示すのか、品質が安定している。この纏まりのある個性を良しとする人は、今後も迷わず御用達ブランドとするだろう。価格設定も手頃だが、日常消費品にはすこし高価。大事にとっておいて時々消費するワインだ。酵母処理・除去後にそっと寝かして瓶詰めするというので、ヴァインシュタインの沈殿を見やすいようだ。ここの充実感のある味覚はここにも起因しているようで、角が立たない豊満感が特徴。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1998年の辛口リースリングワイン

2004-11-07 | ワイン


結論から言えばフィルン*となっていた。色は金色へと近づき、蒸せた藁のような匂いとレモンに蜂蜜を乗せたように甘さに続き酸が、それからアルコールの苦味の後に再び糖が口蓋の奥に後を引く。決して不快でないのだが、以前の味を知っていて期待していたので差は大きい。瓶詰め当初は、酸もはちきれんばかりに強いアルコールに包まれていて、内容の豊富さと香りのまろやかさが、薔薇の花弁のようにお互いの要素を固く抱きあっていた。記憶するその印象からすると、糖の出方はもしかすると始めから孤立していたかもしれない。それが二三年すると蕾が開き、全ての要素がグラスの中で調和してきた。辛口ワインの醍醐味である香りは、一般的に三・四年が限度である。だが生産者によっては更に永く新鮮さが保たれる。よって辛口シュペートレーゼが六年で古くなっても呵責する者はいない。甘口や辛口アウスレーゼならば長寿の可能性が高い。一般的に98年ヴィンテージのリースリングは、未だ期待出来る物がある。

MUELLER-CATOIR
1998er Riesling trocken, Haardter Buergergarten Spaetlese

*フィルンとは、本来残雪のことを言う。寒いと硬くてシャーベット状で、温度が上がるとぐさぐさに腐る雪のことである。氷河に限らず雪渓でもあり得る。その状態をして古いワインに使うが、必ずしも否定的な表現ではなく、新鮮なワインに対するカテゴリーである。これが、30年以上古くなっても飲用に堪えるとなると、門外不出のワインとなる。辛口リースリングは、もともと糖価が低いので寿命が短い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする