土曜日は、暑くもなし寒くもなしであった。台所の食塩の口が湿気って箱までグッショリしていた。確かに山沿いの稜線は霧に隠れた。そのような特殊な低気圧下にあったためか、胸苦しく、全く元気が出ない。
こうした天候には気付け薬代わりに強いアルコールが良い。しかし、ワインを常用するようになってから、48度のスコッチも永らく切らしている。それで、先日手に入れた2003年産のシュペートブルグンダーを初めて家で試す事にした。
試飲の様子は既に書いたが、注目点は食事との相性で、味の広がりと、酔い心地である。結論から言えば、酔い心地はアルコール度14.03の強さに係わらず大変気持ち良く、その素性の良さを示していた。食事は、ビーフステーキを焼いたのだが、試飲で気になった酸も邪魔にならないのは当然としても、食事を更に流しこませて進ませることはなかった。つまり、更に血生臭い料理になるとあまり良くないかも知れない。
その種からピノノワールに合わせる食事が良いのは分かるが、そのワインの味自体は、白檀のような香木の香りが一晩も措くと消えて、アルコールにパイナップルが交じったような土壌の味が出てくる。その透き通った色が示すとおり、このクラスとしては弱いと言う感じで、特に2003年産はタンニンも少なくアルコールだけが目立ちやすくなっている。反対に、南ワイン街道などに多いふてぶてしいワインではなくて透明感と繊細さがあるのだが、一本で21ユーロの価格を考えると些か物足りない。ブルゴーニュを探せばこの価格で更に良いものが見つかりそうだからである。
フランス製のブルーチーズをこれで食すと、決して悪くはないばかりか素晴らしいのだが、先日の格下の16ユーロの商品と比べて、この価格だけの差は、アルコールの強さ以外にはそれほど大きくはなかった。つまり、廉価商品の方が遥かに国際競争力があると言うことになるのではないか。2003年のドイツの赤ワインに血眼になる国粋主義者や田舎者ならば、その差異に気がつかないのかも知れないが。
さて百薬の長の効果は、大変顕著で、快適な酔い心地で、日が暮れるのを待って、漆黒のワイン畑を半時ほど一生懸命彷徨い歩く。アルコールが入って暫らくは、幾らか心臓に負担のようなものを感じたが、散歩後は大変生気に満ち溢れたのであった。
夜が明けて、昼飯には残りを飲む。残念ながらアルコール分までが物足りなくなる感じで、偉大なワインには程遠い。反面、アルコールの力強さと清楚さを持ち合わせているワインであった。評価は、上に示した通りで、大変割安であるが、廉ければ廉い方がやはり良いのである。
このワインは、2003年ケーニクスバッハのオェルベルク産のものであった。
こうした天候には気付け薬代わりに強いアルコールが良い。しかし、ワインを常用するようになってから、48度のスコッチも永らく切らしている。それで、先日手に入れた2003年産のシュペートブルグンダーを初めて家で試す事にした。
試飲の様子は既に書いたが、注目点は食事との相性で、味の広がりと、酔い心地である。結論から言えば、酔い心地はアルコール度14.03の強さに係わらず大変気持ち良く、その素性の良さを示していた。食事は、ビーフステーキを焼いたのだが、試飲で気になった酸も邪魔にならないのは当然としても、食事を更に流しこませて進ませることはなかった。つまり、更に血生臭い料理になるとあまり良くないかも知れない。
その種からピノノワールに合わせる食事が良いのは分かるが、そのワインの味自体は、白檀のような香木の香りが一晩も措くと消えて、アルコールにパイナップルが交じったような土壌の味が出てくる。その透き通った色が示すとおり、このクラスとしては弱いと言う感じで、特に2003年産はタンニンも少なくアルコールだけが目立ちやすくなっている。反対に、南ワイン街道などに多いふてぶてしいワインではなくて透明感と繊細さがあるのだが、一本で21ユーロの価格を考えると些か物足りない。ブルゴーニュを探せばこの価格で更に良いものが見つかりそうだからである。
フランス製のブルーチーズをこれで食すと、決して悪くはないばかりか素晴らしいのだが、先日の格下の16ユーロの商品と比べて、この価格だけの差は、アルコールの強さ以外にはそれほど大きくはなかった。つまり、廉価商品の方が遥かに国際競争力があると言うことになるのではないか。2003年のドイツの赤ワインに血眼になる国粋主義者や田舎者ならば、その差異に気がつかないのかも知れないが。
さて百薬の長の効果は、大変顕著で、快適な酔い心地で、日が暮れるのを待って、漆黒のワイン畑を半時ほど一生懸命彷徨い歩く。アルコールが入って暫らくは、幾らか心臓に負担のようなものを感じたが、散歩後は大変生気に満ち溢れたのであった。
夜が明けて、昼飯には残りを飲む。残念ながらアルコール分までが物足りなくなる感じで、偉大なワインには程遠い。反面、アルコールの力強さと清楚さを持ち合わせているワインであった。評価は、上に示した通りで、大変割安であるが、廉ければ廉い方がやはり良いのである。
このワインは、2003年ケーニクスバッハのオェルベルク産のものであった。