リュックザックを購入した。45L 以上のキャパシティーのある大きい物では、これまた三十年振りである。前回のものは、フランス・ラフマ社の当時盛んであった大岩壁登攀用のもので、延長すると寝袋にもなる機能性の高いものであった。しかし当初から、そのシンプルで軽い自重に比べて、荷物も詰めにくく、担ぎ辛かった。
昨年もこれを二度ほど使ったが、重荷に肩が凝り、綿生地の背中はグッショリと汗で濡れて重くなり、谷に辿り着いた時は荷物に振られてふらふらになってしまった。腰紐も付いてはいるが、幅が二センチもなくて〆込むほど食い込むだけのもので、肩紐も健康骨に食い込んだ。
何よりも、上部へ延長出来るスペースがあるだけに、背中の長さに対して背負う面が長過ぎて、腰から背中へと、腰の曲がったおばあさんに背中にしがみ付かれた様になってしまっていた。
故に、腰紐を縫い付ければ改良出来る可能性もあるのだが、先ずは裁断が優れていて、背中の担ぐ長さをつまり、背負い紐の付け根の高さが合うものを探した。調整出来るものが流通しているらしく、自重が軽いことを条件に店頭で探させた。
メーカーとしては、スイスのヴァウデ(ファウド)社製と米ダウター(ドイター)社のものを薦められた。前者は、自重も重くシックリと来なかったが、何よりもダミーの重しを7KGを入れると重心が遠い。後者は、登山家ケルターブルン嬢をアドヴァイザーに登攀向きに拵えていた。
横に置いてあるロウアルパイン社の新製品に目が行く。売り手にとっては岩雪壁用ではない理由で第三候補であったようだ。これは形状がコンパクトで手に取っても背負っても重心が良かった。二重底になっているためか重心を高くし易いのが特徴である。
最終的にダウター社とロウアルパイン社のものが比較されたが、明らかにコンセプトが異なる。前者は、重心を低く取り、分厚いヒップベルトで押さえ込んで、加重が腰の内側に入るようになっている。後者は、重心が高い反面挙動性に優れていて、細かく背負い丈を調整出来るようになっている。そして、何よりも体の当たりが、フレームや裁断によって絶妙に調整されている。前者をメルセデスとすると、後者はBMWのようだ。
前者は上部を延長して40Lを越えるぐらいの小振り(これの45L容量品の背負い丈調整が可能であったならこちらを選んだ可能性が強い)であるが、自重は数百グラムも後者と異ならない。背中の通気は良くしてあるが、後者のもの程ではない。
後者は、アルミフレームが骨太に入っている。フランスのミレー社で初の?プラスチックのフレームを入れたものをその昔購入したが、その背負い丈の短さと底広がりの形状の悪さで、直に仲間の者に譲った。その後も、背負子を除いてフレーム付きのものは敬遠していたが、快適さに今回はフレーム付を30年振りぐらいに購入したことになる。
荷物を絞った岩登りの場合の二キロの自重が気になるが、登山靴を担ぐとなるとそのコンパクトさは何よりも珍重される。何れにせよ荷物は軽くなければいけない。
そして山小屋から山小屋への移動は、快適さが何よりも求められて、最新のバックパッキング技術が活かされればと期待する。この辺りにも、現代のレジャーアルプス登山の変容が表れるようで、目的地を目指して脇目も振れず一直線と言う態度こそが時代遅れになって来ていることを知るのである。
何はともあれ最新の製品は、荷物を担いで使い込んで見なければその価値は判らない。特に背負い丈の調整も、一般に言われるように担ぐ人の体に合わせて一度固定されればその後は要らないと言われるのとは違い、様々な使い方も可能ではないかと考えている。兎に角、細かく調整出来るのは良い。
追記:先日購入した山靴を試走した。最新のジョギングシューズがそうではないかと思うほど、地面からの振動を吸収すると同時に、脚の蹴りが弾むように繋がり、飛ぶように早く歩ける。特に下りなどは前傾になって脚で斜面を蹴れるので膝を使わずに驚くほど早く駆け下りるのでブレーキが要るほどである。それでも新しいゴムが地面をしっかりと捉えて足元が不安になることはない。ゴムの組み合わせが効果を出している。二十年以上前の山靴を持っている者は、一度最新の高級品を試してみるが良い。
昨年もこれを二度ほど使ったが、重荷に肩が凝り、綿生地の背中はグッショリと汗で濡れて重くなり、谷に辿り着いた時は荷物に振られてふらふらになってしまった。腰紐も付いてはいるが、幅が二センチもなくて〆込むほど食い込むだけのもので、肩紐も健康骨に食い込んだ。
何よりも、上部へ延長出来るスペースがあるだけに、背中の長さに対して背負う面が長過ぎて、腰から背中へと、腰の曲がったおばあさんに背中にしがみ付かれた様になってしまっていた。
故に、腰紐を縫い付ければ改良出来る可能性もあるのだが、先ずは裁断が優れていて、背中の担ぐ長さをつまり、背負い紐の付け根の高さが合うものを探した。調整出来るものが流通しているらしく、自重が軽いことを条件に店頭で探させた。
メーカーとしては、スイスのヴァウデ(ファウド)社製と米ダウター(ドイター)社のものを薦められた。前者は、自重も重くシックリと来なかったが、何よりもダミーの重しを7KGを入れると重心が遠い。後者は、登山家ケルターブルン嬢をアドヴァイザーに登攀向きに拵えていた。
横に置いてあるロウアルパイン社の新製品に目が行く。売り手にとっては岩雪壁用ではない理由で第三候補であったようだ。これは形状がコンパクトで手に取っても背負っても重心が良かった。二重底になっているためか重心を高くし易いのが特徴である。
最終的にダウター社とロウアルパイン社のものが比較されたが、明らかにコンセプトが異なる。前者は、重心を低く取り、分厚いヒップベルトで押さえ込んで、加重が腰の内側に入るようになっている。後者は、重心が高い反面挙動性に優れていて、細かく背負い丈を調整出来るようになっている。そして、何よりも体の当たりが、フレームや裁断によって絶妙に調整されている。前者をメルセデスとすると、後者はBMWのようだ。
前者は上部を延長して40Lを越えるぐらいの小振り(これの45L容量品の背負い丈調整が可能であったならこちらを選んだ可能性が強い)であるが、自重は数百グラムも後者と異ならない。背中の通気は良くしてあるが、後者のもの程ではない。
後者は、アルミフレームが骨太に入っている。フランスのミレー社で初の?プラスチックのフレームを入れたものをその昔購入したが、その背負い丈の短さと底広がりの形状の悪さで、直に仲間の者に譲った。その後も、背負子を除いてフレーム付きのものは敬遠していたが、快適さに今回はフレーム付を30年振りぐらいに購入したことになる。
荷物を絞った岩登りの場合の二キロの自重が気になるが、登山靴を担ぐとなるとそのコンパクトさは何よりも珍重される。何れにせよ荷物は軽くなければいけない。
そして山小屋から山小屋への移動は、快適さが何よりも求められて、最新のバックパッキング技術が活かされればと期待する。この辺りにも、現代のレジャーアルプス登山の変容が表れるようで、目的地を目指して脇目も振れず一直線と言う態度こそが時代遅れになって来ていることを知るのである。
何はともあれ最新の製品は、荷物を担いで使い込んで見なければその価値は判らない。特に背負い丈の調整も、一般に言われるように担ぐ人の体に合わせて一度固定されればその後は要らないと言われるのとは違い、様々な使い方も可能ではないかと考えている。兎に角、細かく調整出来るのは良い。
追記:先日購入した山靴を試走した。最新のジョギングシューズがそうではないかと思うほど、地面からの振動を吸収すると同時に、脚の蹴りが弾むように繋がり、飛ぶように早く歩ける。特に下りなどは前傾になって脚で斜面を蹴れるので膝を使わずに驚くほど早く駆け下りるのでブレーキが要るほどである。それでも新しいゴムが地面をしっかりと捉えて足元が不安になることはない。ゴムの組み合わせが効果を出している。二十年以上前の山靴を持っている者は、一度最新の高級品を試してみるが良い。