Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

プロパガンダの管弦楽

2022-10-13 | 歴史・時事
先日話題のテオドール・クレンツィス、バーデンバーデンがその支配人の前任地ドルトムントらと元々の公演を変更して開催しようとしている。その反響が小さな渦となっている。先ずは一貫してその指揮者やアンサムブルのプーティン政権との繋がりを追及していた音楽ジャーナリストのアクセル・ブリュッゲマンが告発のYouTubeを上げた。
Debatte um Teodor Currentzis


とても問題点が纏まっていて、これを観たら、これらの活動がやはりプロパガンダの活動でしかないとしか思えなくなる。

既に事実関係に関してはここでも扱っていて一通りは言及していたと思うが、各々の事象をこうして結び付けられるともはやその活動に一貫性を見出す。

ここでは扱われていないが元々の活動がペルムの地元の劇場からの援助が切られて追い出される形で最終的にペテルスブルクを新たな本拠前提にそこの経済的な援助つまりプーティンの地元であり地元の市長やプーティンの金庫からの得るようになったことで明らかだ。それがクリミア半島併合後のロシア国籍の取得と共に大きな事実となっている。要するにどのような理由があったにしても、そのギリシャ人がプーティン政権下でプロパガンダとしてその音楽活動が為されたことは最早覆しようがないであろう。

その西欧での活躍の場になったのがヴィーンのコンツェルトハウスで、そこの支配人はその楽団ムジカエテルナのリーヒテンシュタインの財団代表だった。つまり金庫を管理していたとなるのであろう。ソニーなどとの契約のギャラもそこに払い込まれていたのだろう。日本からも多くの金額がそこに支払われた ― まるで統一教会である。

その蜜に群がった。ヴィーンのコンツェルトハウスの理事にゲルギーエフがいたと、そこで反吐が出るようだとされているが、実はバーデンバーデンの芸術アドヴァイザーにもそのプーティンの協力者のその名前がある。

そして今回の公演内容の一部が変更になった事を地元のネットジャーナルは伝える。「トリスタン」のそのドイツの歌手が下りたことで変更を余儀なくされたその事情が明らかにされていないと。つまりなぜドイツの歌手が同じプログラムのペテルスブルク公演のみならずバーデンバーデンでも出られなくなったかの説明がなされていないとしている。バーデンバーデンで練習を始めるという情報が出たところだったので、少なくとも二人のテノール歌手がトリスタン役の歌唱を辞退したことになる。プーティンかその金に忠誠なのは同じドイツの歌手ゲルネだけである。

その代わりに今日他のオペラを演奏する訳にはいかない、ヴェルディの「レクイエム」への変更に関して「僧衣を着たオペラで、音楽の歴史の中で傑出した作品であり、現在の状況においての私の眼から観たステーツメントとして受け取って貰って構わない。」という言葉がスタムパ支配人の口から読み上げられたようだ。

この指揮者が、プーティンの政策にコメントすることが出来ないとしても、最早自らの口ではなく敢えて曖昧な言葉を選んでその思わせぶりなプログラムでなにをしようとしているかは明らかなのである。それは金でしかない。生地のギリシャから動乱期のロシアに移ったのは勿論その野師根性からだったのは当然分かるのだが、十分な成果が出る途上において、ロシア国籍を取得して、大々的なプロパガンダを展開したのは決して偶然のことではないだろう。



参照:
いつの間にか宣伝に 2022-10-10 | 歴史・時事
遠くから想うソヴィエト 2022-03-27 | 文化一般
コメント
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