Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

Play Bigの新たな指揮者像

2023-07-20 | 文化一般
ボッフムで安いアパートメントを一泊借りた。それで旅程を考えたら問題なく安あがりに旅行可能なことが分かった。すると適当な席を確保するだけだ。二日目金曜日は「お友達まとめ買い」のオファーがあって結構売れていたのだが、初日は未だ良さそうな席が余っていた。しかしランクとしては第二ランクの52ユーロで全然安くはない。

このトリエンナーレは我々がザルツブルクでパトロンをしていたにも拘わらず右翼ポピュリストの故ハイダー副首相に駆逐されたモルティエ博士が2004年から始めたそうで、私がエンゲルと会っていたのが2002年であり、彼がモルティア博士のセミナーを既に始めていた筈だ。そういうことで、私にとっても当事者でもあり、今回バーゼルの世界最大の現代音楽管弦楽団ジムフォニエッタの音楽監督就任の地元でのお披露目以前にボッフムで初日を迎えるとなれば馳せ参じる必然性を感じた。

実はこの演奏会プログラムを知ったのは最近で、気が付いていなかったのだが、バーゼルの国境を越えたアルザスでの演奏会に訪ねることを考えていたので、旅程が全てだった。距離からすれば片道で100km程の差があり往復200km増加は宿泊の有無の差異となる。しかしそれ以上の価値があるとみた。実際にNDRで中継録音もされるようでそれなりの準備はしてくるだろうと期待できる。

更に話しには聞いていた元炭鉱機材の展示会場になっていてクルップ社がその場所をルールの文化の中心地としたその歴史的建造物ヤールフンデルトハレをも体験したいとも思った。バーゼルの催し物にはまた何時でも行ける。どちらかと言えば他のものに行きたい

今回は先ずはタタール人グバイドリーナの古い曲の再演で高齢の本人は来ないと思うが、二曲目の委嘱作はスイスから作曲家が来るだろう。そして前二曲と同じようにジャズバンドを使ったアンデルセン作品「トリオ」再演はジャズから音楽を始めたエンゲルが再び第一人者として指揮する。そこでSWRの映像素材や映し出されるカルロス・クライバーとエンゲルを比較していたのは何を隠そう私である。

そしてコンサートのタイトル「Play Big」はそのものだ。勿論ビッグバンドのことを意味するが、ペトレンコと賞を分かち合いそのクラシックレパートリーの厳選からクライバーと比較される指揮者エンゲルは、もはや指揮者をプレーしかないというタイトルでしかあり得ない。一度切っ掛けを掴んでしまうとなにもかもがそのパフォーマンスの源泉となって来て、上の二人が特異な指揮者像を形成していったのに相似してエンゲルが雪達磨状に広がっていく稀有な指揮者像を世に問うて来ている。
TRIO excerpt #1




参照:
九月の旅程を練る 2023-07-19 | 生活
エンゲルの表徴の演出 2023-07-17 | 文化一般
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