
映画の話をしている時、「最終的に寅さん映画が好き」となったら終わりだよと言ったのだが、今一つ納得してないようなので補足した。映画は娯楽だ、という見方であれば全くそれで問題ない。人情喜劇としてよくできていると思うし、ちょうど落語の名人芸のようなものだ。しかし、映画の可能性を求めて見てきたような人間がそんなことを言ったらその時点で終わりだ。ゴダールがどうのブレッソンがどうの小津がどうのと散々言ってきた今までは何だったのかという話になる。つまり格好付けてただけかということになる。身近にそういう例があったわけだが、これは、プログレッシブロック最高などと言ってた人間が、いつのまにかやっぱり日本人は演歌だよ、と言うのに似ている。