「あぁ、久しぶりだねぇ」
部活が早めに終わったとミクちゃんがレッスンしに来た
毎日の部活でしっかり身体を動かしてはいるから、軸の調整・修正に気を付けて見てあげましょう。
ではグラン・プリエから。
見本を見せながら順番とカウントを指定して、音楽を流す。
みんなの動きに注目していると、
…………
ふむ、ソコね…、なるほど。
4番のグラン・プリエのときにミクちゃんの後ろにまわり、トルソーをサポートして軸がズレないように修正して上げる。
右側のグラン・プリエが終わったところで一旦音楽を停める。
ドゥミ・プリエを通過してさらにプリエを深めていく最後のところで、お尻を後ろに引いてはいけません。骨盤が前傾して軸がズレてしまいます。
骨盤を前傾させると“より深いプリエが出来て股関節のターン・アウトも大きくなる”ような気がするかもしれないけど、それは間違いです。骨盤が前傾することで股関節の可動域は狭くなりますし、プリエもただしゃがんでいるだけの無力なものになってしまいます。
カカトの合わせ目の上に背骨を真っ直ぐに下ろしていきその線にそって真っ直ぐに戻る、とイメージするといいですよ。
実際にプリエをして見せながらそんな風に説明を。
では左側をどうぞ、と音楽を流す。
…、おぉ、いいわよぉ、そのライン、そのライン…
「ミクちゃん、いまのプリエなら全部、軸が真っ直ぐに通ってる。どんな動きをするときもその軸を中心にコントロールするのよ」
「はい」
そのあとも、メグちゃんの骨盤が揺れるのを修正したり、ヤエさんの上体がふんぞり返るのを修正したり。
途中であまりにもヤエさんの上体が後ろに逃げるので、私の膝下を添え木のように彼女の背中にくっつけて反れないように抑えてあげた。
そのまま後ろでバットマン・フォンデュを続けているミクちゃんに
「小さい頃を思い出すでしょ」
「……」
そう、彼女がまだ小学生だった頃、後ろにズレるといっては背中を膝で抑え、前傾するといっては胸を膝で抑えて修正したものです。
「今ではこんなにキレイになりました」
「はぁぁぁぁ…なるほどぉぉぉ……」
センター・レッスンではバットマン・タンジュ、バットマン・フォンデュ、そしてルルヴェとタン・ルヴェの基本を丁寧に練習。
そのあと、パ・ドゥ・シャの練習をするのですが、その前に。
「シャンジュマン→シャンジュマン→シャンジュマン→シャンジュマン→イタリアン・シャンジュマン→イタリアン→イタリアン→イタリアン→……」
と見本を見せる。
「…えっ えっ イタリアンのときはどこで足を代えるんですか」
「ん、下りてくるとき」
空中で5番のドゥミ・プリエの形を見せるのよ、と注意してから音楽を流す。
… … … … … … … …
ヤエさんメグちゃん…
なんじゃ、そりゃぁぁぁ
な、なんか…、修行中の“くの一”がびっくりして跳び上がったようじゃなぁ…
ま、まぁいいでしょう、両膝を引き上げる、ってことは分かったね。
パ・ドゥ・シャの基本を練習。
そしてパ・ドゥ・ブーレとグリッサードの助走をつけてパ・ドゥ・シャ。
「あぁ、ミクちゃん、空中での形はキレイだけどね、あとから引き上げる脚の動きがちょぉ~っとだけ遅れてるの。そこをもっと早く引き上げれば滞空時間が長くなるから、空中でのポーズをしっかり見せられるわよ」
はい、やってごらんなさい
… … … … … … … …
お、いいわよ、さっきよりも高いパ・ドゥ・シャが出来てる。
でも、あとちょっとだけ惜しい。
「あのねぇ、先に引き上げた脚を下すのがちょっと早い。後からの脚が上がりきる前に先に上げた脚を下し始めると、空中でのポーズの時間が短くなっちゃうでしょ。下りることを考えなくても重力があるからどっちみち着地はする。だから空中にいることの方を考えた方がいいわよ」
と見本を見せながら説明していると、彼女はしっかり頷いた。
はい、やってごらんなさい
… … … … … … … …
そうです、その通りです
グラン・アレグロの曲に合わせたアンシェヌマンでも、もうちょっとこうして…、あとちょっとここを…、と指示するたびに彼女はそのポイントを丁寧に修正する。
いいわねぇ。それぞれの動きが、何をしているのか見えるようになってきたわよ
ミクちゃんのパワーにつられたのか、メグちゃんとヤエさんもいつもよりしっかり動いたみたいです。
ミクちゃんが明日の試合でのびのび演技出来るように祈ってますよ
部活が早めに終わったとミクちゃんがレッスンしに来た
毎日の部活でしっかり身体を動かしてはいるから、軸の調整・修正に気を付けて見てあげましょう。
ではグラン・プリエから。
見本を見せながら順番とカウントを指定して、音楽を流す。
みんなの動きに注目していると、
…………
ふむ、ソコね…、なるほど。
4番のグラン・プリエのときにミクちゃんの後ろにまわり、トルソーをサポートして軸がズレないように修正して上げる。
右側のグラン・プリエが終わったところで一旦音楽を停める。
ドゥミ・プリエを通過してさらにプリエを深めていく最後のところで、お尻を後ろに引いてはいけません。骨盤が前傾して軸がズレてしまいます。
骨盤を前傾させると“より深いプリエが出来て股関節のターン・アウトも大きくなる”ような気がするかもしれないけど、それは間違いです。骨盤が前傾することで股関節の可動域は狭くなりますし、プリエもただしゃがんでいるだけの無力なものになってしまいます。
カカトの合わせ目の上に背骨を真っ直ぐに下ろしていきその線にそって真っ直ぐに戻る、とイメージするといいですよ。
実際にプリエをして見せながらそんな風に説明を。
では左側をどうぞ、と音楽を流す。
…、おぉ、いいわよぉ、そのライン、そのライン…
「ミクちゃん、いまのプリエなら全部、軸が真っ直ぐに通ってる。どんな動きをするときもその軸を中心にコントロールするのよ」
「はい」
そのあとも、メグちゃんの骨盤が揺れるのを修正したり、ヤエさんの上体がふんぞり返るのを修正したり。
途中であまりにもヤエさんの上体が後ろに逃げるので、私の膝下を添え木のように彼女の背中にくっつけて反れないように抑えてあげた。
そのまま後ろでバットマン・フォンデュを続けているミクちゃんに
「小さい頃を思い出すでしょ」
「……」
そう、彼女がまだ小学生だった頃、後ろにズレるといっては背中を膝で抑え、前傾するといっては胸を膝で抑えて修正したものです。
「今ではこんなにキレイになりました」
「はぁぁぁぁ…なるほどぉぉぉ……」
センター・レッスンではバットマン・タンジュ、バットマン・フォンデュ、そしてルルヴェとタン・ルヴェの基本を丁寧に練習。
そのあと、パ・ドゥ・シャの練習をするのですが、その前に。
「シャンジュマン→シャンジュマン→シャンジュマン→シャンジュマン→イタリアン・シャンジュマン→イタリアン→イタリアン→イタリアン→……」
と見本を見せる。
「…えっ えっ イタリアンのときはどこで足を代えるんですか」
「ん、下りてくるとき」
空中で5番のドゥミ・プリエの形を見せるのよ、と注意してから音楽を流す。
… … … … … … … …
ヤエさんメグちゃん…
なんじゃ、そりゃぁぁぁ
な、なんか…、修行中の“くの一”がびっくりして跳び上がったようじゃなぁ…
ま、まぁいいでしょう、両膝を引き上げる、ってことは分かったね。
パ・ドゥ・シャの基本を練習。
そしてパ・ドゥ・ブーレとグリッサードの助走をつけてパ・ドゥ・シャ。
「あぁ、ミクちゃん、空中での形はキレイだけどね、あとから引き上げる脚の動きがちょぉ~っとだけ遅れてるの。そこをもっと早く引き上げれば滞空時間が長くなるから、空中でのポーズをしっかり見せられるわよ」
はい、やってごらんなさい
… … … … … … … …
お、いいわよ、さっきよりも高いパ・ドゥ・シャが出来てる。
でも、あとちょっとだけ惜しい。
「あのねぇ、先に引き上げた脚を下すのがちょっと早い。後からの脚が上がりきる前に先に上げた脚を下し始めると、空中でのポーズの時間が短くなっちゃうでしょ。下りることを考えなくても重力があるからどっちみち着地はする。だから空中にいることの方を考えた方がいいわよ」
と見本を見せながら説明していると、彼女はしっかり頷いた。
はい、やってごらんなさい
… … … … … … … …
そうです、その通りです
グラン・アレグロの曲に合わせたアンシェヌマンでも、もうちょっとこうして…、あとちょっとここを…、と指示するたびに彼女はそのポイントを丁寧に修正する。
いいわねぇ。それぞれの動きが、何をしているのか見えるようになってきたわよ
ミクちゃんのパワーにつられたのか、メグちゃんとヤエさんもいつもよりしっかり動いたみたいです。
ミクちゃんが明日の試合でのびのび演技出来るように祈ってますよ