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長屋での暮らし…♪

2022-04-26 10:18:26 | Weblog
『本所おけら長屋』の楽しみは続いていまして、ふと興味がわきました。
棟割長屋の一部屋は九尺二間、ということは6畳に相当するようで、その中に土間と小さな流しがありますから座敷部分は4畳半だそうです。
独り者の鉄斎さんたちはさておき、八五郎&お里夫婦のところはお糸ちゃんが二十歳で嫁ぐまで、卯之吉&お千代夫婦のところもお梅ちゃんが十八歳で久蔵さんに嫁ぐまで、現在は久蔵さんのところがお梅ちゃんと息子の亀吉とで、それぞれ親子三人が4畳半に住んでたんですよね。
行灯と人数分の布団と箱膳の他は生業に必要な道具があるくらいで家具なんてものはなく、その点は独り身だって変わらないでしょ。
後家のお染さんは独り身で一人住まい、裁縫を生業にしているからちゃんとした針箱はあるわね。
行灯と布団と箱膳に煮炊きの道具、水瓶に七輪一つ鍋一つ釜一つにまな板と包丁ってとこかな。
裁縫仕事の合間にお糸ちゃんとお茶を淹れて飲んだりしてて
お湯は沸いてる
なんていうんだから鉄瓶と急須はあるでしょう。
そうだ、鉄斎さんのところに来客があったりするとおかみさん連中の誰かがお茶を淹れて持ってきてくれるから、一応お盆もあるんじゃない。
あ、湯屋にいくときの桶は持ってるよね。
あとは着物が一枚か二枚、帯が一本か二本、襦袢と肌着と腰巻に下駄ってとこか。
おかみさんがいるところはそれなりに調ってるだろうけど、独り身の男の場合は…。
鉄斎さんのところは煮炊きの道具とか急須にお盆はないかもね、その代わり刀の手入れをする道具はある、松吉さん&万造さんの所は…
随分前に何かで読んだんだけど、住人はそれぞれ家(=うち)って言ってるけど九尺二間の一間が個室で井戸端がキッチン兼サロン兼洗面所兼洗濯場、トイレは共同で長屋に一か所、風呂は無くて町内の湯屋に行くってことで、風呂なしの大きな戸建てで他人同士が大家族のように暮らしてるって考えればば分かりやすいんだって
夕飯のお菜などはお互いにお裾分けしたり、煮売り屋から買って分け合ったり、独り身の男なんぞはそうやって面倒をみてもらってたってこともあったようだし、それに江戸というところは男の人口がべらぼうに多かったから煮売り屋とか居酒屋とかが結構あって、今でいう外食やテイクアウトも当たり前だったみたいです。
おかみさんたちもそれぞれに仕事をしていて、専業主婦なんてほとんどいなかったみたいだしね。
薄~~~い板壁一枚の向こうはすぐお隣さん、隠し事も内緒話もできないだろうから、かえって開けっぴろげに大らかに暮らしてたんだろうな。
椀と箸持ってきやれと壁を打ち
昔々のその昔に聞いた川柳を思い出しました
コメント
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