
上の天気図を見て下さい。
典型的な梅雨の天気図です。
停滞前線が日本列島の上に横たわっていて、
梅雨真っ盛りの天気図です。
しかし、この天気図は本日7/21の天気図です。
エ!でも梅雨明け宣言はされていますよね?!
今年の関東甲信越の梅雨明け宣言は、7/14頃とされ、
平年よりも5日程早いとされています。
いったいこれはどういう事でしょうか?
■ エルニーニョの年は冷夏になる ■
今年はエルニーニョが発生しています。
エルニーニョの年は貿易風が弱まり、
太平洋西部の赤道付近の海水温度が低下します。
その結果、太平洋高気圧の勢力が弱まり、
北方の高気圧であるオホーツク高気圧を北で押し上げる力が弱まります。
日本の上空に、太平洋高気圧とオホーツク高気圧の境目がある時期、
日本では長雨となり、これを「梅雨」とか「秋に長雨」と呼んでいます。
天気図では、停滞前線が日本列島の上に横たわっている状態です。
私が小学校6年生の年の1976年は、寒い夏でした。
梅雨明け宣言後も長雨と肌寒い日が続き、8月でも長袖を着ていた事を覚えています。
1993年も記録的な冷夏でした。
この年も気温が上がらず、長雨が続きました。
米が歴史的な不作で、海外から緊急輸入をしてしのいだ年です。
タイ米や中国米を食べ比べた事を覚えています。
ちなみに、知り合いのタイ人は、
「あんな不味いタイ米は食べたことな無い」と言っていました。
安くて美味しい外国産米の存在を知られない為、
わざと不味い米を輸入したのでろうと言っていました。
今年はエルニーニョが発生しています。
今年の夏が冷夏になる事は、冬頃から予測されていました。
■ エルニーニョの年は梅雨が明けない ■
エルニーニョの年は、梅雨前線が北上せず日本上空に停滞し、
そのまま9月の長雨を迎える事もあります。
要は、気象庁が梅雨明け宣言を出しても、事実上梅雨が明けない年があのです。
一時、気象庁が梅雨明け宣言を出さない時期があったのは、これが理由かと思われます。
梅雨明け後、1週間くらいしてから「実は○月○日に梅雨が明けていました。」という
発表をしていた事をご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、今年は異例の速さで気象庁が梅雨明け宣言を出しました?
梅雨の終わりを告げる、雷を伴った激しい雨も無く、
エ?もう梅雨明けなの?って、不思議に思いました。
今日、天気図を見て、確信しました。
今年はエルニーニョにより、梅雨明けは非常に遅くなるか、
あるいは梅雨が明けない年になりそうです。
■ なぜ気象庁は梅雨明け宣言を急いだのか? ■
梅雨が明けると「夏到来」です。
あそこに行こう、ここに行こう。
水着を買おう、宿の予約も取らなくちゃ・・・。
梅雨明け宣言には「経済を活性化」させる魔法があります。
百貨店業界や家電業界の売り上げは、暑い夏ほど多くなります。
梅雨が明けなければ、夏物衣料のバーゲンに客が来ませんし、
エアコンも売れません。ビールも売り上げも伸びません。
今年は稀にみる不景気です。
百貨店業界も家電業界も青色吐息です。
どうせ明けない梅雨ならば、早く梅雨明け宣言しても問題は無かろう
・・・そう気象庁に圧力が掛かったかどうかは知りませんが、
「梅雨明け宣言」は下手な財政出動よりも、余程経済効果があります。
この程度のウソならば、喜んで騙された方が大人なのでしょうが、
やっぱり、ここに書いてしまいました・・・・。
農家の方は経験的にお分かりなので、
気象庁がインチキをしても、冷夏に備えている事でしょう。
私達も今年の行楽は、天気とニラメッコになりそうな予感です。
残念な事に、日食は見れそうにありません・・・。