
■ ビートルズって好きですか? ■
「ロックって好き?」と聞かれたら皆さんはどう答えますか?
私的には「ビートルズとか結構好きですよ」と答えるのがベストと考えています。
質問者が誰かにもよりますが、こう答えておけば音楽の話題はフェードアウトして行きます。
A 音楽通
「ビートルズはテッパンだよね。今聴いてもぜんぜん古くないね。」
(内心)・・・この人はロック聞かないな。これ以上音楽の話は止めておこう。
B ビートルズの熱狂的なファン
「若い人も結構ファンが多いよね」
(内心)・・・「ビートルズとか」の「とか」って事はそんな熱烈なファンでは無いな・・・。
C ヘビメタの熱烈なファン
「結構ヘビーな曲があって、ビックリするよね」
(内心)・・・ちぇ!今時ビートルズかよ。古過ぎ・・・。
D ジャニーズファン
「へぇー。ビートルズってお父さんが好きなんだよね。」
(内心)・・・何、この娘、オヤジくさー!
E ビートルズ世代のオヤジ
「今度カラオケで一緒に歌おうか!!」
(内心)・・・ヘ!お前らがビートルズを語るのは100年早いんだだよ。
まあ、そんなこんなで、会話が別段盛り上がる事も無く、ロックの話しはフェードアウトし行きます。私などは音楽の嗜好が人とズレまくっているわけで、この「ビートルズとか結構好きですよ。」という返答は便利な訳です。
■ ビートルズって良く分からない・・・ ■
実は私はビートルズが良く分かりません。
「好きか」と聞かれれば「嫌いでは無い」と答えます。ただ、「熱烈に好き」かと聞かれたら「ビミョー」って答えるしか有りません。なぜかと言えば、「皆のビートルズ」は、決して「僕のビートルズ」に成り得ないからです。同時代的にビートルズを聴いていた方ならいざ知らず、昭和40年生まれの私の時代はビートルズは既に「神格化」されていましたから、その存在の肯定も否定も許されていませんでした。ただただ、在り難く拝聴する音楽になっていました。
■ ホワイトアルバム ■
そんな私でも、比較的繰り返し聞いたのが「ホワイトアルバム」。(アニメでは無いですよ)
何故かと言えば、胸焼けしないから。
アップルレーベルの記念すべき第一作であるにも関わらず、「ソロ作品が2枚組に雑然と入っている」とも酷評されるこのアルバムですが、私は各曲のエッジが立っていて好きです。
「アビイ・ロード」などは、本当にスゴイと思うのですが、片面の半分も聞かない内に胸焼けしてしまいます。ところが「ホワイトアルバム」だけは、聞き出したら思わず2枚組みを全部聴いてしまいます。
■ ロックバンドの一番オイシイ時期 ■
私はロックバンドの一番旬は、デビュー直後か、大作の一枚前のアルバムだと思っています。
例えば、ミスチルならば「深海」の一つ前の「アトミックハート」。
バンプならば、「ユグドラシル」では無く、インディー時代の「FLAME VEIN」。
何故かと言えば、あまり加工されていない音が聞こえて来るから。
ビートルズの初期のアルバムは現代のロックに慣れた耳からすれば単純過ぎますが、「サージェント・ペパーズ・・・」辺りは、実験的ではあるけれど、をれを一生懸命アルバムという商品に加工しようとして鮮度が落ちている感じがします。
「ホワイトアルバム」は、セッションアルバム的ではありますが、それぞれのメンバーが思い思いの素材を、シンプルなイメージでさらりとまとめていて、曲自体の持つ魅力が非常に高い。スタンダードとして人気の高い曲が沢山生まれています。
ルーツミュージック的な所も時代が経った現在においても古くならない一因かも知れません。逆に「サージェント・ペパーズ・・・」などは、当時の最先端なのでしょうが、今ではむしろ古い感じがしてしまいます。
そして、私的には「Revolution9」が入っている事が一番重要なポイント。
普通、この曲は外すでしょう・・・。
でも、あえて、この曲(?)を入れて、多くの人がウンザリした後に「グッドナイト」が始まる。
もう、この落差にいつもヤラレテしまう。
そして、もう一枚選ぶとしたら・・・「リボルバー」
■ どうして突然ビートルズかと言えば・・ ■
何故、突然ビートルズの話題なのかと言えば、LPプレーヤーのカットリッジをLINNのK9に交換したから。
毎年、ひな祭りが近づくと我が家のLPプレーヤは雛人形達に占拠されます。実はプリアンプ代わりにDJミキサーを使っているので、見た目重視でLPプレーヤーは2台あります。別にDJプレーを趣味としているのでは無く、左はSHUREのカートリッジを付けてロック・ジャズ用。右はSUMIKOのPearlというカートリッジが付けてクラシック用です。
ところが、雛人形がロック用を占拠するので、この時期はロックのLPが聞けない・・・。

そこで、今回はこんな事をしてみました。

右側のプレーヤーのカートリッジをクラシック専用のSUMIKOからLINNのK9に交換してみます。実はK9は右のプレーヤーをオークションで落札した時にオマケで付いて来たもの。しかしK9は意外にハッキリとした中広域とタイトな低音で、クラシック専用にするにはSUMIKOの方が好印象でした。
でも、クラシックとロックを両方聴くならばLINNのK9の方が良さそうです。
せっかくイギリスのLINNのカートリッジを付けたのだから、最初はイギリスのアーティストを聞きたい。そもそもイギリスの録音ってクセがあってアメリカ製のSHUREのカートリッジで聴くと抜けが悪い。
そうだ、久し振りにビートルズを聴こう。
って事で「ホワイトアルバム」に繫がった訳なのです。
まあ、ゲテモノ音楽好きの私がビートルズを語るのは100年早い訳でして、ここは往年のファンの方達に大いに語っていただきたい所ではありますが・・・.