■ 日本国債は高値? ■
日銀の異次元緩和は新規発行国債の7割に相当する量を市場から買い入れているので、事実上は財政ファイナンスと言えます。
従来、中央銀行が財政ファイナンスを行なえば、その国の国債価格は暴落し、国債金利が急上昇すると言われて来ました。しかし、日銀の明らかな財政ファイナンスが行なわれても、日本の10年債の金利は0.6%と非常に低い水準を維持しています。国債金利が低いということは、国債価格が高いという事の裏返しで、市場では日本国債が高値で売買されている事になります。
ただ、国債の高値があまり進行すると、市場参加者は値下がりを警戒し始めます。実際に2003年には国債金利が10年債で0.430%に低下(価格は上昇)した為、金融機関の手持ち国債の含み損が拡大し、国内の金融機関が国債を売却した為に国債金利が跳ね上がる「VARショック」が発生しました。
国債は株などと違い、満期まで保有すれば元利が保証される安全資産ですが、その一方で日々の売買で価格が変動します。生命保険や年金基金などは、国債を満期まで保有して安定的な資産運用をしています。一方で銀行などは国債を常に売買して金利差を稼いでいます。国債金利は非常に低いので、金利差はほとんど無いのですが、売買される金額が大きいのでそれなりの利益を上げる事が出来ます。
■ 国債にしがみつく地方銀行 ■
日銀は長期債を中心に国債を買い入れています。逆に、メガバンク各社は中長期国債を売却して短期国債や残存年数の短い国債中心の運用にシフトしています。
これは、金利の低い長期債は将来的な金利上昇で損失を発生する恐れが多いので、リスクの少ない残存年数3年以下の国債中心に運用する事で、金利上昇リスクを低減する為の対策です。日本の国債金利はスイスと並び世界最低水準ですが、一方で財政状態は世界トップクラスの赤字を抱えており、将来的には国債の信用が失われて金利が上昇(価格が下落)するリスクは低くはありません。IMFは日本の大手金融機関に国債の残存年数を減らすように勧告ししており、世界的に見ても将来的な日本国債のリスクは決して低くありません。
一方で、生命保険や年金、信用金庫や地方銀行などは、メガバンクの売却する中長期国債を購入しています。信用金庫や地方銀行は本来ならば地域の中小零細企業に融資して地域の経済の活性化を図るべき存在ですが、長引く不景気でこれらの企業の経営は思わしくありません。民主党時代の中小企業金融円滑化法(金融モラトリアム法)や、現在の金融庁の指導で貸し剥がしは抑制されていますが、中小企業への融資の多くが既に不良債権化している状況で、地方の金融機関がこれらの企業への融資を大幅に増やす事は現状はあり得ません。結果的に地方の金融機関は、預金を中長期国債で運用する事で金利収益を確保しています。
■ 金融庁が地方銀行を一斉査察 ■
4月25日に金融庁が地方銀行と第二地方銀行の全行を一斉査察すると報じられています。査察の目的は「将来の収益力をどう確保するかを検証し、地銀に生き残りに向けた経営努力を求め、再編を促す為」とされています。
現在の地銀は中長期国債に運用が偏重している為に、金利上昇局面で経営が悪化する事がよそうされます。地方の金融機関の経営破綻は、地方経済を直撃するので、これは避けなければならないシナリオです。
一方で運用ノウハウの乏しい地銀が国債以外の運用で利益を出す為には、優秀な運用担当者を雇用する必要があります。しかし個々の地銀の資金力では相場に与える影響が小さいので、ある程度の規模の運用を行なう必要があります。そういった意味においても、規模のし小さな地銀の統廃合は必要なのかも知れません。
或いは、ある地域の経済が悪化した場合、その地域に密着した金融機関の経営も悪化します。そこで、ある程度地銀の活動範囲を広域化する事で、局地的なリスクを分散する事も可能になります。
■ 地方の資金循環を活性化すると・・・ ■
ここで一つ疑問が生じます。
それは、お金は金利の低い所から金利の高い所に流れる性質を持つので、金利の低い地方都市から、金利の高い海外運用に流れるのではないかという懸念です。或いは、同じ金利であればリスクの高い地方の融資よりも、東京などの都市部への融資の方がリスクは相対的に低いはずです。地銀が短期に収益を確保しようとすれば、不動産REITなどに投資して利益を確保する事も考えられます。
要は、地方銀行の統合で経営規模が拡大するとい、資金は地域から離れ、よりダイナミックに運用される様になります。これは地銀の預金者にとっては喜ばしい事かも知れませんが、地方経済にとってはたしてプラスになるのかは不明です。
例えば、地銀が海外資産で運用をして金融危機などで損失を生じた場合、その負担は最終的には預金者が負う事になります。最悪、地銀が経営破綻して救済されなかった場合、預金はペイオフの範囲である1000万円までしか戻って来ないケースも発生します。
■ 常に資金循環を活性化させようとする金融資本家達 ■
現在世界は低金利の資金に飢えています。リーマンショックで世界の金融に空いた大穴は、大量の低金利の資金が市場に常に流入する事で崩壊を先延ばしされています。
リーマンショック直後のFRBやECBの量的緩和によって、世界の金融界は崩壊の危機を脱しました。しかし、問題の本質は何ら解決していないので、低金利の資金が減少すれば、世界の金融は弱い所から破綻します。
現状、FRBはテーパリングによって積極的に資金拡大を縮小し始めました。依然ゼロ金利は継続しているので、大きなショックは発生していませんが、リーマンショックで価値を失ったゴミの様なMBS(住宅担保証券)の買い入れをFRBが縮小すれば、これらのMBSをFRBに売却する濡れ手に粟状態も収束して行きます。
こうした中、日銀だけが異次元緩和によって資金供給を拡大しています。日銀には消費税引き上げによる景気低迷を補う為の追加緩和期待が高まっていますが、これは実体経済からの要求というよりも、テーパリングに怯える金融界からの悲鳴の様に私には聞こえます。
同様にECBにも量的緩和の期待が寄せられていますが、ドラギ総裁はノラリクラリと市場を煙に巻きながら、これを先延ばしにしています。ただ、ドラギマジックもここに来て効果は失われて来ています。依然の様にドラギ総裁の言葉に市場は素直に反応しません。
海外からすれば、日銀の異次元漢和の資金が思うように市場に流れ無い事も悩みの種です。メガバンクを始めとする日本の金融機関は、日本国債と日銀の当座預金に資金をブタ積みしています。
日本国内の預金金利が低いので、銀行は利益が少なくても、安全な場所に資金を置いておく事を選択しています。日銀の当座預金の金利をゼロにしない限り、日本の資金がダイナミックに動き出す事はありません。
ただ、将来的に金利が上昇し始めれば、日銀の当座預金では預金金利との間の逆ザヤが拡大するので、これらの資金は炙りだされる事になります。日本国債も金利上昇局面では損失が発生するので、売却せざるを得ません。
■ アベノミクスに潜む罠 ■
現在、米国債の金利が下がってきているので、日米の金利差は、為替リスクを考慮すると十分とは言えません。円キャリートレードが本格化していないので、円相場も100円近辺で膠着状態です。
日銀の緩和資金は依然として日本国債と日銀の当座預金に張り付いたままで、海外の金融機関の期待とはかけ離れています。
一方、日銀の金融緩和は円安効果を生んだので、輸入物価が値上がりしています。さらに原発停止の影響もあって、小売物価は2%に迫る勢いで上昇しています。これに消費税増税が追い討ちを掛けているので、物価は確実に上昇しています。
ただ、消費税の増税無くしても日本の有効需要は非常に低い状態が続いています。駆け込み需要で水増しされていますが、若者を中心に平均所得が低下する状況で需要を喚起する事は非常に難しい状況です。
本来は需給環境の改善の結果達成されるべき物価上昇が、輸入物価の上昇と消費税増税によって達成され、一方で所得はあまり伸びていないので実質賃金は低下し、消費を抑圧します。これは「不景気とインフレが同時進行するスタグフレーション」以外の何物でも無く、庶民にとっては最悪の状況に陥りつつあります。
昨年前半は補正予算で公共事業が増発され、建築関係は若干潤いましたが、建築作業員の人手不足から労務にが高騰し、公共事業の予定入札価格では赤字になるので、公共事業の入札が不調というケースが多発しています。これは明らかに供給オーバーの状況です。
労務費の上昇は、零細の建設業者を直撃しています。公共事業に入札したくても、職人が安い賃金では集まらないので、取れるはずの仕事が取れなくなってしまったのです。こうして、公共事業を増やした結果、経営基盤の弱い建設業者が倒産する例も発生し始めています。さらには、ギリギリの価格で落札した民間工事で、労務費の上昇から赤字が発生するケースも出てきています。
この様な状況を「供給制約」と呼びます。「好況事業の入札予定価格を上げれば良いじゃないか」という短絡的な発言が三橋貴明氏の支持者周辺から聞かれたりしますが、公共事業の価格が上昇すれば、労務費の上昇はさらに加速し、民間の建設工事の発注を抑制してしまいます。これでは官業が民業を圧迫する事になり、経済成長の足かせとなってしまいます。
結局、アベノミクスの第二の矢である「公共事業の拡大」は、人々の期待とは裏腹に、民間の建設工事を抑制する効果を生みつつあります。工事費の値上がりは、設計料や資材調達コストにしわ寄せが行くので、これらの業者(私も含め)は大変迷惑を被る事になります。
特に輸入物価の上昇で資材の原価は上昇しています。価格転嫁が出来なければ、資材メーカーの利益が減少する事になります。
■ 物価が上昇したら金利も上昇するハズなのだけれど・・・ ■
異次元緩和以降の日本経済で特異なのは、物価が上昇しているのに金利が下がっている事です。10年債金利が非常に低くなっているので、住宅ローンの10年固定金利も三井住友でで1.1%、三菱でも1.4%にまで低下しています。
需給ギャップの改善で発生する「良いインフレ」では、将来的な供給不足を予想して投資が活発化し、金利が先行して上昇します。「期待インフレ率」に比例する形で「金利上昇」が発生するのです。
しかし「スタグフレーション」が発生している状況では、物価上昇は必ずしも将来的な景気回復には繋がらず、むしろ実質賃金の低下によって需要はさらに落ち込むと予測されます。結果的に設備投資は滞り、資金需要も低調な為に金利は低位で安定します。
■ リスクに伴う金利が得られない「金融抑圧」の罠 ■
この様に極端に金利が低い状況では、貸付のリスクに対する順当な金利を確保する事が困難になります。資金を借りたい事業者は沢山居ますが、金利に見合う貸し出し先はなかなか見つかりません。さらに、大手企業は内部保留と株式や社債などの直接金融で資金調達が可能なので、金融機関の貸し出し先はどんどん減ってしまいます。
特に金融緩和の影響で、株式市場や社債市場に潤沢な資金が流入している事で、従来の間接金融主体のビジネスモデルに変化が出て来ています。銀行は担保を取ってリスクヘッジが可能な間接金融から、相場下落のリスクが伴う直接金融にジリジリと締め出されているとも言えます。
■ メガバンク3社で大きく異なる運用 ■
ところで、日本において間接金融から直接金融へのシフトがどの程度進んでいるのか、興味ある記事を見つけました。
2010年の記事なので異次元緩和以降は状況は変わっているはずですが、参考までに。
http://lacanian.jugem.jp/?eid=646
以下、一部引用
三菱東京UFJ銀行(2010年当時)
・すごいオーバーバンキング(この場合は資金需要に対して銀行の貸し出し能力が超過?)
・基本は顧客取引
・低需要期は有価証券運用
・BTMUは預金超過額大きい。
・BTUM預金超過額=40兆円
・BTUM預金超過額=全国銀行預金超過の1/4
三井住友銀行(2010年当時)
・業務純益(本業のもうけ)の市場部門比率=20%~40%が適当
*過去に非常に高かったこともある
・1年単位ではなく、臨機応変にポートフォリオ組み換え
・年金生損保=長期プレーヤー
・銀行=中期プレーヤー
「単年度主義に陥らず、中期的な視点が欠かせない」
・JGB=「国債に多くの資金を回している」
みずほコーポレート銀行(2010年当時)
・経営スタイル=大企業&海外取引特化
・みずほグループ戦略に市場部門の計画を入れた
・顧客(重厚長大)への商品提供を強化
・為替・デリバティブ系商品開発強化
・海外販売を強化
・「金融取引ノウハウを海外で展開したい」
・2バンク(CB&BK)=各行でALM自己完結
・ALM=みずほFG経由で預金をみずほコーポレートバンクへ回してる
各メガバンク共に不景気で低迷する貸し出しを補う為に、資金を市場で運用して利益を上げている状況が伺えます。2013年の決済をの評価をネットでチラミすると、三井住友が債券から株式にローテーションして利益を大きく拡大している様です。一方でみずほFGは米国債で利益が縮小傾向。三菱は良くも悪くも堅実といった所でしょうか。
リーマンショックの危機的状況を脱したかに見える金融界ですが、日銀の当座預金残高を見る限りは、金融各社は市場リスクを未だに高く見ている様です。最近、日本国債の高値警戒と米国債運用へのシフトがちらほらと話題に上り始めましたから、ようやく日本のメガバンクも重い腰を上げようとしているのかも知れません。一方で、海外運用はリスクも大きいので、日本のメガバンクのリスクテイクが裏目に出る可能性は否定出来ません。
■ 10年債の売買が成立しなかった1日 ■
先日、日本国債の10年債市場で売買が成立しないという珍事が発生しました。
10年債市場のメインプレイヤーは日銀で、売りに出た国債はある程度日銀が買い上げています。その結果10年債金利は0.6%程度と非常に低い水準で安定しています。
しかし、0.6%という金利は、はたして10年後の金利と比較した場合充分で無いと考えた場合、10年債は「高すぎる」と判断する金融機関が出て来てもおかしくありません。
実際に景気とは別の次元で、日本のインフレは着実に進行し初めており、将来的に円安が進行すれば、輸入物価上昇に伴うインフレはさらに加速します。
この様な状況にあって、10年債の0.6%という金利がリスクに見合わないのでは無いかという考えるのは自然です。こういった地合の変化は、最初は流動性の低下という形を取りますが、その内に売りが徐々に増える様になります。但し、売り出された国債を日銀が粛々と買っているので、国債金利の上昇は抑制的で、人々は危機の進行を認識する事が出来ません。
本来、市場は金利によって「警告」を発するのですが、この機能が麻痺した市場は危険です。気付いた時には修復不能の状況に陥っている可能性があります。
■ 世界的に市場機能が麻痺してきている ■
金融緩和が市場の原理を麻痺させているのは日本国債市場だけではありません。世界に目を転じれば、アメリカなどの社債市場も潤沢な資金提供の影響でリスクに見合わない低金利で取引されています。(高値で取引)
本来は金利がリスクの目安になるのですが、過剰流動性がそのリスクを隠してしまっているのです。
■ 弱い市場から変調が表れる ■
一方でアメリカのテーパリング開始によって新興国市場は明らかに変調を来たしています。ある意味、過剰流動性でリスクが一番軽視されていたのが新興国市場だとも言えます。
ウクライナ情勢の影響もあって、新興国から流出した資金は、とりあえず安全資産とされる米国債を買上げているはずです。
今年初頭まで上昇していた米国債金利は、それ以降ジリジリと下がっています。これは表面的には米国債市場が安定している様に受け取られますが、単に「不美人コンテスト」の結果、「米国債がまだマシ」と判断されたに過ぎません。
こうして、米国債を始めとする各国国債金利も過剰流動性と量的緩和によって、リスクに見合わない金利(高値)Iで取引されています。
■ 日本国債の心配よりは、米国債の心配をすべき ■
日本国債が直ぐに危機的状況になるかと言えば、何事も無けれ10年くらいは安定を保つかも知れません。
むしろ問題は米国債にある様に思えます。
例えば、現在の米国債の最大の顧客は中国ですが、アメリカと中国の関係がハッキリしません。
オバマはアジアを歴訪する事で、中国に警戒感を抱かせていますが、一方で中国が米国債を手放せば米国債市場は暴落するので、中国を邪険に出来ないというのもアメリカの本音です。
オバマ政権はアジアとの関係強化を図る一方で、ナンシー大統領夫人が中国に1週間滞在するなど、中国との関係も強化しているポーズを示しています。
■ ウクライナ情勢以降、明らかに変化した世界情勢 ■
ウクライナ情勢は欧米諸国とロシアで綿密に準備された危機だと私は考えていますが、この対立が長引くのか、それとも短期で関係改善に向うのかは、ひとえに米国債金利の動向に掛かっているのでは無いかというのが私の見方です。
米国債金利が安定していれば、ウクライナ情勢は徐々に対話に向うでしょうし、米国債金利が再び上昇する様ならば、さらに緊張は高まるかも知れません。
ただ、ロシアと中国の関係上、中国はアメリカに米国債から圧力を掛ける事が出来、もしウクライナ情勢や東アジア情勢が不安定さを増して行くならば、米国債やドル機軸体制そのものが終焉して行くためのセレモニーになるのでは無いかと、陰謀論者としては考えてしまいます。
■ 2015年頃からバブル的兆候が出始めるのでは無いか? ■
バブルの形成と崩壊がほぼ10年周期であるとするならば、次のバブルが顕在化するのが2015年頃。そして崩壊が始まるのが2017年頃かも知れません。日本は東京オリンピックで浮かれている頃に、世界は更なる地獄の蓋が開く可能性があります。
バブル崩壊のキッカケはいつの時代も中央銀行の金融引締めですが、金利を上げなければならない程に市場が過熱するのか、それとも、低金利によって隠されていたリスクが隠しきれなくなるのかの何れかでしょう。
私は現状見る限り、後者の可能性が高いのでは無いかと思います。この場合リスクは一気に発生すると言うよりは、通貨の信用が徐々に失われる過程において、各国の国債金利がジリジリと上昇し始めるのでは無いでしょうか。そして、気付いた時には財政の継続性を脅かす金利になっている・・・・・・。
■ 金融抑圧とインフレという相反した事象の継続性 ■
本日は、世界で進行する金融抑圧という延命策と、通過の信用喪失によるインフレが金利や世界経済にどの様な影響を与えるか検討してみましたが、多分に舌足らずな内容になってしまいました。
この問題は経済学者の間でも今後ホットは話題となるはずです。
過去の金融抑圧で成功したのは第二次大戦後のアメリカでした。FRBが金利上限を定めて、第二次大戦による財政負担を軽減しました。
この為にはある程度のインフレが必要ですが、戦後復興という世界的な需要の高まりが、「良いインフレ」を継続させ、抑圧された金利によってアメリカのマネーは世界に流れ出し、世界の戦後復興を後押ししました。
現在の様に世界的に需要が不足した状況で金融抑圧の行き着く先は・・・最悪、強制的な需要の創造になるのかも知れません。要は、戦争への欲望が高まって来るのです。この状況は戦後のアメリカというよりは、戦前の世界の状況に似ています。
当時も高橋是清が日銀による国債の直接買い入れを実施し、226事件の高橋の暗殺で、歯止めが外されてしまいます。その後は軍事需要が日本の経済を成長させて行きますが、これらは日銀の国債買取と、国民の軍債の購入によって支えられていました。
昨今の世界情勢、特に日中韓の蟠りを助長するアメリカの戦略を見るにつけ、いやな予感がジワリジワリと拡大します。大規模な全面戦争が抑止された核兵器の時代の戦争は、局地戦とそれに続く膠着状態です。日本は否応為しに軍備拡張を迫られ、アメリカから高い兵器を買う事になるのかも知れません・・・。
・・・・どうも雨の日は悪い方に思考が偏ります・・・・。
ゴールデンウィーク後半は晴れると良いですね!!