■ 「朝日新聞のゴメンナサイ」の陰謀論的解釈 ■
私は陰謀論者なので「メディアの正義」などというものは爪の先程も信じていません。ただ、政府や世界の経営者が、この先世界をどう動かして行くのかを妄想する時、既存メディアの報道は大変参考になります。
昨今では朝日新聞が従軍慰安婦問題で「吉田証言が誤報」であった事を認めましたが、表向きは販売量の低下に歯止めが掛からない事が原因とされています。
ただ、陰謀論的に見れば、安倍総理が靖国参拝をアメリカに非難された事の延長で、今度は韓国が従軍慰安婦問題で過剰に日本を非難出来ない様にする為の、吉田証言撤回の様に感じています。
目的は日韓の関係改善。
■ 韓国は中国に付くのか、日米に付くのか? ■
世界の経営者は着々と第二の冷戦の準備を進めていると思われます。中国経済に黄色信号が点灯していますが、中国の経済危機は必ずや周辺諸国との緊張を生み出すでしょう。
仮に尖閣紛争などが勃発した場合、米軍は日米安保条約が有りますから日本と行動を共にします。いえ、米軍が居るからこそ、尖閣諸島の局地的な紛争が成立するのです。これは中国にとっても都合の良い事で、「日本と戦争状態」という規制事実はあっても、国力を削ぐような全面戦争に発展しない事は重要です。
一方、尖閣紛争が勃発した場合、「踏み絵」を迫られるのは韓国ではないでしょうか。中国を非難すれば、中国との関係が悪化します。日本を非難すれば、米国ファミリーで居る事が出来なくなります。
現在の米韓関係を鑑みれば、韓国は日米側に付くしか選択肢が有りませんが、あまりに対日感情が悪化していると韓国の政権維持が難しくなります。そこで、そろそろ日韓関係も改善させる必要が出て来ます。
朝日新聞が吉田発言を誤報と報じた事は、日韓関係の改善の糸口を探る動きでは無いかと私は考えます。
■ 朴大統領は振り上げた拳を下ろすと失脚する ■
但し、日韓関係の改善はなかなか一筋縄では行きません。朴大統領の父親である朴正煕元大統領は帝国陸軍士官学校に学び、対ソ戦を戦った帝国軍人でしたから、朴槿惠大統領は「戦争協力者の娘」という汚名をそそぐ為には、日本に対して強硬姿勢を取らざるを得ません。
先般の国連総会の演説でも、従軍慰安婦問題で日本を非難していますが、これは国内政治向けのパフォーマンスに過ぎません。
■ 韓国人もいざとなればアメリカを選択する ■
朝鮮半島は歴史的に見れば中国の冊封体制下に置かれていましたから、地政学的には大陸圏(ランドパワー)に属する国です。ただ、現在の韓国には米軍が駐留し、明らかにアメリカの支配下に置かれていあます。(日本も同様ですが)
韓国人は若者を中心に反米意識が高いのですが、これは日本の全共闘世代と同様に親に反抗する子供の行動の様なもので、いざ危機が迫れば親頼りとなります。
ですから、中国が東アジアで軍事的危機を煽ったならば、韓国は従軍慰安婦問題など無かった事の様に日米側に付く事でしょう。国民も、現実的な判断をするはずです。
そもそも韓国人は中国人を好ましく思っていませんし、中国人も韓国人をバカにしています。
■ 日本のネトウヨは韓国を許すのか? ■
一方、日本のネトウヨを始めとした保守は韓国と協調できるのでしょうか。
日本の嫌韓の急先鋒は「在特会」ですが、彼らは某教会の別動隊だと言われています。ここら辺は自民党の裏の政党史をネットで調べればすぐに出てきます。
まあ、安倍首相を始め、極めて政治的な意図を持った「反韓」運動ですから、政治的な状況が変われば、手の平を返した様に「これからは日韓が協調して中国に対峙する時代だ」となるはずです。
ネトウヨの方達はイキナリ梯子を外されて戸惑うでしょうが、戦前の朝日新聞がこれをやりました。プロレタリアート革命や統一経済を標榜する朝日新聞の利害と、軍部の統制派の政策は共通点が多く、226事件以降、緒方竹虎が朝日新聞の実験を握り、彼は後に大政翼賛会の副会長にまでなります。戦後、吉田茂のバカヤロー解散の後、自由党総裁にまで上り詰めます。
進歩的な朝日新聞を信望していた人達は、朝日が急に軍部を支持した事に驚いた事でしょうが、利害が一致すれば多少の事は無かった事にされるのも政治の世界です。
■ 戦前、戦後を通じて朝日新聞は一貫して世論をリードして来た ■
戦前は軍国主義を煽り、戦後は手の平を返した様に左寄りの姿勢に戻った朝日新聞ですが、一貫して日本の世論をリードして来た事に変わりありません。
朝日新聞が従軍慰安婦問題を捏造した時期は、日米の貿易摩擦が高まった時期(1982年)に重なりますので、ソ連崩壊後の仮想敵国として日本に経済戦争を仕掛けたCIAがこれを利用しない手はありません。
朝日を筆頭にNHKなど日本の主要メディアはこぞって従軍慰安婦問題を取り上げ、日本のアジアにおける信頼を失墜させて行きます。
そして、最近では「在特会」などにヘイトスピーチを繰り返させる事で、日韓関係を険悪化すると同時に、日本の国際的立場を貶める事に成功しています。安倍首相もこれに一役買っています。「セックス・スレイブを使っていた国の首相に全く反省の色が無い」と世界は見ているのです。
大方のメディアや評論家は、朝日新聞の捏造記事の責任を追及うする事に余念が有りませんが、世界的に見れば、「従軍慰安婦問題を無かった事にしようとする日本人や日本の首相」は、クレージーな存在と見られているのです。
これは国際謀略や陰謀の類ですから、正攻法でこれを解消する事は不可能に近い。
■ 「新たなる冷戦」を必用とする世界 ■
アメリカは中国を世界の工場に育てる事で、アメリカのグローバル企業や金融界は巨額の利益を確保しました。
一方で東アジアで日中韓が結束する事は、アメリカの経済覇権上好ましくないので、日韓の関係は従軍慰安婦問題で、日中の関係は尖閣問題で協調出来ない様にしています。
しかし、中国がアメリカに次ぐ経済大国に成長した事で、アメリカはこれ以上の中国の成長を望みません。中国の高度成長にも陰りが見え始めた今、世界の経営者達は、「脱中国」を模索し始めています。
アメリカ国内では貧富の差が拡大して社会が不安定化しています。これは中国も同様です。この様な状況で国家が求めるのは「分かり易い敵」です。これが中国であり、ロシアです。
今後、金融危機などでアメリカも中国も国内情勢が混乱すればする程、外部に敵を求める様になります。
これが「新たなる冷戦」を世界が必要とする理由です。
その動きの中で「朝日新聞のゴメンナサイ」を眺めると、又違った風景も見えて来るかと思います。
・・・はてさて、この先、世界はどう変わって行くのか、、妄想のネタは尽きません。