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ガンは根性で治る!?・・・熱に弱いがん細胞

2015-10-28 10:43:00 | 分類なし
 

■ ガン細胞は高温に弱い ■

ガンの温熱療法は古くから行われています。これはガン細胞が熱に弱い事を利用した治療ですが、1978年に国立予防衛生研究所は子宮頸がんの細胞が39.6℃の温度に10日間さらされると完全に死滅する事を発見します。この時、正常な細胞は生きていました。

以前より梅毒患者やマラリア患者でガンが治癒するケースが知られていましたが、高熱によってガン細胞が駆逐される為と考えられています。

■ ヒートプロテインの存在 ■

真夏に自転車で熱中症になる事を繰り返す私は、熱で体のタンパク質が変性してしまうのでは無いかという恐怖に駆られます。実際に体細胞が高温状態になると、タンパク質合成に異常を来す様で、異常たんぱく質を合成する様です。

この異常たんぱく質を正常に戻す機能を持つたんぱく質(ヒートプロテイン)の存在が知られています。ヒートプロテインは体温が上昇するにつれて合成されます。

ヒートプロテインの働きは異常たんぱく質の補修だけでなく、正常に戻す事の出来ないタンパク質を分解する事を助けている様です。このプロセスがガンの治療に役立っているのではないかと考えられています。

■ 38.5℃で活性化するマクロファージ ■

マクロファージは白血球の一種で、アメーバー状の細胞です。体内で異物を取り込む事で免疫として機能します。このマクロファージは38.5℃の体温で活性化する事が知られています。

ヒートショックプロテインが分解した異常タンパク質はマクロファージのエサになます。ここからは推測ですが、ガン細胞は異常タンパク質を大量に合成しますから、ヒートショックプロテインが分解した異常タンパク質がマクロファージの指標となる事で、マクロファージがガン細胞を選択的に貪食する様になるのでは無いか・・・・。

■ 半端なく熱い風呂でガンを直した?! ■

ネットの情報なので鵜呑みにはできませんが、45度、46度というハンパ無く熱い風呂に長時間浸かる独自の療法で自力でガンを治療した人が以前新聞に載っていたそうです。

http://www.d2.dion.ne.jp/~kishin/sub19.htm

■ ガンは根性で治る ■

ここまで書いて来ると、もう「ガンは根性で治る」と叫びたくなって来ます。

真夏の炎天下、自転車でヒルクライムを繰り返し、目の前が白く霞んで来る時、実は体の中でガン細胞が駆逐されているのかも知れません・・・。絶体温40度近くになっていそうですから・・・。

と言う訳で、今年も「ガン細胞をイッパイ駆逐した」という脳内イメージが出来上がりました。こういうイメージが免疫を高め、実際にガン予防に役立つのかも知れません。


ところで、この「根性によるガン予防」ですが、残念ながら若い方、体力のある方にしかお勧め出来ません。だって、熱中症でマジ死にそうですから・・・。さらに、ヒートショックプロテインの合成は年齢と共に低下してきます。


・・・そう、「歳を取って死ぬ」事は生物にとって自然な事なのです。ガンとて、「生命の死」を司る大事な機能なのだと私は考えています。

重要なのは「長生き」では無くて、「熱く生きて、熱く死ぬ」事・・・。なんんて、ダラダラ気味の自分にハッパを掛ける今日この頃・・・。


まあ、自転車で遊びに行く時の言い訳に「ちょっとガン細胞を駆逐して来るわ」なんてのは通用しないのでしょうが。

<追記>

人間の細胞は42.5℃に加温されると死滅します。これは正常な細胞もがん細胞も一緒ですが、正常な細胞組織では加温に対抗する為に血管を拡張して血流を増やす細胞の温度上昇を防ぐ機能が働きます。一方、がん細胞はこの機能が働かない為に選択的にがん細胞が駆逐されます。

温熱療法には全身を加温する方法と、ガン組織周辺を局所的に加温する方法が有ります。体表に近いがんは局所的にマイクロ波などで加温する事が可能ですが、体の奥のガンはこれが難しく、消化器系のガンなどでは体内に小さな加温装置を挿入してガン組織を直接加温する方法も取られる様です。

加温に対抗してガン細胞はヒートショックプロテイン70というたんぱく質を大量に合成して加温によって破壊されたタンパク質を修復してしまいます。その為、連続的な加温は身体的ダメージに対して効果が薄れる為に、HSP70が減少する期間(2日程度)を置いてから再び加温を繰り返す方法が取られています。

最近では41度程度のマイルドな加温でも効果が有る事が分かっており、放射線や抗がん剤との併用される事も増えている様です。

加温によって免疫系が活性化される為、抗がん剤などの副作用が低減し、自己免疫によるガン細胞への攻撃も亢進します。

低線量率放射線の全身照射や、加温は体にストレスを掛ける事によって免疫を活性化させる事で、他のガンの治療方法の効果を高めたり、或いは副作用の影響を抑える効果が有る様です。全身の加温にはそれなりの時間と、患者の身体のダメージを伴うので、低線量率放射線の照射による免疫の増進の方が患者には優しいのかも知れません。

秋田の玉川温泉は天然の放射線源としてがん患者が訪れる事で有名ですが、放射線の効果だけでなく、温熱療法的な効果も同時に行っているとも言えます。

何れにしても「自己免疫」の働きに期待する治療だけに、免疫の低下した人には効果が薄いのかも知れません。結局は、日頃の生活習慣で免疫が活性化している人は、そもそも日々体内で沢山発生するがん細胞をことごとく駆逐しているのでガンにはならない。

ジョギングなどは大量の活性酸素を発生させる事で体にストレスを掛け、低線量率放射線照射同様の免疫活性効果が有るはずです。

良く食べ、良く動き、良く眠る。そして体を温める・・・「体を冷やしちゃいけないよ」と昔の人は良く言いましたが、きちんとした効果が有るのですね。