人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

『Rekife』・・・坪口 昌恭のサントラが凄い

2016-08-24 06:48:00 | 音楽
 



■ 今期アニメで一番おもしろい『Relife』 ■

今期アニメで一番面白い『Relife』。

ふとした事件を切っ掛けに会社を辞め、半ば引きこもり生活を続ける26才の男性が「人生をやり直せる」という誘いに乗って渡された薬を飲んだら・・・なんと高校生になっていた。(見た目だけ)

「一年間、高校生活を送ったら、就職をお約束します。」という怪しい提案に乗った彼は高校3年生に編入します。26才という少し大人の視点から高校生達を観察し、一緒にもう一度青春を謳歌する・・・。なんだか誰もが心の片隅にひっそりと仕舞っている願望を、見事にエンタテーメントに昇華した夜宵草(やよいそう)さんのマンガ原作のアニメ。

原作は「comico」というマンガ投稿サイトの人気作品で単行本も好調な売れ行き。スマホ用のフォーマットで書かれたマンガは縦スクロールで読める様に工夫されているとか。

これ、先行放送がネットにアップされているので、思わず全話観てしまいました。(アニメ嫌いのカミサンと一緒に)

■ コンテンポラリージャズのショーケースみたいなサントラ ■

アニメとしては「小ネタ」ですが、実のこの作品、サントラは超絶スゴイ。もう最初の一音から、「現代ジャズ(コンテンポラリー・ジャズ)」のエッセンスが詰まっています。

作曲は坪口 昌恭(つぼぐち まさやす)。この名前でピンと来た方は相当の音楽通。菊池成孔が好きな人ならば『東京ザビヌル・バッハ』のキーボードだと直ぐに思い当たるかも。

坪口昌恭は1664年生まれですから私の1つ年上のミュージシャン。『東京ザビヌル・バッハ』。「ザビヌル」は他ならぬ「ウェザー・リポート」のジョイー・ザビヌル。バッハは当然、大作曲家のバッハ。

■ ジャズからフュージョンへ ■

私達の世代のジャズ好きは「フュージョン」全盛時代にジャズを聴き始めました。「ウェザーリポート」「クルセーダーズ」「スパイロジャイラ」辺りが当時の人気グループだったと思います。日本だと「カシオペア」と「スクエア」。

4ビートジャズが電子楽器の導入とロックとの「融合=フュージョン」によって現代的なジャズに生まれ変わったのがフュージョンというジャンル。初期の頃は「クロスオーバー」などとも呼ばれていました。

フュージョンの先駆けとなったのは。マイルス・デイヴィスの「イン・ア・サイレント・ウェイ」 (1969)と「ビッチェズ・ブリュー」 (1970)。「電化マイルス」などと呼ばれ、ジャズファンを戸惑わせた名盤です。

当時のジャズはフリージャズ全盛時代。「何だか良く分からないけど凄い」というある種の「宗教」の様な袋小路に入った当時のジャズ界。「身体性」と「精神性」を追求するフリージャズは最早商業音楽としての形を失い、「聴く事=忍耐」というとんでも無いジャンルになっていました。

ジョン・コルトレーンやセシル・テーラーがもうドロドロと言うか訳分かんない音を垂れ流している頃(ファンの方にはゴメンナサイ)、帝王マイルス・デービスは当時普及し始めたエレクトリック楽器(電子楽器)をいち早く取り入れます。エレキ・ギターや電子ピアノ、エレキベースなど、今となっては当たり前の楽器ですが、アコースティック楽器こそがアイデンティテーであったジャズ界にとっては冒険でした。



これはマイルス・デービスの「ビッチェス・ブリュー」。8ビートにラテンのリズム感を取り入れるなと、当時としてはかなり斬新な試みをしていますが、メンバーが凄い。キーボードはチック・コリアとジュー・ザビヌル。ギターはジョン・マクラフリン。サックスはウェン・ショーター。

このバンドからウェン・ショーターとジョー・ザビヌルが独立した形でパーマネントなバンドを結成したのが「ウェザー・リポート」です。ベースにジャコ・パストリアス、ドラムスにピーター・アースキンを加入した頃が最強だったでしょうか?



代表曲は何と言っても「バードランド」でしょう。マイルスの「ビッチェス・ブリュー」に比べるとメロディーランが明確で、リズムもシンプルなので大衆受けする音楽に進化しています。

とにかくこの時代のウエェザーリポートは神です。特にジャコ・パストリアスはベースという楽器の概念を変えてしまった天才。

■ フュージョンの衰退と新しいジャズ ■

古臭い4ビートジャズや、意味不明なフリージャズと決別した「フュージョン」は、ロックやラテンのリズムを取り入れ、さらにはクラシックとも融合しながらジャズ界の主流になりますが、1980年代後半には商業主義的な色合いが強くなり次第にファンが離れて行きます。

その頃、ニューヨークでアコースティックな4ビートジャズの再評価(私は復古主義だと思いますが)が始まり、「新伝承派」なんてネーミングでウィントン・マルサリスがスウィングジャーナル誌などで持てはやされる様になります。

同時期、バークレイ音楽院で学んだ優秀な演奏家はM-BASEという概念の音楽活動を開始します。実は私はスティーブ・コールマンの提唱したM-BASEの概念が全く理解出来ません。「現代的で精神的で非西洋的な黒人のアイデンティティを追求する音楽活動」と解釈する事も出来ますが、複雑な変拍子に乗せてダラダラと続く音・・・こんなイメージが在りますが、これは当時の先端のファンクシーンと連動するものだったのでしょう。M-BASEは次第にラップを取り入れるなど、ファンクとの融合性を高めて行きます。これ、日本人には結構「濃くて」苦手かも知れません。



アレ、今聴くとカッコイイですね・・・。

■ 本当に新しいジャズ ■

メインストリームのジャズがファンク的な黒人現代音楽と、復古的な4ビートに2分されている頃、ブルクリンの「ニッテイン・ファクトリー」と言うライブハウスを中心に、もっとコンテンポラリーで新しいジャズが生み出されていました。

中心に居たのはジョン・ゾーンとティム・バーンでしょう。彼らは白人のミュージシャンでしたから、「黒人のアイデンティティ」という呪縛とは無縁に、単に「面白い音」を探求して行きます。

その頃、イギリスのジャズシーンも盛り上がっていました。メジャー所では「インコグニート」が有名ですが、これらの「オシャレ・ジャズ」とは無縁の、真に「面白い音」を追求していたのが「ルース・チューブス」です。中心人物はキーボードのジャンゴ・ベイツですが、彼はホーン楽器も扱う多才なミュージシャンでした。



ルース・チューブスのデビューアルバムの「オープン・レター」のプロデュサーは何と「ビッチェス・ブリュー」をプロデュースしたテオ・マセロでした。ジャンゴ・ベイツの音楽はおもちゃ箱をひっくり返した様で、何とも掴みどころが無いのですが、タペストリーを離れて観ると一枚の絵になっていた・・・・みたいな不思議な魅力に溢れています。

この時代、フランスもギタリストのマルク・デュクレらが新しいジャスを追求しています。

■ 今だから分かる「東京ザビヌル・バッハ」 ■

さて、ようやく話が坪口昌恭と「東京ザビヌルバッハ」に辿り付きました。

日本のジャズ界、いえ音楽界の重鎮、菊池成孔と坪口昌恭が1999年に結成したエレクトロユニットの「東京ザビヌル・バッハ」は、当時としては地球を3周半くらい突き抜けたバンドでした。



マイルスの「ビッチェス・ブリュー」がこの時期に出てきたらきっとこんなアルバムになったに違いない・・・そう思わせる音。

リズムをシーケンサーに任せ、キーボートとサックスが音のコラージュを積み上げていますが、後期のウェザー・リポートの音に良く似ています。だから「ザビヌル」の名前が付けられているのでしょう。

ウエザー・リポートはジョー・ザビヌルとウェン・ショーターの双頭バンドでしたが、ファンもウェン・ショ-ター派とジョー・ザビヌル派に二分されていました。後にウェン・ショーターが抜けた後もバンドの音楽性が全く変わらなかった事から、ジョー・ザビヌルが事実上のリーダーであった事が明白になりますが、コンサートでウェン・ショターのサンプリング音源をシンセイサイザーで演奏するザビヌルの節操の無さは、ウェン派を敵に回します。

ウェザー・リポートを解散した後、ジョーザビヌルは「ザビヌル・シンジケート」という自分のバンドを結成して活発に活動します。私も斑尾のジャズフェステバルで何度か生で観ましたが、とにかくコーネル・ロチェスターとジェラルイド・ビーズリーというドラムスとベースが強烈で、心臓がバクバクしたのを覚えています。

ジョーザビヌスのバンドはジャコ・パストリアスやミロスラフ・ビトウスなど超絶テクニックのベーシスト、さらにはピーター・アースキンやオーマー・ハキムなど上手いドラマーを擁してきましたが、東京ザビヌルバッハはこの部分をシーケンサーに任せているのが面白い所。ただ、この打ち込みの音はクールでカッコいい。

私は初期のアルバムを2枚持っていますが、正直に言って、当時は良く分かりませんでした。15年以上経った今聴くと、とてつも無くカッコいい。

■ 「低温」のジャズ ■

「東京ザビヌルバッハ」とウェザー・リポートの違いは何かと聞かれたら、私は「温度感」だと答えます。

「東京ザビヌルバッハ」に限らず、「パッチョーラ」など現代の優れたジャズバンドの音は「冷めて(醒めて)」います。

複雑なコード進行や、リズム処理をさらりとやる・・・・これがコンテンポラリーなジャズの魅力かなと・・・。もう、ミュージシャンが汗を撒き散らしながらやるジャズは流行らない。

そんな事を意識しながら『Relife』のサントラを聞くと、ジャズという音楽の現在が見えて来ます。アニメのサントラ、恐るべし。



ちなみにこちらが最近の東京ザビヌルバッハのライブ映像。坪口の個人ユニットになっているいみたいですが、リズムも人力です。トランペット、カッコイイ。



誰もが想像をしない様な急激な金利上昇・・・グリーンスパン発言と9月利上げ

2016-08-22 08:27:00 | 時事/金融危機
 

■ 急激な金利上昇を警戒するグレーンスパン元FRB議長 ■


「グリーンスパン氏:米金利は近い将来に上昇へ、恐らく驚くほど急速に」
Bloonberg 2016.089.19

ttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-18/OC466I6S972V01

Bloombergのグリーンスパン元FRB議長のインタビュー記事は興味深い。

1)米経済が低い経済成長と高いインフレ率を伴うスタグフレーションの局面に向かっている

2)単位労働コストが上がり始め、マネーサプライの伸びが加速し始める中、「その非常に初期の段階に至ったことが明確になりつつある」と指摘した。

3) 「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さでわれわれを驚かす可能性がある」

グリーンスパン氏は恐らくあちら側の人ですから、これは予測と言うよりは「予定」と考えるのが陰謀論的解釈。

「アメリカの景気は回復している」「いや、実体経済の成長を弱い」こんなやり取りが何年も繰り返されていますが、現在のアメリカのインフレ率は低く抑えれています。

アメリカは昨年末に利上げを実行していますが、その後の利上げにFRBは慎重です。当初、「2017年内に2回、恐らく6月と2月に利上げするだろう」との予測が主流を占めていたと思われますが、イギリスおブレイクジッとの影響で9月の利上げ実施も危ぶまれています。

■ 悪い金利上昇は、急激な信用収縮の過程で発生する ■

「金利上昇」に対するグリーンスパンの見方は「悪い金利上昇」を示唆しています。景気が悪い中で金利が上昇する場合は、通貨の信用が損なわれるケースが考えられます。

リーマンブラザーズの破綻後に銀行間で短期の資金を融通し合う「短期のコールローン」の市場で金利が急上昇した事が悪い金利上昇の例として思い浮かびます。

「短期のコールローン」とは銀行間は「一晩だけお金を貸してよ」などというごく短期で資金を融通し合う市場です。銀行は預金や自己資金を現金で手元には置いていません。準備預金以外の多くの資金を投資や融資に回しています。ですから手元の現金が短期的に足りない場合は「コールローン」市場で調達して急場をしのぎます。これはどこの銀行もお互い様で、貸す側も「一晩だけ」などという長短期で低リスクな市場で安いながらも金利収益が得られます。

ところが、金融危機などが勃発すると、どの融機関も手元資金を厚くしようとしてドルの貸し出しを渋ります。当然、「短期のコール市場」のドルが枯渇するので金利が跳ね上がる事になります。

この様に「急激な悪い金利上昇」は「急激な信用収縮の初期段階」で発生します。

■ ベースマネーが拡大して金利が低い状態では、マネーサプライは急激に拡大する ■

グリーンスパンの発言の中で興味深いのは「単位労働コストが上がり始め、マネーサプライの伸びが加速し始める」という部分です。

アメリカの雇用統計は中期的には完全失業率に近い数字で安定しています。中間層の雇用改善も進んで来ているので、これからは消費の歯車が徐々に回り出すかも知れません。ある程度の所得が約束されると、住宅や耐久消費財の需要が高まり、アメリカは本格的な消費拡大のフェーズに入ります。

ここで「資金循環」が活性化し出すと「マネーサプライ」が急拡大します。マネーサプライの拡大期はポジティブ・フィードバックが掛りますから資金需要は加速度的に拡大します。ある程度金利が高い場合はフィードバック係数が低く抑えられ、マネーサプライの拡大は適度にコントロールされます。

一方、現在の様に、極端に緩和的で市場に資金が溢れている状態では、マネーサプライの拡大のスピードは速くなります。

■ 債権市場で発生するであろう急激な金利上昇 ■

ここで問題になるのが現在の「あまりにも低すぎる債権金利」です。ジャンク債は元より、社債、国債までもが金利が下がり切っています。

マネーサプライの拡大が急激過ぎる場合、FRBも流石に利上げでこれをコントロールしようとするはずです。ところが、金利が上昇すれば、現在の低金利の債権を大量に保有する金融機関やHFや個人は大きな含み損のリスクに晒されます。

結果的に債権市場で債券が投げ売りされ、ジャンク債市場を筆頭に社債市場も国債市場も急激に金利が上昇します。

■ 拡大し始めたマネーサプライが一転して急激に収縮する ■

急激な金利上昇をFRBがコントロール出来なければ、金利上昇はあらゆる市場を一瞬で崩壊させます。投資家達は損失が膨らむ前に現在のポジションを解消しようと必死になります。パニック(ショック)が発生するのです。

信用収縮が一度始まると後はリーマンショック時同様に「短期のコール市場」が機能しなくなり、多くの金融機関が破綻の危機に晒されます。

リーマンショック以降、金融機関は自己資金を厚くしてショック耐性を高めているとされていますが、イタリアの銀行やドイチェバンクを観る限り、リスクは拡大こそすれ縮小はしていません。ヨーロッパの金融機関が行ったリスク対策は「ベイルイン」ですから、危機が発生した場合は金融機関に投資した人達や預金者が損失を被ります。

日本の金融機関も国内の低金利を背景に海外投資を大幅に拡大していますから、リーマンショック時以上の悪影響を被るはずです。

■ ジョージ・ソロスは9月の利上げに掛けている ■

ジョージ・ソロスは手持ちの金や金ETFの大半を手放し、株は空売りのポジションを積み上げています。今の所、「失敗」に見えますが、彼は「FRBの9月利上げ」に掛けている様です。

ここに来てFRB内部からも「利上げ」の発言が相次ぎ、市場のリスクオンムードが一転し始めています。

■ 米の景気回復の腰は弱いが金利を早めに上げたいFRB ■

三橋教の信者さん達には理解出来ないかも知れませんが、FRBは「金利がある程度の水準にある事が継続的な経済発展には好ましい」と考えています。ゼロ金利やQE(量的緩和)はあくまでも「緊急処置」であって、危機が遠のけば利上げは当然の事です。

これは、FRBが冒頭のグリーンスパンと同じ見識に立っているからです。特に消費好きな米国民の潜在需要は日本に比べれば高く、所得の改善が始まれば、金利上昇の圧力が高まる事をFRBは良く知っているのです。

尤も、アメリカの今後拡大するであろう需要は「偽りに需要」である事には注意が必要です。先進国はどの国も潜在需要が低下していますが、それを打ち消す為に「金融緩和」が実施されています。

様は、アメリカは「低金利バブル」の最後の仇花を開かせるのであって、真の景気回復を迎える訳ではりません。

FRBが利上げのタイミングを逃せば「バブル崩壊」が確実になるのでFRBは利上げを急ぐのです。

■ 大統領選挙が波乱要因 ■

イエレンFRB議長はハト派ですから利上げには慎重です。さらに大統領選の間は、両候補とも国内景気を気にしますから、FRBは利上げには慎重にならざるを得ません。

ここら辺の事情も鑑みて、大方の市場関係者は「9月の利上げは無い」と読んでいますが・・・ジョージ・ソロスやグリーン・スパンなど「あっちの世界の人」の発言や投資行動は利上げを示唆しています。


陰謀論的には「9月利上げは在る」とした方が面白いのですが・・・・はたして・・・。

オリンピックは美味しいビジネス・・・ヨーロッパ貴族の小遣い稼ぎ

2016-08-18 09:29:00 | 時事/金融危機
 
■ 任意団体のIOC ■


日々熱戦がくるひろげられるオリンピック。(TVが無いので見れませんが)

ところでオリンピックほど不思議な物はありません。

オリンピックを主催するのはIOC(国際オリンピック委員会)ですが、これはスイスのローザンヌに本部を置く任意団体です。法人ではありません。

「スポーツ好きの貴族が勝手に集まって大会を開いている」のが近代オリンピックの始まりであり、今に至るまでIOCはこの運営方針を貫いています。要は元々は金持ちの貴族がボランティアで主催していたのが近代オリンピック。

近代オリンピックの父、ピエール・ド・クーベルタン男爵(1863~1973)が提唱して始まった近代オリンピックですが、当時は帝国主義の時代で国家間の争いは戦争によって解決するのが当たり前の時代。この様な時代に敵対する国同士の選手が平和的にスポーツで実力を競い合うオリンピックは、一見、クリーンで理想的なイベントでしたが、一方で出場選手は国家の威信を掛けて戦っていました。

■ 巨大ビジネスと化したオリンピック ■

しかし今ではオリンピックは巨大なビジネスと化し、莫大な放映権料とチケットの売り上げ、スポンサ企業の協賛金の10%程度がIOCのポケットに収まります。

開催国の招致や、種目選考を巡っては公然とロビー活動(接待攻勢)が行われていますが、IOCは任意団体の為に贈収賄などの法律に問われる事もありません。開催国決定などに際し、億円単位のリベートが乱れ飛ぶとも噂されています。

■ IOC理事にはチケットが割り当てられ、それを販売している ■

しかし、昨日アイルランドのIOC理事がチケットを高額で横流しして逮捕された様に、ファミリーの中の「掟」を守らない者は容赦なく排除される様です。

ところでこの事件、「理事に割り当てられたチケット」とありますが、横流しされたチケットは1000枚程度とされており、IOCの理事は少なくとも1000枚以上のチケットの販売収入が有るという事になります。1枚5万円として5000万円の収入。実際には割り当て枚数はもっと多いでしょう。

元々は貴族のボランティアとして始まった近代オリンピックですが、現在のIOCの理事は金銭的に非常にオイシイ思いをしている様です。

■ 競技場の建設コストや運営コストは開催国の国民が負担 ■

オリンピックの開催国はIOCが決定しますが、競技場の建設や運営に掛るコストは開催国の負担となります。「国の負担=国民の負担」あるいは「開催都市の負担=開催都市の住民の負担」ですから、東京でオリンピックを開催する為には、東京都民は当然負担を強いられます。

ロンドンオリンピックではIOCの4年間の収益、約6300億円の70%が開催都市が組織する実行機関であるオリンピック組織委員会(OCOG)へ、20%が競技選手の組織へ、残り10%がIOCの活動資金となりました。

ロンドンオリンピックのIOCの取り分は630億円。ロンドン大会当時のIOCの委員は111名だった様ですが、これをどう配分するかは・・・神のみぞ知る。組織の運営費などもありますが、数億円の小遣い稼ぎにはなるのでは?

一方、開催国のメリットは世界中から観光客が集まったり、オリンピックに絡む道路整備などの公共事業で都市のインフラが整備されるなど少なくはありませんが、競技場建設などにコストが掛り過ぎると開催国の収支は赤字になります。

日本でも長野冬季オリンピックは、その後のスタジアムの維持費など長野県の財政の大きな負担を掛けつづける事になりました。

■ アマチュアリズムはもう古い? ■

オリンピックって要は世界中のアマチア選手をタダで出演させて莫大な利益を得る「興行」だとも言えます。アマチア選手達の努力にタダ乗りしているヤクザみたいな存在。

ただ、「近代オリンピックの精神」が美化され、歴史的に権威のあるスポーツ大会なので、出場選手も観客も全世界でTVで応援する人々も、「オリンピックの異常性」に気が付かないのでしょう。

選手には「オリンピックのメダリスト」というのは一生の勲章ですし、その後の人生にメリットも大きいので、否定する様な事ではありませんが・・・。

尤も、アマチアスポーツの祭典であったオリンピックもプロが出場する様になると、少し様子が変わってきます。

例えばテニスなどはグランドスラムなどプロツアーの大会の方が賞金も高いので、選手にとってはオリンピックは数ある大会の一つといった程度の存在でしょう。大きな大会と調整が難しければオリンピックは二の次になるでしょう。

野球やバスケットボールんども微妙な空気が漂います。しかし、陸上なども賞金レースが増えているので、トップ選手に至ってはアマチュアとプロの境界は限りなく曖昧になっている事も確かです。

「「オリンピックの出場者は、スポーツによる金銭的な報酬を受けるべきではない」と主張したのは近代オリンピックの父、クベルタン男爵ですが、オリンピックにアマチュアリズムを求めるのは古臭い考えなのかも知れません。

■ TVを見なくなるとオリンピックなんて興味が無くなる ■

ところで私達が何故オリンピックに夢中になるかという原因の一つは、「メディアが盛り上げるから」。オリンピック期間中はどのTV局もオリンピック一色になります。

ところが、TVを持っていない私などは、「え!!オリンピックってもう始まってるの?」って感じで、ニュースサイトのスポーツ欄の見出しを目で追う程度の興味しか有りません。

どの選手がどれだけ苦労して、故障を乗り越えて・・・などという情報が無ければ、あるいは試合の経緯を知らなければ、興奮も感動も味わう事は不可能なのです。

私がへそ曲がりだからという事もありますが、我が家の娘や息子も「へぇー、オリンピックやってるんだ」程度の興味しか無い様です。最近の若い人達はTVを見ない人も多いので、こういう反応になるのは当然と言えます。

■ リアルなスポーツは面白い ■

私がスポーツが嫌いな訳ではありません。先日も記事にした様に「観るものでは無くやるもの」と考えてはいますが。

「観るスポーツ」も子供のバスケットの仕合などは興奮しますし、我が子がコートに立てば声を張り上げて応援する困った親です。

結局私にとってスポーツはリアルである事が重要な様です。高校野球もTVでは見ませんが、地元の高校が県大会でベスト4に進めば、球場まで応援に行きます。

リアルなスポーツなら、ジョギング中に土手の上から眺める少年野球や草野球だって結構楽しめます。

ただ、TVの箱の中の映像は・・・胸を熱くする事がありません。逆にアナウンサーや解説者が盛り上がったりしていると醒めてしまう・・・。


多分、私がへそ曲りなだけなのですが・・・。

高齢化対策の切り札・・・無駄な長生きを抑制する?

2016-08-16 05:50:00 | 時事/金融危機
 

■ 「患者の命を助ける」事のジレンマ ■

ちょっとご高齢の方や、地方の方からは怒られちゃうかも知れませんが・・

先日、知り合いの医者と飲んでいたら、「最近では地方の病院に患者が来れなくなって病院経営が厳しくなっている。」とボヤイテいました。地方の人口減少で病院は広域から患者を集めないと経営が成り立たなくなっていますが、あまりに高齢な方は、足腰も立たないし、車の運転も出来ないから病院に来る事すら出来ないそうです。結果的に病院が巡回バスを運行して患者を集めているそうな・・。

この様な状況に陥った最大の原因は高齢化による医療費の拡大を抑える為に国が診療報酬を下げ続けた事にあります。病院は多くの患者を診療しなければ利益が出にくくなりましたが、それに伴ってスタッフの負担も増えるので経営が厳しくなり、地方の病院から経営が行き詰まり初めています。

医者にとっては「そこに患者が居るならば助けるのは当たり前」の行為ですが、今の日本の医療行政では、それが病院の経営を圧迫します。

■ ライフクオリティーを重視するヨーロッパの医療 ■

ヨーロッパなどはこの問題の解決はとっくの昔に終わらせています。方法は簡単で、「無駄な医療を排除して、無駄に寿命を延ばさない」というシンプルなものです。

そこに行き付くまでは医者にも社会にも様々な葛藤があったかと思われますが、結局は限られた医療予算を経済に貢献する人達(若者)に優先的に使う選択をしたのです。ですから、高齢者に無駄な抗がん剤治療などしません。寿命が5年伸びたとしてもライフクオリティーが低下しては意味が無いからです。

この様なドメスティックな変革が日本において出来なければ、日本の医療制度はゆくゆくは崩壊します。

■ アメリカ型の医療改革が実行されそうな日本 ■

戦後日本の医療を支えていた国民皆保険制度ですが、高齢化の進行によって近い将来破綻すると言われています。

現在の様に高齢者に高度医療を施して寿命を伸ばし続けると、医療費の支出の拡大に歯止めが掛らなくなる事は目に見えています。

しかし、厚労省が「65才以上の高齢者には無題な医療を行わない」という通達を出す事は難しいでしょう。従来は厚労省は「診療報酬を下げる」事で、全体のバランスを取って来ましたが、医療現場はこれ以上の診療報酬の低下には耐えられません。

そこで外圧を利用して医療改革を実行すると思われます。それはTPPによってもたらされるはずです。

アメリカの製薬会社は日本の薬価が安過ぎると考えています。新薬が次々に開発されていますが、開発コストは決して安くは無く、さらに適用範囲が狭い薬ともなると量を売る事も難しい。そこで、アメリカ国内では薬価を高く設定して利益を確保しています。

しかし、日本の場合は保険適用される薬の価格は厚労省が決めており、医療費削減の為に薬価は低く抑えられています。保険適用を受けなければ良いのですが、保健診療と自費診療を一緒に受ける混合診療は禁じられていましたので、薬を売る為には保険適用の申請をするしかありませんでした。

混合診療の解禁は段階的に進められていますが、TPPが発効すれば混合診療を求める圧力はさらに高まります。

「TPPは米国内で反対派も多いじゃないか」という意見も有るかと思いますが、それは交渉の過程でアメリカの利益が薄まってしまった事への反発で、彼らは「アメリカに都合の良いTPP}ならばウェルカムです。場合によっては議会が批准せずに「再交渉しろ」とゴネるかも知れません。

■ 保険適用の診療や薬が減って行く ■

医療財政を破綻させず、企業の利益も確保する為には、医療の2極化が必要になります。

安い保険診療か、高い自費診療もしくは混合診療かを患者が選ぶのです。(ゼネリック医薬品の様に)

当然、高い自費診療や混合診療のコストを患者やその家族が負担する事が難しい場合もあるので、医療保険の出番となります。高額医療の医療保険は掛け金が高いので、高額所得者や資産家しか高い保険には入れません。

こうして、所得格差が医療格差に反映される時代がやって来ます。命や長生きは金で買う時代になるのでしょう。

■ 平均寿命を抑制する ■

今までの日本の医療は安価で充実したものでしたから、日本人の平均寿命を世界トップクラスになりました。

しかしこれはは裏を返せば、高齢者の社会福祉コストを医療コストを肥大化させます。限界を超えれば、年金や医療保険が破綻します。(財政破綻かも知れません)

そろそろ日本も「何が何でも長生きする」という願望を捨て、「無駄に長生きしない」という倫理観に変換しても良いのかも知れません。

実施の方法はヨーロッパ型とアメリカ型が在ります。ヨーロッパ、特に北欧諸国ではある程度の平等性が確保されています、。

アメリカ型は金次第で、金持ちは長生きを選択できますし、貧乏人は安楽死の薬を医者が処方します。

どちらが幸せかは誰でも理解出来ますが・・・・どうも日本はアメリカ型になりそうな予感が・・・。

南房総の魅力満載の映像・・・

2016-08-15 10:59:00 | 自転車/マラソン
 
「カモ旅」に千葉県総合企画部東京オリンピック・パラリンピック推進課で、南房総自転車競技PR動画「The Awa Region Chiba,Japan」が紹介されていたので、紹介まで。

鴨川に本拠地を構える女子ロードレースチーム、「チェリージャパンCherry Japan」の製作された映像みたいです。2020年東京オリンピックで女子のロードレースでメダルを取る事に結成されたクラブチームです。




https://www.youtube.com/watch?v=r03dHIKmdWM


東京から90分でこんな場所があるんです。南房総にいらっしゃい!!


ちなみに、オリンピック競技に正式に決まったサーフィン。千葉県が有力候補地とされていますが、上総一ノ宮、御宿、鴨川などが誘致にしのぎを削っています。


[[youtube:9Gs-QaEZECQ]]

https://www.youtube.com/watch?v=9Gs-QaEZECQ

私は鴨川押し!!
宿泊施設のキャパも有りますし、海の幸の山の幸も美味しい。
マルキポイントはいつも良い波が立ってます。