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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

統合政府で借金は相殺される・・・タチの悪い嘘

2017-09-21 07:59:00 | 時事/金融危機
 

■ 高橋洋一氏の「「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…」という記事が流行っているらしい ■



元財務官僚の高橋洋一氏の「「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…」という記事が各所で取り上げられています。

要約するとこんな感じでしょうか?

1) 日本政府の負債は1000兆円有るが、資産の額も十分に大きい

2) 現預金19兆円、有価証券129兆円、貸付金138兆円、出資66兆円、計352兆円が
   比較的換金可能な金融資産

3) 上記の他に政府の関係会社の試算を合わせると200兆円程度

4) 負債から公的年金預かり金などを抜くと、ネットの国債残高は490兆円程度

5) 日銀の試算の中の国債は328兆円

6) 日銀と政府を統合政府と考えると、国債は相殺されて日本政府の国債発行残高は
   150兆円から200兆円程度だろう


とまあ、こんな感じで、読んでいると本当に日本政府の借金が消えてしまう気がしてきます。

■ 現金化し易い政府の試算とは ■

これに関して若干の疑問が生じます

1) 政府保有の有価証券129兆円は、ほとんど米国債で現実的には売却出来ない。
   売ったらアメリカが激怒するし、米国債金利が跳ね上がって世界経済がお陀仏。

2) 金融資産の内訳は政策投資銀行(旧日本開発銀行)やUR都市機構(旧住都公団)
   などの特殊法人、独立行政法人に対する貸付金、出資金。これらを民営化すれば
   現金化が可能。

   これも暴論で、民間では採算の取れないが公共性が高い事業が特殊法人では?
   これらの特殊法人への政府の貸付を貸し剥がして事業が存続できるとも思えず、
   民営化しようにも、株がまともな価格で売れるかも分かりません。

   さらに、理化学研究所や宇宙開発事業団の様に国家機密に近い技術を扱う特殊法人は
   単純には民営化は難しいのでは?

   中には、確かに不要な特殊法人もあるので、これらは事業を止めて資産を売却すれば、
   いくらか現金化は可能かとは思いますが。


3) 上記の理由により、現実的に換金可能な国家の資産は352兆円よりは大幅に少い?
   ただ、日本が本当に財政破綻した場合は、IMFが乗り込んで来て、優良な資産や事業
   から外資にたたき売りされる可能性は否定出来ません。

いずれにしても、高橋氏の主張は、特殊法人一つ一つの役割や、資産価値や、売却した場合の影響などは無視して「天下り先の確保」とレッテル張りするという「印象操作」でしか無い様に感じます。

どうも、元財務官僚という肩書で、世間の方達は高橋氏の言う事を検証もせずに鵜呑みにしすぎでは無いか?

■ 統合政府の借金は相殺できるのか? ■

「日銀保有の国債は、日銀が政府の子会社だから連結ベース相殺される」・・・これは三橋貴明氏も影響を受けた高橋氏の十八番。

これに対して、金融関係者から指摘があります。

1) 日銀の国債保有を支えているのは日銀の当座預金
2) 日銀の当座預金は民間銀行の預金で支えられている
3) 民間銀行の預金は民間銀行の負債であり、国民の資産
4) 連結ベースで国債が相殺されるとするならば、預金という国民の資産はどうなるのか?


これ、分かり易い様で分かり難い説明ですが・・・


1) 国民が預金を引き出す
2) 金融機関は日銀にブタ積みしていた当座預金を減らす
3) 日銀は当座預金の引き出し額に応じて資産である国債を市場で売却する
4) 統合政府のバランスシートから売却された分の国債が外れ、
   政府の純粋な負債になる

まあ、実際には、こういう事が景気回復局面で発生する訳です。

■ 異次元緩和の成因は、延々に経済成長しない事 ■

1) 景気回復で日銀当座預金が減り始めたら、日銀は国債やその他の資産を売却する
2) 日銀の国債売却で国債市場の需給関係が崩れ、国債金利の上昇が始まる
3) 景気回復局面では市中金利も上昇しているのでゼロ金利で国債の買い手は居ない
4) 国債金利が上層すると、ゼロ金利やマイナス金利の国債保有で含み損が生じる
5) 地方銀行やゆうちょ銀行、信用金庫など資産に低金利の国債を抱える金融機関で
   支払い金利との間に逆ザヤが生じ、経営が一気に悪化する

「経済成長=出口」な訳ですが、新発国債のほぼ全量を日銀が買い取っている現状で「出口」は地獄へ直結しています。

こうならない為にFRBもECBも金融の正常化を模索している訳で、日銀が出口の目標にしている「2%の物価上昇」が実現したら、日本の国債需給は破綻してしまいます。

異次元緩和に突入した時点で、日本は「経済成長しない」、あるいは「経済成長させない」と財務省と日銀は決めたのでしょう。だから、景気回復局面で消費税増税をぶつけて来る。

これが悪い事かと言えば・・・極端な少子高齢化が進む日本では、この方法でしか財政が維持できないと私も考えています。


■ 永遠のフリーランチはあり得ない ■

現在の日本は、ゼロ成長、或いはマイナス成長と引き換えに「財政のフリーランチ」を手に入れています。

しかし常識的に考えれば「永遠のフリーランチ」などは有る訳がありません。もしそれが成立するのなら、「政府通貨による無税国家」が出来上がります。

■ 財政の拡大がインフレを生み難い日本 ■

現在の日本は財政の拡大ペースと、インフレ率の上昇ペースが乖離しています。

1) 財政支出の拡大分の多くが老人福祉に充てられる
2) 老人福祉の拡大に伴い、公共事業などは縮小
3) 年金など老人に支給された資金は最低限の消費の他は預金と投資に向かう
4) 老人の預金は最終的に日銀の当座預金に積み上がり国債金利をゼロ近傍に押し下げる
5) 投資に回った老人の資金は、金融市場を通して海外に流出し日本の景気を刺激出来ない


この様に超高齢化の日本において、政府支出の拡大は必ずしも景気拡大に貢献出来ません。

■ 低金利が民間の投資を抑制する ■

さらに金利が抑制された経済では「低金利の罠」が生じます。(私の造語ですが)

1) 金利が低すぎる水準では銀行の貸し出し金利とリスクのバランスが崩れる
2) 銀行は低すぎる金利では融資出来ないので、資金需要があっても投資は加速しない
3) 何等かの理由で景気拡大が始まるまで「低金利の罠」が循環する


■ 日本の特殊事情がフリーランチが永続すると錯覚させる ■

1) リフレ政策が日本においてインフレ率を上昇させられ無い事が異次元緩和で証明された
2) 短期的にはマネタリーベースを異次元に拡大しても金利上昇の心配は要らない
3) 一方でマネタリーベースは拡大し続けている
4) 拡大したマネタリーベースはダムに溜まった水の様に位置エネルギーを蓄えているが、
   実際の力学的な仕事はしていない

現在の日本は、ダムにマネーを満々と貯めている状態。ダムとは政府と日銀の「統合政府」。そして水をせき止めているのが「ゼロ成長」。

仮に「ゼロ成長」という堰が決壊したならば、ダムの水のエネルギーは解放され、それは悪い金利上昇となって日本の経済を襲うはずです。

そうなる前に貯水量を減らしたい所ですが、水位の限界を超えたダムはほんの少しの水漏れからも決壊します。

何等かの方法で水位を減らすとするならば・・・蒸発しか無い。それって米国債購入だったりして、或いは安倍総理の海外でのバラマキ。


本日は高橋洋一氏の人気記事に妄想で対抗してみました。高橋氏にしてみれば相手にするまでも無い素人考えですが・・・。

自民圧勝後に分裂が深まる自民党・・・内部崩壊

2017-09-20 11:49:00 | 時事/金融危機
 

■ 既に安倍政権内部はガタガタ ■

自民党大勝で、安倍首相の求心力が高まるハズですが・・・・

実はチーム安倍は既にガタガタの状況です。第一次安倍政権から安倍首相を支えた通産省出身の今井尚哉首相秘書官と、外交問題を仕切って来た谷内正太郎国家安全保障局長が決定的に対立しています。

外交問題は本来は外務省の牙城ですが、そこに今井氏が割り込む形で洞爺湖サミットの首相スピーチで「リーマンショック前夜に似てい」と言わせたり、北方領土返還交渉を仕切ったりしていた。

特に北方領土問題は、プーチンが返還の条件として、北方領土に米軍基地の建設はあり得ない事を名言していたのに、今井秘書官はこの問題を外務省や米国と調整する事無く、返還交渉を進めてししまった。

これには外務省も谷内氏も怒り心頭だったらしい。日米安保条約の密約では、米国は日本のどの場所でも米軍基地を建設する事が出来る事になっているので、北方領土が2島でも返還されたならば米軍がそこに基地を作らないはずが有りません。

結局、プーチンが来日した際に最終的に「米軍基地を作らないか」と確認し、谷内氏が「その約束は出来ない」と返答して、返還交渉は決裂します。(プーチンは知っていたはずですが・・・安倍首相から経済支援を取り付ければOKだった)


■ 安倍首相の腹心が匙を投げた ■


北方領土問題で完全に政権に見切りを付けた谷内氏は辞任していますが、菅官房長官も、麻生副総理も今井氏を苦々しく感じていた・・・らしい。

政権内部で不況和音が成り始めた事を気にして、安倍首相が今井氏に自重を促したと報じられています。これに今井氏がキレて「辞めてやる」と発言したとか、しないとか・・・。さらに、記者相手の今井氏の愚痴が、何故な自民党内にリークして報道もされています。

そんなこんなの政権内の綻びが、森友学園や加計学園問題を拡大してしまったとも言えます。今井氏はこの件を甘く見て、最初は首相に強気の答弁をさせますが・・・官僚達は少々の姿勢に忸怩たる思いがあったのでしょう・・・。

尻拭いを押し付けられた菅官房長官も「やってられねぇー」と内心思っているとか、いないとか・・・。

■ 組閣で安倍首相がバランスのとり方を間違えると・・・ ■

先の内閣改造では麻生派の入閣者が少なく麻生氏が不機嫌だったと伝えられていますが、今度の組閣で安倍氏がバランスを取りそこなうと、またぞろ、森友・加計学園で不都合な新事実が出て来るかも知れません。

選挙に勝ったのに、政権はガタガタ・・・そして何故か首相辞任に追い込まれたりして・・・。誰が漁夫の利を得るのか・・・・妄想は膨らむばかり。



「大儀なき選挙」・・・国民が「大儀」も「目的」も持っていないのだから当然

2017-09-20 10:50:00 | 時事/金融危機
 

■ 「大儀無き解散」は戦略的に正しい ■

次の臨時国会冒頭で衆議院の解散が宣言される事が確実になっています。

1) 森友、加計問題を野党に追及されれば安倍政権の支持率はダダ下がり

2)北朝鮮がタイミング良くミサイルを発射してくれたので安倍政権の支持率が回復している

3)都民ファーストの党の国政参加の準備が整うと、自民党の表は喰われる

4)民進党から離脱者が続出している状況で自民には有利

5)野党共闘体制が整う前に解散総選挙に打って出てる


「森友、加計問題から逃げる為の解散だ!!」とか、「大儀無き解散だ!!」などと野党は非難していますが、野党が先の国会で安倍首相を追い詰める事が出来なかったのが敗因です。

いえ、「加計学園の工事費水増」という決定的な不正を敢えて見過ごした民進党は、本気で安倍政権を打倒する気も、政権を狙う気も始めから有りません。

野党がこの状態ですから、自民公明党で衆議院の2/3以上の議席を確保できる可能性が有る今、解散総選挙に打って出るという判断は「民主主義の戦略」的には正しい。

■ 国民不在の選挙 ■

今回の選挙、明らかに憲法改正の発議の為の議席確保を目的にしていますから、「国民の信を問う」のなら、「憲法改正の是非」を争点に据えるべきです。

しかし、自民党は「消費税増税を「子育て支援」や「教育援助」に充てる」という人気取りの政策を前面に掲げ、一方野党は「森友・加計で国家を私物化した安倍政治を許すな」と叫ぶでしょう。

一方、有権者の一部は今回の選挙が「憲法改正発議の分水嶺」だと理解していますから、与野党の政策に関わらず、信念を持って投票するでしょう。

結局、与野党の公約は「憲法改正なんてどうでも良い」と思っている無党派を中心とする層をどう取り込むかが焦点となります。

自公は憲法改正に否定的な高齢者層で取りこぼす分を、子育て世代の票で埋めようという線らy九でしょうか。

野党は「森友・加計」問題しか攻めるポイントが無いので、この一点突破でしょうが、国民はこの問題に既に興味を失いつつあります・・・。むしろ、「森友・加計問題で国会を空転させて、北朝鮮への対応を遅らせているのは野党だ!!」という空気を作り出す事に産経新聞やネトウヨは成功したと私は見ています。


■ 選挙前に北朝鮮はもう一回ミサイルを発射する ■

現在、安倍政権の最大のサポーターは北朝鮮の金正恩ですが、彼は選挙投票前の絶妙なタイミングでもう一回ミサイルを発射すると私は妄想しています。

今度はお金が勿体ないから、ノドンを日本の排他的経済水域の直近か、或いはインパクトを狙ってその内側に打ち込むかも知れません。

これで一期の世論が「北朝鮮の脅威に対抗するには自民党に投票するしか無い」となり、雪崩を打った様に自民党が圧勝すると妄想しています。

選挙後に開催される国会では「森友・加計問題で国会を空転させている場合では無い」という空気が醸成され、野党の追及も及び腰となるでしょう。

■ 加計学園獣医学部の認可が下りる ■

「選挙で安倍首相の疑惑は晴れた」と自民党が強引に主張する中で、大学設置審議会は10月末の加計学園の設置認可を下すでしょう。朝日新聞や毎日新聞が多少追及するでしょうが、「公正な判断において」という枕詞で片付くはずです。

■ 国民が「大儀」を有しないのだら、選挙に「大儀」の出番無し ■

このまま選挙に突入すれば、自民党が圧勝するばかりで無く、多くの国民が疑念と怒りを覚えていた「森友・加計学園問題」にも、一応の幕引きがされるでしょう。

これは国民としては???の状態ですが、「森友・加計学園問題を許さない!!」と思う人は、選挙で自民党、公明党意外の候補者、それも当選しそうな候補者に票を入れれば良いだけ。それが民主主義です。

しかし、往々にしてメディアに踊らされて「安倍政治を許さない!!」なんて飲み屋で毒づいてる人程、選挙に行きません。

結局、国民の多くの投票行動は「自分にとって利益があるかどうか」であり、「安倍政権の方が野党連立政権より経済政策においてマシ」と判断するならば、野党に積極的に投票する事はありません。せいぜい、選挙を棄権して積極的に自民党を支持しなかったと自分を納得させます。

そもそも、「大儀無き選挙」と言われても、国民の多くが「何が大儀なのか分からない・・・」。



「憲法改正」を大儀だと認識しているネトウヨの方達は、今回の選挙は重要な意味を持ちます。或いは「戦争反対」を貫く左翼の方達にも・・。


一番問題なのは、「戦争反対」と考えていながらも、創価学会の方針で自公の議員に投票する学会員の方達なのですがね…。尤も、彼らの大儀は「創価学会の繁栄」ですから、間違いでは無いのですが・・・。


こうして、多くの無関心と、熱意と、惰性によって良くも悪くも日本の未来が決まって行くのでしょう。

憲法9条なんてゴミ箱行きだ・・・むしろ改憲を餌に国益が失われている

2017-09-19 12:22:00 | 時事/金融危機
 

■ 憲法9条は日本側の発案で加えられた ■

1) 日本国憲法は第二次世界大戦後に日米合作で作られた
2) 憲法9条(非武装宣言)は当時の総理大臣、幣原 喜重郎の発案で付け加えられた
3) 「日本は軍隊を持てなくなるが良いか?」と聞かれ、幣原は「良い」と答えた
4) 幣原はマッカーサーに「憲法はアメリカが押し付けた」という形を取らせた

「憲法9条はアメリカの押し付けである」と考えている人は多いと思いますが、9条は日本側が付け加えた条項です。幣原は後の記者とのオフレコの取材でこの経緯を明らかにし、その録音テープが残っています。

武装宣言が正気の沙汰か。それこそ狂気の沙汰だという結論は、考えに考え抜いた結果もう出ている。要するに世界は今一人の狂人を必要としているということである。何人かが自ら買って出て狂人とならない限り、世界は軍拡競争の蟻地獄から抜け出すことができないのである。これは素晴らしい狂人である。世界史の扉を開く狂人である。その歴史的使命を日本が果たすのだ。

幣原は取材の中でこう語っています。彼は「非武装宣言」が「狂気の沙汰」だと認識していましたが、世界がこれに同調するという夢を抱いていました。・・・ただ、夢は夢でしか無い。現実は違いました。

■ 「非武装宣言の夢」が憲法9条の改正を拒んだ ■

「先の戦争が日本の侵略戦争だったのか?」という問いはひとまず保留したとして、戦後の日本人が「二度と戦争はしたく無い」と考えた事は多くの人が認める所でしょう。

「二度と戦争を起こさない」という国民の決意が憲法9条であり、それ故に憲法9条は不可侵のものとなります。

一方、現実的には朝鮮戦争の勃発や、東西冷戦のエスカレートなどにより日本の再軍備は不可欠となり、警察予備隊から自衛隊が出来ます。

1) 憲法で「非武装宣言」をしながら「軍隊(自衛隊)」を持つ事は法学的には「違憲」
2) 「軍隊」を「自衛隊」と称し、「軍隊では無い」とする事で法の矛盾を回避
3) 本来なら「改憲」して「非武装宣言」を撤廃する事が法学的には正しい

「法学」的には「憲法改正」が正しい選択ですが、当時の日本人は「非武装宣言の夢」に浸っていました。一般的には「戦争の反省」と言われますが、戦争を知らない世代にとっては世界に類を見ない「憲法9条(平和主義)」は、日本人の誇りであり、アイデンティティーになってしまった。

■ 憲法9条が有ると何が困るのか? ■

1) 憲法9条(非武装宣言)が有ると自衛隊は違憲となる
2) 憲法9条の存在は、有事を前提とした法律と「法学的な矛盾」を生み出す
3) 「矛盾」を回避する為に「有事法制」や「自衛隊法」に曖昧さが残る
4) 憲法9条が有る限り、「先制攻撃」を前提とした法整備が出来ない
5) 憲法9条があるので、「有事」を想定した法整備に制約が掛かる

6) 有事に際し「特例」や「解釈」の乱発で法体系が乱れる
7) 「特例」や「解釈」を巡り国家で無駄な時間が費やされ、「即応性」が失われる

8) 有事に際し、現在の自衛隊法では「現実的な戦闘」が不可能
9) 戦闘に際し現場の指揮官が「違法の決定」を下す必要があり、現場の負担が大きい


「北朝鮮の脅威」云々の前に、「自衛隊=軍隊」を持った時点で憲法9条は廃止するのが「法学」的には正しい。そうしないと有事に「特例」や「解釈」が横行する事になり「法治国家」の根本が崩れてしまいます。さらに「特例」や「解釈」を巡り国会紛糾し、「現場指揮官の違法の判断」と言う負担が戦闘に影響を与えます。

まあ、小泉首相ぐらいになると「自衛隊が居る所が非戦闘地域です」なんて方便もシャラリと言ってのける訳ですが、これも毎回は通用しません・・・てか、これでは法律なんて有っても無くても同じになってしまいます。

■ 「専守防衛」は不要 ■

1) 武装は最大の戦争の抑止力である
2)「先制攻撃される危険性」は、相手の先制攻撃を抑止する

安全保障の大原則は「やられたらやり返せ」と「やられる前にやれ」です。
平和ボケした日本人には分かり難いかと思いますが、「力の均衡」こそが戦争を抑止します。

戦争とはいつでも「力の均衡の破綻」から起きます。相手が反撃して来ないと分かっていれば武力行使のハードルが下がるからです。

■ 「集団的自衛権」は不可欠 ■

1) 国連は集団的自衛権を認めている(むしろ推奨している)
2) 武力の均衡を保つ為に集団的自衛権は不可欠である

安倍政権は閣議で集団的自衛権を認めていますが、これは世界の常識です。これを認めなければ「日米安保条約」も憲法違反になってしまいます。

■ 「安全保障のタダ乗り」は国際的には許されない ■

1) 「いざとなったらアメリカが守ってくれる」は「安全保障のタダ乗り」である
2) 「安全保障」と「集団的自衛」の基本は相互の負担

「日本は憲法によって戦争が出来ないが、いざとなれば日米安全保障条約でアメリカが守ってくれる」という考え方は利己的であり、アメリカ人から見れば「ハァー、ファッキン ジャップ!!」となる訳です。

戦闘となればアメリカの若者の命が失われ、アメリカ人の税金が使われるのですから当然です。

■ 「アメリカの戦争に駆り出される」は本当 ■

1) アメリカは戦争における自国の負担を軽減したい(人的被害と経済負担)
2) アメリカの同盟国はアメリカの戦争に付き合ってきた(NATOや韓国やオーストラリア)
3) 「アメリカの利益=自国の利益」であるとき同盟国は戦争への参加を躊躇しない

現実の世界のNATO加盟国やその他のアメリカの同盟国は、アメリカの戦争に日常的に付き合っています。その理由は「アメリカの圧力」だけで無く「利害が共通」するからです。

例えば、中東での欧米の影響力が低下した場合、中国やロシアがそれを奪うかも知れません。

■ 「アメリカに武器を買わされる」のは本当だが、今も大して変わらない ■

1) アメリカの輸出品で競争力を持つのは武器(と戦争)
2) 米軍と共同作戦を取る時、データリンクなどの点で米国製武器だと便利

3) 日本は対米輸出の見返りに米国債か米国製品を買うのが当然だとアメリカは考えている
4) 日本の主権者はアメリカなので逆らえない(現実的に)

・・・異論も多くあろうかと思いますが、現実を直視すれば、今でもそうなっています。

■ 戦争は経済的理由で、いつでも、どこでも起こされて来た ■

1) 戦争は経済の大きな危機や失敗を誤魔化す手段として古来より常用されて来た
2) 世界の構造を変革する時、戦争は有効な手段として利用されて来た(特に近代)

日本人が好むと好まざるに関わらず、東アジアで戦争が起きる可能性がゼロではありません。むしろ、リーマンショック以上の金融崩壊や経済システムの崩壊が起きれば、戦争で誤魔化される可能性が高い。

■ 憲法9条を堅持していても日本は東アジアの戦争に巻き込まれる ■

1)  北朝鮮に限らず、中国もロシアも憲法9条があろうが、無かろうが、
   彼らが戦争を欲した時に、躊躇無く日本に武力行使する。

2) 往々に戦争は「偶発的な仕掛け」で始まる。
   「盧溝橋事件」や「トンキン湾事件」など、戦争はいつでも「ヤラセ」で戦争は始まる。

3) 国内の政治的混乱の解決策として戦争は良く使われる

「憲法9条が有るから」「日本は平和主義」だからと言っても侵略の意思の有る者には何の意味も持ちません。彼らは「侵略のメリット」と国際的な経済制裁などの「デメリット」を秤に掛けて、戦争をするかどうかを決めます。

平和の時には戦争のデメリットが大きく、有事には戦争のメリットが大きいと判断するだけ。

■ 民進党には安倍政権を打倒する意思は無い ■

仮に民進党が憲法改正を断固阻止するのであれば、加計問題を国民に分かり易く説明し、国会で安倍政権を追い詰めれば出来た。

しかし、民進党は加計学園の建築費水増しと補助金詐欺という決定打を敢えて封印してしまった。何故なら・・・民進党は憲法改正を否定しないから・・。

表向きは支持母体の労働組合の顔色を伺っていますが、前原氏や野田氏などは過去の言動からも何故民進党に居るのか理解に苦しむ人達です。彼らは自民党の別動隊に過ぎない。だから「失敗」を繰り返して、民進党を中から瓦解させている様にしか見えない。

■ 改憲を餌に漁夫の利を得るアメリカ ■

北朝鮮が挑発を繰り返す中で、世論はいつに無く憲法改正に前向きです。(その為にいくら払ったか・・・ゲフン、ゲフン・・・)

麻生副総理は早期解散に積極的と言われていますが、多分、麻生氏は憲法改正など選挙のエサに過ぎないと考えている・・・。私は森友、加計問題は、解散総選挙後に新事実が出て、再び安倍政権がピンチになると予想します。そして憲法改正も出来ない・・・。

後は漁夫の利を誰が得るのか・・・そこに興味が在ります。陰謀論者としては・・・。


私は憲法9条などさっさと捨ててしまえと考えていますが、しかし、アメリカはそれを認めないと妄想しています。だって、それを餌に安倍政権から色々なものが引き出せるのですから・・・。

そして、憲法9条が有ろうが、無かろうが、東アジアで戦争が始まれば、日本は否応なく巻き込まれるしか選択肢は無いのですから・・・。

陰謀論者からするとネトウヨは素直過ぎる・・・もっとシタタカになろうよ。

2017-09-18 05:00:00 | 時事/金融危機
 

■ 意外に浸透しているネトウヨ言論 ■

先日、同世代の知り合い数人と飲んでいた時の事、ネトウヨ言論の影響を意外に強く受けている方達がいらして驚きました。昔は飲み会の席で政治的な話などはしなかたのですが、北朝鮮問題から彼らは韓国・中国批判を熱く語り始めました。

結構、韓国人の事や中国人の事を汚い言葉で罵っていまいたが・・・常識的な社会人からすれば「公共の場」で隣国の事をあまり悪く言うのはどうなの?

彼らの主張は「相手が日本人の事を嫌いなのだから、日本人が彼らに良くする必要は無い」という点に集約されます。

かく言う私も、20年程前はSAPIOなんて雑誌を読んで「今まで自分は騙されていたんだ」ってショックを受けたりもしました。(今ではもっとヒネクレて世の中を見る陰謀論をこじらせていますが・・・。)

■ ネトウヨの方達は素直で洗脳され易い? ■

私は「憲法9条なんてゴミ箱行きだ」と考えていますが、一方で憲法改正を声高に叫ぶネトウヨの方達とは思考の根本で異質なものを感じています。

彼らの思考の原点は「日本の為」「日本の優位性を認めさせる為」だと思いますが、陰謀論者である私は「日本が他の国と比べて優れている証明」なんてツメの先程の興味もありません。ただ単に日本と世界の現状と、その裏に隠れている決して表に出る事の無い「真実?」を妄想して楽しみたいだけ。

私から見ると、ネトウヨと呼ばれる方達は「素直」に見える。地政学的には隣接する国家同士を反目させる事は鉄則であり、その意味において英米は日本と韓国、北朝鮮、中国、ロシアの接近を好みません。ですから、お互いの敵意を煽る。

かつては新聞やテレビがプロパガンダに利用され、現代ではネットがその役割を担います。発信力の有る人物が「ネトウヨ言論」を展開すると、感化される人が少なからず出てきます。

私は所謂ネトウヨと呼ばれる人達は「素直」なのだと考えています。誰かが準備した「自分達に気持ちの良いストーリー」を疑いも無く受け入れてしまう。これは一種の「マインドコントロール」ですが、人は自らに都合の良い物語を好みます。



「陰謀論者のお前にだけは言われたく無い!!」と言われそうですが・・・。