習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『バッテリー』

2007-03-03 12:24:58 | 映画
 これをありきたりだ、と言うならばどうぞご自由に。この素晴らしい映画が理解できないつまらない人間はほんとに可哀相だ。この映画には、生きていくうえで一番大切なものが確かに描かれている。その事実はゆるがせない。そしてそれは何物にも換え難い宝物だ。あまりに素敵で、興奮する。  とても懐かしい風景の中で、昔ながらの子供たちが描かれていく。その純朴な姿を見ているだけで胸いっぱいになる。だからといって、これ . . . 本文を読む
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『となり町戦争』

2007-03-03 11:30:45 | 映画
 原作通りに映画化しているにも関わらずオリジナルのテイストが全く生かされていない。何も起こらないのに、この町では戦争が既に起きており、自分もまたそこに巻き込まれている。平穏な日々の繰り返しだが、どこかで戦死者が出ている。公報には事故死者と並んで戦死者の欄がある。  香西さん(原田知世)という役所の女性が窓口になり、自分(江口洋介)もまた召集され、実感もないまま戦争に参加していく。  映画と小説 . . . 本文を読む
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『善き人のためのソナタ』

2007-03-03 10:51:12 | 映画
 とてもいい映画だと思う。しかし、この生真面目さは見ていて少し疲れるのも事実だ。こういう一本調子の映画を敢えて作ってしまったところに作者の若さを感じた。もちろんそれは見ていて心地よいものでもある。老練の演出家なら、怖くてこういう作り方はできない。  ただ、見ていて、彼がなぜ党に刃向うような行為をしたのかが、これでは納得がいかない。理屈としては解っても、これだけの理由では説得力を持たない。何が彼の . . . 本文を読む
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