ジェット団とシャーク団の2プログラム。それぞれ2話からなる1時間ほどの作品だ。今回のevkk(エレベーター企画)は月眠ギャラリーというスペースを使って横長のアクティング・エリアに5人の役者たちを並べ、動きも最小限に抑えて語り聞かせのスタイルを取る。照明は5人がそれぞれ自分のランプスタンドを使って、音源は、膝の上の置いたラジカセによる。
最初に見た2本(ジェット団)は今までのevkkではあまり . . . 本文を読む
昨年の東京国際映画祭では『ジュリエット』というタイトルで上映された『茱麗葉』を例によってノースーパーで見る。3話からなるオムニバス。監督はホウ・チーラン(侯季然)〈第1話「ジュリエットの選択」〉と シェン・コーシャン(沈可尚)〈第2話「ふたりのジュリエット」〉そして、『熱帯魚』や『ラブゴーゴー』のチェン・ユーシュン(陳玉勳)〈第3話「もうひとりのジュリエット」〉の3人。
これは期待に違わぬ傑 . . . 本文を読む
南陽子さんの新作である。前作『純喫茶』がとても素敵な作品だったから、今回の本格的長編にも期待が高まる。彼女の人間観察力って、なかなかのもので、芝居は、お話であることよりも、どんな人間が、どんなふうに他者と関わり合うのか、そこにポイントが置かれる。そんな彼女の視点が大々的に前面に出たのが、今回の作品であろう。だって、タイトルからして、『観察日記』である。話も人間ウォッチングである。好きになった女の . . . 本文を読む
『アンダーグラウンド』と言えばまず、村上春樹であり、エミール・クストリッツァであろう。中村賢司さんはこのタイトルのもと、3・11を演劇で見せる。始めは幼児虐待の話である。自分は正しい行為だと信じて、子供を傷つける母親。彼女は自分も同じように母親から体罰を与えられて成長した。だが、それは愛情表現だと信じる。果たしてそうなのか。これは明らかに負の連鎖だ。彼女と医者とのやりとりが緊張感のある会話劇として . . . 本文を読む