これはなんとも辛い映画だ。見ていて暗澹たる気分にさせられる。映画自体は、このストレートなタイトルそのままの内容なのだが、詩的で美しいだけの映画ではない。ちゃんとシビアな現実を突きつけて来る。そこがしんどいのだ。
借金を抱えて、行き場のない夫婦が、住む場所、働く場所を求めて車に乗って日本中を旅する。だが、50代後半の男にはどこにも仕事はない。ハローワークに通い詰めるが、どこでも断られる。しかも . . . 本文を読む
摑みどころがない映画だ。孤独な少年の姿を追う。彼の内面の軌跡を見せて行く。彼の今ある姿を、ただ何の説明もなく見せるから、よくわからない。状況はわからないまま、ただ、彼が行動する後を追いかける。人間関係もわからない。だいたいこの『ヘッシャー』(これがこの映画の原題だ)って何者なのか? 最後まで見てもわからない。だが、最初の出会いのインパクトは大きいし、その後彼が少年につきまとい、家ま . . . 本文を読む
これは『チーム』の続編だ。前作は箱根駅伝の学連選抜チームを描いたが、今回は神奈川県知事の肝いりで開催される東海道マラソンを舞台にして、世界新記録に挑む運営サイドの物語。
知事からの特命を受け、かって箱根に出たという経験を持つだけの一介の県職員である音無が、大会全体の企画運営を任され、さらには、そこで、日本人ランナーによるマラソン世界新記録の樹立の達成も任される。そのためなら、どんな方法を使っ . . . 本文を読む