最初は『地獄の黙示録』の韓国版か、なんて思った。だが、これはそんな単純な映画ではない。コッポラがベトナムを描いたあの映画は多分に観念的な代物で、それは仕方がないことだ。だが、この映画は入口こそ分かりやすく『地獄の黙示録』しているが、その先はどんどんリアルなものになる。最前線で生きる兵士たちが、生きのびるために、何をどうするのか。それが様々な次元から描かれる。俗っぽいエピソードもある。だが、そんな . . . 本文を読む
スピルバーグがこの映画に賭ける意気込みは十分に伝わってくるのだが、リンカーンという男の生きざまのほうが今一歩伝わらない。この状況の中で奴隷制度廃止法案を通すことがどれだけ大切なことなのかが分かりにくい。南北戦争終結の前に法案を通さなくてはいろんなことがうやむやになる。何が何でも譲れない地点をそこに設定し、映画もまた、その一点へと収斂していくように作られてある。だが、それを成し遂げるための権謀術数 . . . 本文を読む