平田オリザの今回の新しい挑戦は、ロボット演劇ではなく、「ロボットの登場する普通の演劇」というコンセプトである。この発想の転換は大きい。「世界初のロボット演劇」を目指すのではない。もちろん結果的にそうなっても、それはそれでいい。
平田さんは殊更ロボットに上手な芝居をさせて、それをみせようとはしない。これは見世物演劇ではないのだ。登場人物の中にさりげなくロボットを混ぜて、ロボットが人間と共生する . . . 本文を読む
唐十郎のいない唐組芝居を紅テントで見る、って初めての経験だ。ただそれだけでなんだか異様な気分だ。たとえどんな作品であろうとも、そこに唐十郎がいるだけで、紅テントは成立する。そんなことに改めて気づく。近年の唐組の芝居は、唐十郎の体調のせいなのか、上演時間がどんどん短くなり休憩時間込みで1時間20分(実質1時間強)なんていう作品もあった。それでも、唐さんが出るだけで作品は引き締まる。一時期はもう紅テ . . . 本文を読む
仇討法が施行される世界を描いた『フリージア』を見た直後だったので、予算の違いもあるけど、この作品が必要以上に興味深く見れた。メディア良化法の下、書籍への検閲が罷り通る世界で、その暴力に抵抗するため図書隊が設立されたという世界が舞台となる。焚書坑儒の歴史を踏まえて言論の自由が微妙に歪められた世界にどれだけリアリティーを与えることができるのかが、この作品の成否のポイントとなる。
佐藤信介監督もそ . . . 本文を読む