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映画・演劇のレビュー

ババロワーズ 『ショートショート・カタログVol:9 ゴールデン・ベストの巻』

2015-12-28 22:11:31 | 演劇
とうとうファイナル。9か月続いた公演の最後は、なんと3日間、4ステージ。しかも、4公演とも違う演目。そこまでやるのか! と呆れるやら、感心するやら、のけぞるやら。もうどうとでもしなさい、というしかない。だから驚かない。

これまでは毎回1ステージ限りで8か月、ここまで頑なに最初に決めたスタイルを貫き続けてきた。まさに一期一会。その日を逃すともう見られない。毎月第4土曜日、午後5時。頑なにその約束を守ってきて、8ヶ月。なのに、ラストは4ステである。おいおい。

9ヶ月で50本のショートショートを書く、という約束でスタートした。9ヶ月、欠かさず見る、つもりで、劇場に通った。(実は8月、旅行で見逃した。けど、後はみんな見た!)でも、最後の最後で、怒濤の4ステージである。とてもじゃないが、見に行けないし。これはきっと、全部見るなんていうバカなことはしないほうがいいよ、という企画なのだろう。それもまた凄い。普通なら1本も欠かさず見てくれ、というのが作り手のスタンスのはずなのに、いや、そこまでしなくてもいいよ、というのが、たかせさんスタイルか? それもまた潔いではないか。

今回の『Vol:9 ゴールデン・ベストの巻』は、4ステージで各1本ずつ新作を披露、他の4本はこれまでの中からセレクトした作品を再上演した。僕が見たのは、土曜の夜の回。(これまで7ヶ月、この時間を開けてきたことだし)

新作は最初の1本。『カレーの王子様』。相変わらず無駄にバカしている。摑みとしては、ばっちりの作品なのだが、なんだは、これだけで、終わるのは虚しい気も。

その後の4作品は、いずれもよく出来ている。さすが、ゴールデンベスト、である。この回のプログラムは全体的にばかばかしい作品が並んだ。それだけに4本目の『花火』にはほっとさせられる。だが、暴れまくるその他3作品の完成度の高さは言うまでもない。

それにしてもこの1年、よく書いたなぁ、と改めて感心する。(プログラムに並んだ他の番組のオーダーも、なるほど、と唸らされる)

今回のインターバルは役者たちとの対談。たかせさんがリラックスして、みんなと楽屋話や雑談に花を咲かせる。もう書き終えて、ほっとしている。お祭りの最後はなんだか、少し寂しい。それにしても、こんな無謀な企画をよくやり遂げた。次は、また、いつもの長編で、以前とは違うババロワーズを見せて欲しい。今からその日が待ち遠しい。

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