『凶悪』で観客である僕たちを震撼させた白石和彌監督の新作だ。今回も2時間15分に及ぶ大作で、(実は上映時間は2時間40分くらいあったらしいが、ファイナルカットでこの時間にしたらしい)主人公の警官の年代記になっている。
真面目で柔道しか取りえにない男(綾野剛)が、先輩に唆されて(悪魔のような優しい先輩は『凶悪』でも悪魔を演じらピエール瀧だ!)正義のために犯罪に染まる . . . 本文を読む
児童文学の棚にあったのだが、そこはそれ。魚住直子という名前に過剰に反応して、すぐに本を手に取る。彼女の新作なら読む。『非バランス』の頃からのファンだ。『園芸少年』も大好き。今回もどこにでもあるようなお話で、もしかして、以前読んだのか、と思うくらいにありきたりなストーリーなのだが、すばらしい。大林宣彦監督の不朽の名篇『転校生』の昔から、というか、(原作は山中恒の児童文学の名作『おれが . . . 本文を読む
たまたま『クリーピー』と同じ日に見てしまった。こんなにも同じ話の映画をたまたま続けて見ることになるなんて。一家惨殺事件の残された被害者である少女、そんな彼女のその後を描く。でも、アプローチがまるで違うから、かぶらない。どちらも傑作である。
こちらは『サラの鍵』を撮ったジル=パケ・ブランネール監督作品。『ゴーン・ガール』の原作者の小説なので、お話の仕掛けが . . . 本文を読む
昨年『岸辺の旅』で新境地(でも、今までの流れから自然にそこに至った、という感じで、とてもさりげない)を切り開いた黒沢清がなんと『CURE』の頃に戻ってとんでもなく恐ろしい心理ホラーを作る。もうドキドキが止まらない。しかも、香川照之がいつも以上に過激に気味の悪い男を演じるのだ。いつも通りでも十分気味が悪いのに、今回はもう、際限がない。どこまでするのか、と、から恐ろしくなるほど。それが . . . 本文を読む
『ズートピア』
まさかの傑作。このアニメーション映画にやられたわぁ。小さなウサギが警察官になり、周囲の偏見と立ち向かい、立派な警官に成長していく姿を描く感動のドラマ。もしかしたら、と少し期待しないでもなかったのだが、ここまでとは、思いもしなかった。これだけの大ヒットはだてじゃない。この映画の実力だろう。あざとくないのもいい。素直に感情移入できる。
彼女のがんばり、と暴走を応援し . . . 本文を読む