この男はないわぁ、と思う。でも、なんだか最後は少しだけ可哀そう。こんなふうにしか生きられなかったのか、とも。ずっと連絡を取っていなかった母親のところを訪ねるシーンは自業自得だけど、胸が痛い。家族と縁を切って、自分の夢を追うために生きた。成功してアメリカからロンドンに戻ってきた。見栄を張り、自信もあるけど、「虚飾と野望」に引き裂かれていく男をジュード・ロウが演じる。鼻持ちならない男だけど彼が演じると . . . 本文を読む
昨年は大長編力作『らんたん』で気を吐いた柚木麻子の最新作だ。今回も凄い。短編集なのだけど、容赦ない。菊池寛大先生を主人公にした1作目から7編。この本の版元である文藝春秋を舞台にして、やりたい放題。「いいのか、こんなことを書いても、」と恐れおののくほど。(いや、冗談ですが)
かつての自分(柚木麻子ですよ、僕ではない!)をモデルにしたような新人小説家が、文藝春秋の担当編集者に虐められるところから始ま . . . 本文を読む
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで大きな成功を収めたはずのジェームズ・ガン監督が、マーベルからDCに鞍替えして挑むシリーズ第2作。いろいろ大人の事情があるのだろうけど、そんなことはどうでもいい。映画さえ面白かったなら、それが一番。
間抜けすぎるキャラクターが大挙して登場し大暴れするし、さっさと死んだりもする、大忙しのアクション映画。デビッド・エアー監督による前作は「まじめな」(退屈 . . . 本文を読む
久々の文庫本だ。通勤途中で読むのは文庫のほうがいいのだけど、新刊を読みたいからあまり文庫は活用していなかった。だけどこれは文庫オリジナルだし、久々の通勤電車(この1年仕事をしていなかったので)なので、ついつい文庫に手を出した。
堀川アサコの前作(たぶん)『定年就活 働きものがゆく』は自分にとってはタイムリーだったし、なかなか面白かったので、なんとなくこれを読み始めたのだが、失敗だ。電車で細切れに . . . 本文を読む