膨大な量の小説を量産している小路幸也の新刊だ。この後もいつもの『東京バンドワゴン』の新作が控えている。この『花咲小路』シリーズもこの作品で7作目になるようだ。今回は寫眞館が舞台となる。そこに採用されるためにやってきた新米カメラマンの女の子と、4代目を継いだ若社長のお話。小説は二人が向き合う面接のシーンから始まる。最初はいつものような商店街を舞台にしたほのぼのとした「人情もの」だと思い読み始めたのだ . . . 本文を読む
なんだか不思議な映画だ。もっとわかりやすくて単純な映画だと思っていたのに、こんなお話なのに、なんだか単純ではなく複雑なのだ。主人公の女の子は憧れのニューヨークにやってきて、ここで働くことになる。人生の第1歩を踏み出す。出版社のエージェント見習いに採用される。彼女の上司はなんとあのサリンジャーのエージェントだ。彼女の夢は小説家になること。そのために出版関係の仕事を選んだ。夢に向けて邁進する。恋人も同 . . . 本文を読む
これもまた短編連作スタイルの読みやすい長編小説。20代の国文科の院生、美希喜が主人公。彼女が大叔父さんの遺した古本屋でバイトする話。大叔父さんの妹である珊瑚さんがこの古書店を取りあえず引き継いだのだが、老齢の彼女はこの店をこの先どうしたらいいのか、迷っている。そんな彼女とふたりでこの店を再開し、やがてここを引き継ぐことになるまでのお話。
「古本」と「食べ物」というなんだか意外な取り合わせで、お話 . . . 本文を読む
6話からなる短編連作。30代の子供のいない夫婦と、その家にいる大型犬シャルロットとの日々のスケッチだ。小さな事件を介して彼らの生活が綴られていくのだが、まるで犬が彼らの子供のようだ。(成犬で大型犬だけど、ふたりは小さな子供のように彼女を愛しんでいる)
僕は生き物が苦手だから、犬を飼ったことはない。だから我が家には今はペットはいない。(実は以前娘が連れてきたイグアナの女の子がいたのだけど、彼女は5 . . . 本文を読む