このなんともいい難いタイトルに惹かれた。わかるようなわからんような。なんだか気になるタイトルではないか。最初のエピソードからガンガンくる。失恋した桃子は酔い潰れて知らぬ間に寂れた喫茶店「雨宿り」に来ていた。イケメン店長と坊さんの黒田。ふたりに見守られて、眠っている。ダメ男に振られて、気がつけばここにいた。そして店長のまずいカレーを食べた。自分の舌がおかしくなったのかと心配になって、桃子は自分の得意 . . . 本文を読む
ずっと前から見たかったホン・サンスのデビュー作。Amazonで配信が始まったのでさっそく見た。今から30年近くも前の韓国映画である。今見ると当時のなんでもない風景がなんだか懐かしい。そこにあるのは変わりつつある(だけどまだ)昔の韓国だ。96年の映画。
80年代の韓国映画の暗さから少しずつ変化して明るくて近代的な街並みに変わっていく途上の光景が映画の背景になる。当時のホン・サンスは過激な描写を好ん . . . 本文を読む
『柳川』のチャン・リュル監督の2018年作品。この後彼は『福岡』『柳川』と3部作を連作する。これは『柳川』とよく似た作品でこの3部作はいづれもこのスタイルなのか。(『福岡』も早く見たい)ふたりは群山の町に着き、駅前の地図を見る。そして古い町をふらふらと歩き出す。一軒の食堂で食べる。店のおばさんから近所にある民泊を尋ねる。しばらくこの町で過ごすことにするみたいだ。だから映画の前半はこの町で過ごす時間 . . . 本文を読む
コロナ禍の日々を描く柴崎友香の最新刊。2020年3月から始まり22年の3月まで。2年間の時間が描かれる。あの狂乱の日々。あんなことが起きるなんて思いもしなかったけど、不安で終わりの見えない時間の中、過ごして時間。世代も住む場所ももちろん環境も違う3人の男女の日々が交互に描かれていく。だいたい2ヶ月刻みに時間は流れる。
全部で12章からなる。ふたつの震災と目の前のコロナ。その3つの出来 . . . 本文を読む