この5月に公開されたばかりの映画なのに、もう配信で公開されていた。アマゾンやnetflixはレンタルよりも早い場合があるから驚きだ。劇場公開時に見たかったのに見逃した映画なので、大喜びで早速見た。いつも実験的な作品作りをする松居大悟監督作品。今回も攻める攻める。映画はすごくよかった。まだこれからの人だろうけど、ここまでの彼の代表作だろう。
成田凌が死んでいる、ということは最初からなんとなくわかっているのだけど、そこをさりげなく明確にしたところから映画はさらにレベルを上げていくのだ。そのへんの匙加減がすばらしい。そこにはわざとらしさがない。生きている者と死んでしまった者との間には差なんかない。たまたまそういうことになっただけ。彼ら6人組は、きっとこれからもずっと一緒だった、はずだ。でも、彼は亡くなっている。だからこの結婚式にも来られない。いや、確かに彼はそこにいる。みんなは今までと同じように彼と話しているし、相変わらずバカをして騒いでいる。そんなふざけたさまが延々と続いていく。ドキュメンタリーのように彼らの様子をカメラは追いかける。
友人の結婚式の披露宴会場での余興のリハーサルのシーンから始まって、式の後、2次会までの待ち時間が描かれる。大事な局面ではなく、どうでもいいような余分な時間。そこでの彼らの姿が愛おしい。こんなふうにしてグダグダして過ごしてきた時間があった。学生時代いつもつるんでいた。暇だから。でも、そんな時間が大人になると実はとても大切な時間だった、と気づく。あの頃を共有したかけがえのない友だち。
終盤、6人が最後に揃った日のさりげない別れに胸が締め付けられる。「明日は仕事があるから」と言って東京からひとり仙台に帰る成田の後ろ姿を5人は見送る。後になって、あれが彼を見た最後なのだと、彼らは思う。悔いはないとはいえるわけもない。いろんなことが後悔だらけだ。でも、どうしようもないことは言わなくてもわかっている。