先月公開された映画のノベライズである。岡田磨理脚本、長井龍雪監督のアニメ映画を額賀澪が小説にした。額賀澪らしさはまるでない。映画そのままで驚く。シナリオをまんまに小説形式に移行させただけではないか、という印象を受けた。だから映像で見るよりわかりにくい気がした。まるで新鮮さはない。ノベライズだから原作を再現するべきなのかもしれないが、それなら額賀澪を呼んでくることはないじゃん、と思う。
途中でやめよかと思ったけど、とりあえず最後まで読んだ。5人の視点から描かれるけど、やはり最後まで原作映画と同じ内容だった。これはこれで責務を果たしているけど、なんだか残念だった。小説だから可能な『ふれる』が見たかった。