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映画・演劇のレビュー

梅田みか『年下恋愛』

2007-06-23 07:08:43 | その他
 こういうTVドラマのような緩い恋愛ドラマをわざわざ小説として読むなんて、めったにしないけど、手元に読む本がなかったから、ついつい読んでしまった。TVの連続ものなんて、もう何年も見た事がないけど、確かこんな感じだったなぁ、と懐かしく思いながらページを繰る。

 30代後半の2人の女性の友情と、それぞれの年下男性との恋愛が描かれる。仕事、育児、将来への不安、といった誰もが抱えている悩みを描きながら、それなりのハッピーエンドに向かっていく。こういうタイプの小説も確かにあるんだ、という当たり前の事実に気付く。もしかしたら、こういう中間小説は山盛り出版され、OLとかに読まれてるのかもしれない。僕が知らないだけで。

 梅田みかはデビューの時に読んだがその後全く知らなかった。今はTVドラマのライターとして活躍されてるようだ。恋愛よりも友情、でも、というちょっと欲張りな結末も悪くない。それぞれが、精一杯自分なりの人生を考えて生きているけど、うまくいかない。そんな中、少し見方を変えるだけで、決してこの世の中生きにくいわけではないと思えれる。結婚が人生のゴールではないなんて、今では誰でも知っている。しかし、ひとりで生きていくことは不安だから、誰かに寄り添ってもらいたいというのも本望だ。新しい可能性としての「年下恋愛」が成立するためには、若い女の子よりも、もっと魅力的な女性にならなくてはいけない、それって、自分をあきらめないということに他ならない。

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