パク・チャヌク監督の新作だ。『オールドボーイ』と出会ってから、ずっと彼の作品はリアルタイムに劇場で見てきた。と、いってもまだ数本だ。でも、それくらいにインパクトが強いということが言いたいのだ。要するに。『親切なクムジャさん』は韓国で見たし、『サイボーグでも大丈夫』も日本で劇場公開される前に、韓国でDVDを手に入れた。そのくらいに熱狂的なファンなのだ! なのに、今回は、劇場公開時に見逃してしまった。なんとも悔しい。だから、ようやく、である。
と、ここまで書いてきて嘘が発覚! 『親切なクムジャさん』は確かにソウルに行ったとき上映されていたが、劇場前まで行ったが、その時は見なかった。それから『サイボーグでも大丈夫』の時は、お店でかなり悩んだけど買わなかった。つい最近のことなのに、なんとも記憶はいいかげんだ。情けない。というか、勢いでここまで書いただけ。本当は別にパク・チャヌクの映画が殊更好きだと言うわけではない。ただ、彼の映画はインパクトは強いから、毒に充てられてこんなふうに書いてしまっただけである。ごめんなさい。
さて、今回の新作である。バンパイアの話だと聞いて、なんかいまいち乗れなかったのも事実だ。見逃したのは、忙しかっただけでもない。ソン・ガンホのバンパイアだなんて、なんかそれだけで笑ってしまいそうだ、と思った。すみません。さて、さて、ようやく見た映画なのだが、これがまた、予想以上にとんでもない映画だった。どこまでが本気でどこからが冗談なのか、想像もつかない。荒唐無稽のハチャメチャ映画である。
後半に入って、完全に家族の話として閉じていくのだが、この話を「バンパイアもの」として作ろうとした意図がよくはわからない。母と息子の家に引き取られて、成長した少女は大人になり、そのバカ息子の妻にさせられる。育ててもらった恩義はある。だが、この家に縛られることをよしとはしない。なんと、バンパイア神父を唆して彼女がこの母子に復讐する話になるのだ。でも、これってそんな話だったのか? 本来主人公だったはずのバンパイア神父(ソン・ガンホです)は確かに絡んでくるのだが、外部の存在であるソン神父が上手くからんでくれないから、なんの映画やらよくわからなくなる始末だ。復讐3部作のようなストーリーラインなのに、なんかしっくりこない。血の絆がテーマだ。きっと。実際に血のつながりがある母と息子。血はつながらないが、血を吸いあってバンパイア同士になる男女。この4人のお話。後半、ほとんどコメディーになっていく展開に驚く。と言うか、まず、主人公がいつのまにか、ソン・ガンホから彼女へと変わってる!
前半はこんなんではなかった。神の不在とか、高尚なテーマのもと、死を選ぶために人体実験に出向くとか、一度は死んで甦るとか(まぁ、バンパイアとしてですが)けっこうスケールの大きな話になりそうな、そのような感じだったのに、気がつけばなんともみみっちい話になっている。どうして、こうなるのか、よくわからない。女がどんどん強くなり、ソン神父は、ただただ、おたおたするばかり。
最初の方を見ている時は、これが家族の話だったなんて、思いもしなかった。後半になって、彼女の家に入り込んで行くところからである。この映画がなんともおかしくなるのは。殺してしまった彼女の夫の亡霊(というより恐怖が生み出す幻影なのだが)に怯えるバンパイアって何? そんなのありか。バカバカしいけど、作り手は本気みたいだ。
いつもながら荒唐無稽で、強烈な映画だ。なんでこうなるのやら、僕にはよくわからない。ただのバカ映画なのかもしれないがいつもながら刺激だけは強い。
と、ここまで書いてきて嘘が発覚! 『親切なクムジャさん』は確かにソウルに行ったとき上映されていたが、劇場前まで行ったが、その時は見なかった。それから『サイボーグでも大丈夫』の時は、お店でかなり悩んだけど買わなかった。つい最近のことなのに、なんとも記憶はいいかげんだ。情けない。というか、勢いでここまで書いただけ。本当は別にパク・チャヌクの映画が殊更好きだと言うわけではない。ただ、彼の映画はインパクトは強いから、毒に充てられてこんなふうに書いてしまっただけである。ごめんなさい。
さて、今回の新作である。バンパイアの話だと聞いて、なんかいまいち乗れなかったのも事実だ。見逃したのは、忙しかっただけでもない。ソン・ガンホのバンパイアだなんて、なんかそれだけで笑ってしまいそうだ、と思った。すみません。さて、さて、ようやく見た映画なのだが、これがまた、予想以上にとんでもない映画だった。どこまでが本気でどこからが冗談なのか、想像もつかない。荒唐無稽のハチャメチャ映画である。
後半に入って、完全に家族の話として閉じていくのだが、この話を「バンパイアもの」として作ろうとした意図がよくはわからない。母と息子の家に引き取られて、成長した少女は大人になり、そのバカ息子の妻にさせられる。育ててもらった恩義はある。だが、この家に縛られることをよしとはしない。なんと、バンパイア神父を唆して彼女がこの母子に復讐する話になるのだ。でも、これってそんな話だったのか? 本来主人公だったはずのバンパイア神父(ソン・ガンホです)は確かに絡んでくるのだが、外部の存在であるソン神父が上手くからんでくれないから、なんの映画やらよくわからなくなる始末だ。復讐3部作のようなストーリーラインなのに、なんかしっくりこない。血の絆がテーマだ。きっと。実際に血のつながりがある母と息子。血はつながらないが、血を吸いあってバンパイア同士になる男女。この4人のお話。後半、ほとんどコメディーになっていく展開に驚く。と言うか、まず、主人公がいつのまにか、ソン・ガンホから彼女へと変わってる!
前半はこんなんではなかった。神の不在とか、高尚なテーマのもと、死を選ぶために人体実験に出向くとか、一度は死んで甦るとか(まぁ、バンパイアとしてですが)けっこうスケールの大きな話になりそうな、そのような感じだったのに、気がつけばなんともみみっちい話になっている。どうして、こうなるのか、よくわからない。女がどんどん強くなり、ソン神父は、ただただ、おたおたするばかり。
最初の方を見ている時は、これが家族の話だったなんて、思いもしなかった。後半になって、彼女の家に入り込んで行くところからである。この映画がなんともおかしくなるのは。殺してしまった彼女の夫の亡霊(というより恐怖が生み出す幻影なのだが)に怯えるバンパイアって何? そんなのありか。バカバカしいけど、作り手は本気みたいだ。
いつもながら荒唐無稽で、強烈な映画だ。なんでこうなるのやら、僕にはよくわからない。ただのバカ映画なのかもしれないがいつもながら刺激だけは強い。