コミックを原作とする人気テレビドラマの映画版というよくあるパターンだ。『Gメン』の瑠東東一郎監督の前作なので見ることにした。瑠東東一郎監督はまるで信用してなかったが、『Gメン』がよくできていたので見直した。もしかしたら、見ていないけど、これもいいかも、と少し期待したけど、いまいちでほっとする。『バイオレンスアクション』よりはまだましだけど、毎回同じパターンだけど『Gメン』には遠く及ばない、という想像通りのレベルで納得。
ただ彼は自分がやりたいことをとことん極めようとしていることがここからもしっかりと伝わってきた。『バカ道』を貫徹する。役者たちもその期待の応えてバカの限りを尽くしている。ふざけているのではなく、本気でこのバカ騒ぎに加担している。だが台本がダメだから、映画はすぐに息切れするけど、呼ばれてきた役者たちは監督の期待に応えて最後まで、このアホでふざけた話を引き受ける。バカ芝居を全力でする。それはもう涙ぐましい限りだ。玉木宏以下全キャストの魂の芝居は感動的である。だが、あまりに話が幼稚園。もちろんやるならこれでいいけど、やり方があろう。単純すぎてついていけない。
アクションとあり得ないバカなドラマが融合した時、奇跡の映画が生まれるが、失敗したら、滑りまくって腹立たしいふざけた映画になる。いつも設定は呆れるばかりの荒唐無稽。それを全力投球で描く。ツッコミどころ満載だが、それでも問答無用で突っ走っていく。乗り切れたならハマるが、ついていけないかもしれない。そんな危険な賭けに挑む。発想の面白さを最後まで持続できるか、どうかが成否を分ける。そのためには緻密な計算が必要だろう。それがない。
ここからも『Gメン』までの長い道のり(結構早かったけど)が伺える。アホなカーチェイスと単調なケンカシーンはそれなりに楽しいが、話があまりにバカすぎる。