僕は知らなかったが、これは真田佑馬という人(7人組のボーイズグループである「7ORDER」の人)が作った映画。彼が原案・プロデューサー、助演を務め、(この人も知らなかったが)佐藤克則が脚本監督した。演じる役者たちも全員知らない人たちばかり。自主映画のような(というか自主映画そのもの)作品。
こんな地味な映画をしっかりと作る。内容も真面目すぎて、少し驚く。だからこれは商業映画ではないけど、自分がどうしても作りたいと思ったものをきちんと作り劇場で上映する。彼はそんな夢を叶える。
描かれるのは20歳の時の想い。(モノクロで描かれる20歳の誕生日の風景)そして、10年後の今。それと向き合う事。映画はふたつの時代を描く。20歳になったあの日。30歳になるこの日。そこまでの5日間。
なかよし3人組だった。3人はたまたま同じ日に生まれた。それはガリレオの地動説をローマ法王が認めた日。同年同月同日に生まれた彼らの10年後の物語。
失踪したひとりからメールが届く。約束は叶えられない、と。それは忘れていた約束。彼女はアルコール依存症に苦しんでいるひとり。彼は結婚を控えて自分の生き方に疑問を抱くひとり。それぞれひとりになっている3人が、再び再会するまでの5日間の物語。
甘い映画かもしれないが、作りたいという気持ちがしっかり伝わってくる誠実な映画だ。2時間15分というこの手の映画としてはかなりの長尺だが、最後まで飽きさせない。作り手の気持ちがちゃんと伝わってくるだけでも立派。月に立つというまさかの夢も叶えて欲しい。