昨年に続いて2年目となる第2回公演。ある種の設定を下敷きにして、いろんなドラマをそこから展開していくというのは、神原さんにとっては、簡単なことだろう。これはすかんぽ長屋を舞台にした人情劇シリーズ。神原さんお得意のいつもの世界。それを1時間ほどの小品として仕立てた。無理せず、軽いタッチで、お決まりの、安心して見られるお芝居を提示してくれる。企画意図通りの芝居なのかもしれない。悪くはない、とも言える。
だから、少し単純すぎて、拍子抜けがしないでもない。だけど、そんなことは最初からわかっていることだから、これはこれで構わない、というべきなのか。ほのぼのとしていて、楽しい、と受け止めるべきなのだろう。だけど、なぁ、である。
今回は久々に神原さんがセンターに立つ芝居で、そういう意味では新鮮。ただ、1時間での定番の展開というのはやっぱりなんだか物足りない。せめて、1時間半くらいのボリュームで、お話にも奥行きが欲しい。さらにはそこに長屋の住人たちの生活感を感じさせる描写もあればなおいい。なのに、今回はお話自体までもが書き割り然としていて、芝居にまるで驚きがないのである。これでは残念、というしかない。