『四季一会』は男女の会話劇。4編からなる。ほんの一瞬の何でもないような時間の出来事。特別な事件があるわけではない。さまざまなシチュエーション、時間、季節が用意されている。だがそれがそれぞれのお話に大きな影響を与えているわけではない。
この瞬間、2人の心が微かに揺らぐ。そんな心の揺れるさまが描かれるだけだ。あまりにささやか過ぎて、何も心に残さないまま、通り過ぎて終わるものまである。だが、僕らが生きている時間だってそんなものだ。大切な瞬間すら、気付かずやりすごしてしまったりもする。男女が並んでテキスト片手に正面を向いて繰り広げる5分強のリーディング作品を4本続けてみているうちに、そのさりげなさが、なんだか愛おしくなる。
2本目の中編は、とてもへんてこな話で、宇宙人がやってきて、この町で生活しているのだが、そんな宇宙人の女の子に恋してしまう男の話。コメディになりそうな話を深津さんはいつもの淡々としたタッチで見せていく。こちらも同じように正面を向いて座っている男女6人の役者たち(橋本健司さんはナレーターのような役割)が、テキストを手にして普通に読む。
主人公となる男女(丸山英彦、坂田愛子)は少し芝居もするけど、椅子から立つことはない。この作品がリーディングであることをきちんと守って、テキストをちゃんと音として伝えることをまず第一にする。いらぬ小細工はしない。このセリフ劇は目を閉じてラジオドラマでも聴くようにして味わうほうがいいかもしれない。そう思わせるほどにひとりひとりのセリフが立っている。
この瞬間、2人の心が微かに揺らぐ。そんな心の揺れるさまが描かれるだけだ。あまりにささやか過ぎて、何も心に残さないまま、通り過ぎて終わるものまである。だが、僕らが生きている時間だってそんなものだ。大切な瞬間すら、気付かずやりすごしてしまったりもする。男女が並んでテキスト片手に正面を向いて繰り広げる5分強のリーディング作品を4本続けてみているうちに、そのさりげなさが、なんだか愛おしくなる。
2本目の中編は、とてもへんてこな話で、宇宙人がやってきて、この町で生活しているのだが、そんな宇宙人の女の子に恋してしまう男の話。コメディになりそうな話を深津さんはいつもの淡々としたタッチで見せていく。こちらも同じように正面を向いて座っている男女6人の役者たち(橋本健司さんはナレーターのような役割)が、テキストを手にして普通に読む。
主人公となる男女(丸山英彦、坂田愛子)は少し芝居もするけど、椅子から立つことはない。この作品がリーディングであることをきちんと守って、テキストをちゃんと音として伝えることをまず第一にする。いらぬ小細工はしない。このセリフ劇は目を閉じてラジオドラマでも聴くようにして味わうほうがいいかもしれない。そう思わせるほどにひとりひとりのセリフが立っている。