早いもので、今回でシリーズ4作目になる。幟を手にした死神(河上由佳)と、彼女に取りつかれた男との日々を描く連作。死神がいつも、自分の横にいて、あれこれとおせっかいを焼く。それって、本当に鬱唐しい。でも、ずっとそうなのだ。取りつかれたその日から。
いつも同じパターンの話で、それがようやく心地よくなってきた。最初はこのテンポに慣れなくて、困ったが、今ではこのまどろっこしいところが快感だ。でも最初は死神のあのゆっくりしたしゃべり方にイライラした。彼女が間に入ることで話のテンポが落ちるのにもなかなか馴染めなかった。だが、そのへんの段取りも最初は手探りだったけど、回を重ねるごとによくなり、さらには、だんだん戒田さんも、お約束であるいつもの部分と、新展開とのバランスの取り方がわかってきたようで、今回初めて、とても心地よく見ることができた。絶好調である。
生と死を扱い、限りある時間の中で、最大限の生き方する。それをどうなすべきかを、描く。毎回、主人公となる男を様々な男優に演じさせる。今回は近藤ヒデシさんが演じた。彼の情けなさそうな顔がいい。
たった2人の家族である母と娘。娘のおなかには、もうすぐ生まれてくるはずの息子がいる。2人は観覧車に乗り、事故に遭う。そのとんでもない災難で命を落とす。死神との契約により、奇跡的に命を取り留めた息子は、天涯孤独で生まれてくる。
彼の母親(死んでしまった母子の娘の方ね)の親友が彼を引き取り、自分の娘と分け隔てなく育てる。やがて、その息子は大人になり、新しい家族を作る。そんなふうにして、つながっていく絆を追いかけながら、人の一生というものを、ゆっくりとみつめていく。この作品のメインイメージを形作る観覧車のように、ゆったりした動きで、ドラマは語られていく。そのテンポがとても心地よいのだ。見ていて安心感を与えてくれる。
今回のお話が、今まで以上に気持ちがよかったのは、このストーリーの意外性のなさも大きい。人の生と死を描くこのシリーズが4作目で到達したものは、ゆっくりと回転し、やがて、一回転して、同じところに戻ってくる観覧車のような人生だ。それを今回の作品がちゃんと見せてくれたから傑作になった。おせっかいな死神とともに、彼の人生をゆっくりとみつめることができる1時間50分。(この上演時間もいい)
いつも同じパターンの話で、それがようやく心地よくなってきた。最初はこのテンポに慣れなくて、困ったが、今ではこのまどろっこしいところが快感だ。でも最初は死神のあのゆっくりしたしゃべり方にイライラした。彼女が間に入ることで話のテンポが落ちるのにもなかなか馴染めなかった。だが、そのへんの段取りも最初は手探りだったけど、回を重ねるごとによくなり、さらには、だんだん戒田さんも、お約束であるいつもの部分と、新展開とのバランスの取り方がわかってきたようで、今回初めて、とても心地よく見ることができた。絶好調である。
生と死を扱い、限りある時間の中で、最大限の生き方する。それをどうなすべきかを、描く。毎回、主人公となる男を様々な男優に演じさせる。今回は近藤ヒデシさんが演じた。彼の情けなさそうな顔がいい。
たった2人の家族である母と娘。娘のおなかには、もうすぐ生まれてくるはずの息子がいる。2人は観覧車に乗り、事故に遭う。そのとんでもない災難で命を落とす。死神との契約により、奇跡的に命を取り留めた息子は、天涯孤独で生まれてくる。
彼の母親(死んでしまった母子の娘の方ね)の親友が彼を引き取り、自分の娘と分け隔てなく育てる。やがて、その息子は大人になり、新しい家族を作る。そんなふうにして、つながっていく絆を追いかけながら、人の一生というものを、ゆっくりとみつめていく。この作品のメインイメージを形作る観覧車のように、ゆったりした動きで、ドラマは語られていく。そのテンポがとても心地よいのだ。見ていて安心感を与えてくれる。
今回のお話が、今まで以上に気持ちがよかったのは、このストーリーの意外性のなさも大きい。人の生と死を描くこのシリーズが4作目で到達したものは、ゆっくりと回転し、やがて、一回転して、同じところに戻ってくる観覧車のような人生だ。それを今回の作品がちゃんと見せてくれたから傑作になった。おせっかいな死神とともに、彼の人生をゆっくりとみつめることができる1時間50分。(この上演時間もいい)