呆れた。こんなもんを映画だと言って劇場で公開していたのか。昨年の公開時、少し気になっていた映画だ。TBSが制作したドキュメンタリー映画。若いディレクターが67年制作の寺山修司が企画構成したTVドキュメンタリーを再構成して今の視点を交え描く。
67年と22年をつなぎ、同じ質問を街頭で投げかける。寺山が手掛けた映像と重ねて描く。監督を手掛ける佐井大紀はあの頃と今が似ていると感じる。彼が何を感じ、何を見せたかったのかはまるでわからない。ただ淡々と質問をぶつけるばかり。当時寺山が手掛けたこのドキュメンタリーには意味があったかもしれないが、今佐井が作るドキュメンタリーには意味がない。ここには確かな彼の視点がないからだ。
リメイクではなく今の映画として作る以上、ある種の覚悟が必要である。あなた自身の答えを用意することなく、街頭で無作為にインタビューするべきでない。しかも寺山修司の名前を借りるなんて論外である。
1967年と2022年の間には40年ではなく55年の時間差があると思うけど、なんで40年目の挑発なんだろうか。そこも不思議。(少し居眠りしたから大事なシーンを見逃しているかも、)