上下2巻で800ページに及ぶ長編だ。しかも、主人公は誰なのか、なかなか明確にはならない。最初のページに登場人物紹介が載っているけど、その1番に書かれてある人物が主人公ではないなんて思いもしなかったから、前半を読み終えて、おいおい、主人公ってまだちゃんと登場してないじゃないか、と思った。でも、主要人物を登場順で書いていたみたい。まぁ、そんなのどうでもいいことなのだが。
あまりにたくさんの中心人物が右往左往するから、彼らの相関図を頭の中でイメージしながら読まなくては混乱しそうだ。まぁ、僕があまり考えなしにどんどん読んでいくから、こんがらがってしまうだけなのだが。
ちょっとしたミステリ仕立てにもなっている。死んでしまった父親の謎を、死後10年以上経って、たまたまのことから解明していくことになる。父親の不倫と、死後に生まれた腹違いの弟。絵本作家の真帆が主人公だ。(たぶん)
彼女のお話だけではなく、彼女の家族、周囲の人たち、まるで関係ないように見えた人たちの営みが、どこかでつながっていく。富山、東京、京都。3つの都市を舞台にしてそこで生きる人々の、とある家族たちの、運命が交錯していく物語。北陸本線、富山から入善まで。途中までは平行して走る富山地方鉄道。愛本橋から見える星月夜。
もうひとりの主人公は東京から富山に帰った脇田千春。まるで関係のないこのふたりをつなぐのが、共通の大切な存在となる今はまだ中学生である佑樹の存在だ。真帆の弟。千春の従弟。彼はみんなの希望だ。
自転車で走るシーンがこの長い小説の最初と最後を飾る。生きていることは、楽しいことばかりではない。とんでもないようなこともある。たくさんの人たちの、それぞれのドラマを垣間見せながら、それらが絡み合って壮大な、でも小さな小さな、ある家族たちのドラマへとたどり着く。読み終えた時、胸がいっぱいになった。こんな運命的な瞬間が人生にはある。だから、人生はときどき、美しい。
あまりにたくさんの中心人物が右往左往するから、彼らの相関図を頭の中でイメージしながら読まなくては混乱しそうだ。まぁ、僕があまり考えなしにどんどん読んでいくから、こんがらがってしまうだけなのだが。
ちょっとしたミステリ仕立てにもなっている。死んでしまった父親の謎を、死後10年以上経って、たまたまのことから解明していくことになる。父親の不倫と、死後に生まれた腹違いの弟。絵本作家の真帆が主人公だ。(たぶん)
彼女のお話だけではなく、彼女の家族、周囲の人たち、まるで関係ないように見えた人たちの営みが、どこかでつながっていく。富山、東京、京都。3つの都市を舞台にしてそこで生きる人々の、とある家族たちの、運命が交錯していく物語。北陸本線、富山から入善まで。途中までは平行して走る富山地方鉄道。愛本橋から見える星月夜。
もうひとりの主人公は東京から富山に帰った脇田千春。まるで関係のないこのふたりをつなぐのが、共通の大切な存在となる今はまだ中学生である佑樹の存在だ。真帆の弟。千春の従弟。彼はみんなの希望だ。
自転車で走るシーンがこの長い小説の最初と最後を飾る。生きていることは、楽しいことばかりではない。とんでもないようなこともある。たくさんの人たちの、それぞれのドラマを垣間見せながら、それらが絡み合って壮大な、でも小さな小さな、ある家族たちのドラマへとたどり着く。読み終えた時、胸がいっぱいになった。こんな運命的な瞬間が人生にはある。だから、人生はときどき、美しい。