たった7行のあらすじから生まれた作品らしい。そこから2つの作品が生まれた。有川浩と成井豊による夢のコラボレーション。有川の小説、成井の戯曲。別々の双子の作品だ。さらには上演されたキャラメルボックスの芝居。それからインスピレーションを得た有川のノベライズ。この本はそうして生まれた有川のその2つの小説を収めた。ついでに成井豊の戯曲も載せたらよかったのではないか。イベント本としてならそこまでする方がいい。でもこれはあくまでも独立した作品として出版されてあるし、それなら、そういうつもりで読んでみる。
やっぱり、なんか物足りない。正直言うと、かなりつまらなかった。コンセプトから立ち上げた作品は、ドラマが本来持つはずの無限の可能性を削いでしまって、小さな枠の中でお行儀よくおさまっているばかりだ。ただそれだけのことなのだ。企画としてのおもしろさと、作品としてのおもしろさは比例するわけではない。というか、正直言うと、こういう企画自体も僕には面白いとは思えない。
主人公である真也の特殊能力がまるで作品の中で生かされていない。というか、この設定に何の意味があるのか、よくわからない。さらには、「父帰る」という設定も平凡だ。誰が用意したのか知らないが、元々の7行のあらすじ自体がつまらない。
100ページほどの中編小説というボリュームが、作品世界を窮屈なものにしている。独立した小説というよりも、ただのアイデア集でしかない。2本の小説はどちらも未完成な下書きレベルのものだ。
やっぱり、なんか物足りない。正直言うと、かなりつまらなかった。コンセプトから立ち上げた作品は、ドラマが本来持つはずの無限の可能性を削いでしまって、小さな枠の中でお行儀よくおさまっているばかりだ。ただそれだけのことなのだ。企画としてのおもしろさと、作品としてのおもしろさは比例するわけではない。というか、正直言うと、こういう企画自体も僕には面白いとは思えない。
主人公である真也の特殊能力がまるで作品の中で生かされていない。というか、この設定に何の意味があるのか、よくわからない。さらには、「父帰る」という設定も平凡だ。誰が用意したのか知らないが、元々の7行のあらすじ自体がつまらない。
100ページほどの中編小説というボリュームが、作品世界を窮屈なものにしている。独立した小説というよりも、ただのアイデア集でしかない。2本の小説はどちらも未完成な下書きレベルのものだ。